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マイナビ農業特集 新春座談会 どうなる?2018年日本の農業 Vol.2(2/2)

マイナビ農業特集 新春座談会 どうなる?2018年日本の農業 Vol.2

某日、農家で働く若手、4人がマイナビ農業編集部に集まりました。
マイナビ農業では、2017年8月1日にスタートして以来、様々な方々から農業について話を聞いてきました。苦労や喜びや、物事や人や。
そんな一人ひとりをつなぐハブとして、今、これからの農業を担っていく若手農家に、その取り組みや想いを一挙に語り合ってもらう場を設けました。日本の農業の今がここにあります。

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近くに売りたいために遠くへ売る

任意団体 夢農人(ゆめのーと)とよた 、いしかわ製茶 石川 龍樹さん

柴海:私は、別に休まなくても全然働けちゃう。なぜ、そうかと言えば、自分には農業への想いがあって、それに向かってやっているからです。だから毎日何時間か仕事をこなすだけだったらやっぱりつまらないですよね。でもそうさせていた自分がいたのかなともちょっと思っています。だから、やり方を変えていこうと思っています。

石川:私の大風呂敷は、本業では海外展開ですね。うちは、日本に多数いる、父母と僕、週末嫁、みたいな農家です。欧米では、家族で作っているって、ものすごくウケがいいんですね。シングルファミリー、シングルフィールド、単一品種。

佐川:究極のシングルオリジンなんですね。

石川:はい。高く評価してもらって、4か国まで増やしました。それをさらに増やしたい。なぜかというと、地元の人に買ってもらいたいんです。全然買ってもらえない。どうしたらうちのお茶の価値をわかってもらえるのかと考えたときに、海外で高く評価されることだと考えました。

安保:逆輸入ですね。

石川:近くの人に売りたいがために遠くに売っています。今うちの一番いいお茶はロンドンに、一番いい抹茶はニューヨークに行っています。

新しく入ってくれる人を増やしたい

株式会社新しい風さとやま 安保 満貴さん

石川:本業を安定させたうえで、私は「夢農人(ゆめのーと)とよた」の会長です。7年やって運営のコツもだいぶ分かってきました。豊田市以外のメンバーも増えてきたので、3月には「夢農人あいち」にします。それと同時進行で夢農人ジャパンですね、目指せ、都道府県に1つずつ夢農人。
夢農人が、全国に突き抜ける物事を作るのではなくて、皆で一緒に農業界を引っ張る。今後の農業界を引っ張れる若手を育てていけるために新規参入者も大歓迎の団体です。

安保:私は、まずは足元を固めているレベルです。今、僕たちは耕作放棄地を借りてくるんですよ。ほとんどの人は農家を廃業している。土地の人も、自分の土地だったことも分からないレベルです。僕たちはそこで泥だらけになりながらやっている。最初は地元の農家の人は「あいつら何か始めたね」みたいな感じだったんです。けれど何年か経つと「頑張ってるな」と評価してくれてきている。もともと、それらの耕作放棄地も先祖代々やられてきて、そのこと自体が宝。そういう感覚がもう一回農家の方、地元の方にうまく伝わるといいと思っています。耕作放棄されている圃場はものすごい量です。僕たちだけだとどうやっても賄いきれない。

私は、どちらかと言えば農業は素人です。ですから、「素人が良くやってんなぁ」と見てもらって、「あいつらができるんだから、俺だってできるんじゃない」と思ってほしい。僕らの田んぼを見て、「じゃぁ、うちもやってみよう」とか思ってくれて広がっていくといいです。

農業に関わる人たち

「広がっていくといい」
農業に関わる人たちへの期待。大風呂敷に導かれて飛び出してきた、人というキーワード。若手農家たちの周りには、どんな人たちがいるのでしょうか。座談会は後半戦、第三回に続きます。

聞き手・執筆:三坂 輝

マイナビ農業特集 新春座談会 どうなる?2018年日本の農業 Vol.1はこちら

マイナビ農業特集 新春座談会 どうなる?2018年日本の農業 Vol.3はこちら

マイナビ農業特集 新春座談会 どうなる?2018年日本の農業 Vol.4はこちら

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