1.GAPにおける安心・安全とは
GAPにおける安心・安全とは、一般の消費者が求めている「安心・安全な農作物」とは違います。GAPは、農作物を実際に食べて「おいしい」と言ってくれる一般の消費者に対して直接、「安心・安全な農作物」を保証してくれるわけではありません。農家から農作物を購入するスーパーなどの流通業者に対して、「安心・安全な農作物」の作り方を実践する「農場」を保証します。
2.GAPの起源
もともと、GAPの世界標準であるグローバルGAPは、1990年代に欧州で生まれました。当時は、大手流通業者が、農薬使用基準などを安心・安全な農作物の作り方について、個別の農家に要求していました。農家にとっては、流通業者ごとに異なっている要求に対応するのは非常に手間がかかっていました。流通業者にとっても、欧州以外のアフリカにある契約栽培農家に、こうした要求を伝えて、その順守を監査するのは大変です。そこで、流通業界が、農作物生産工程管理について共通の規範であるGAPを作りました。
3.ISO9001(品質マネジメントシステム)と似ている
GAPは、品質基準に適合した製品を提供し、顧客を満足させるシステム(仕組み)およびその実践であるISO9001と似ています。一つ一つの製品の品質が高いかどうかではなく、品質の高い製品を作り出す仕組みを求めている点です。