セロリの紹介
セロリは、爽やかな香りとシャキシャキした歯ごたえが特徴の香味野菜です。セロリの歴史は非常に古く、原産地はヨーロッパ、西南アジア、インドなど諸説ありますが、古代エジプトでも食べられていたと言われています。
日本に渡ってきたのは、16世紀末の朝鮮出兵の際に加藤清正が朝鮮から持ちかえったものが最初とされています。渡来当初は「清正人参」と呼ばれ珍しがられていました。その後、オランダ人によって長崎に「オランダ三つ葉」と呼ばれる西洋種が持ち込まれ、現在の日本での主流はこの西洋種に近いものです。
以前は香りの少ない黄色種が人気でしたが、現在は程よい香りで肉厚の中間種が主流となっています。ちなみに欧米での主流は香りが強い緑種で、サラダ以外にも煮込み料理などにも使われています。最近では日本でも、セロリが煮込み料理などに使われるようになってきています。
鮮度の良いおいしいセロリの見分け方
鮮度の良いおいしいセロリは、茎が太くて長く、丸みがあり、葉がみずみずしいものが特徴です。茎の筋と筋の間の肉が盛り上がっているものを選びましょう。切り口が見える場合は、スが入っていないものが新鮮です。収穫が遅れて成長しすぎると、空洞になってスが入ることが多くなります。食べても問題はありませんが、筋っぽい食感となります。
セロリの栄養
セロリの代表的な栄養成分は、カリウムです。カリウムは、神経や筋肉の機能を正常に保ち、細胞内外のミネラルバランスを整える作用があると言われています。食物繊維を多く含むと思われがちな野菜ですが、セロリに含まれる食物繊維は100グラム中5グラムと、それほど多いわけではありません。
セロリに多く含まれるビタミンB6は、筋肉や血液を作る際に必要な栄養で、皮膚や粘膜の健康維持に関わる栄養成分です。セロリの独特の香りの正体は、アピインと呼ばれる成分で、神経鎮静作用や食欲増進効果などが期待できます。
セロリの保存方法
コップの中に冷水を入れてセロリの根元をしばらく浸してから、その日中に食べるようにしましょう。セロリは傷むのが早いため、できるだけ早く食べきることが望ましいです。もし2、3日保存したいときには、葉に栄養分が取られてしまうため、茎と葉に切り分けてそれぞれラップに包んで冷蔵庫の野菜室で保存します。
セロリの旬と時期
国内で流通するセロリの半分以上が長野県と静岡県で生産されています。5月から12月頃は長野県産が、11月から6月頃までは静岡県産のものが出荷されています。
セロリの下ごしらえ
セロリを洗うときには、付け根に泥や汚れがたまっていることが多いので、流水で付け根の内側をしっかり洗うようにしましょう。
歯ざわりをよくするために、筋をとるのがオススメです。筋取りは、まず葉の付け根のフシの部分で葉と茎に切り分けます。茎の下の外皮側に包丁を入れて筋を起こしてから手前に引くと簡単に取れます。新鮮なものほど筋が硬くしっかりしているので、きちんと取り除くようにしましょう。
セロリをおいしく食べるワンポイント
日本では、セロリはサラダに使われるのが主流となっていますが、それ以外にも様々な調理法があります。
スープをとる
セロリは、肉類の臭いを消して、料理に風味やコクをつけて味を引き立ててくれます。特に葉や茎の細い部分は香りが強いので、香草の束(ブーケガルニ)にします。くず野菜と共にスープをとったり、魚を蒸すときに添えたりすると風味が一気にアップします。
葉は天ぷらに
香りが強い葉は、天ぷらにしたり、刻んで佃煮にするとご飯によく合います。
葉はふりかけにも
葉はレンジにかけて乾燥させると、粉状のふりかけ風に使うことができます。
セロリの種類
ホワイトセロリ
茎が細く白く、三つ葉に似ています。水耕栽培されているため、クセが少ないのが特徴です。
グリーンセロリ
葉だけではなく、茎全体が緑色をしています。筋が少なく肉厚で、香りが強く、アメリカで人気がある品種です。
セロリは、サラダやピクルスに使う方が多いと思いますが、煮込み料理にも大活躍する野菜です。独特の香りが苦手な方は、リンゴなどの水分が多い果物やトマトと一緒にジュースにすることで飲みやすくなります。
また、葉を布の袋に入れて少しもみ、お風呂に入れると冷え性に効果があると言われています。ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)
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