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栄養満点! 春を感じるサヤエンドウの保存法・料理のコツ 【野菜ガイド】

連載企画:野菜ガイド

栄養満点! 春を感じるサヤエンドウの保存法・料理のコツ 【野菜ガイド】

小さいながらも栄養満点。和食洋食、煮物に揚げ物、どんな料理にも活用できるのがサヤエンドウです。今回は歴史や特徴、栄養分や保存方法、新鮮なサヤエンドウの見分け方などの豆知識をたっぷり紹介します。サヤエンドウの上手な下ごしらえの方法や、味付けのコツ、スジをきれいに取り除くポイントなども説明します。

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穀物として食されていたサヤエンドウ

サヤエンドウ

サヤエンドウは、エンドウマメを若採りして、サヤごと食べる栄養満点の野菜です。日本料理の煮物や、クリームシチューの彩りなどとして重宝されています。

関東で多く扱われている「キヌサヤ」もサヤエンドウの一種で、長さは5~6センチで、薄くやわらかいのが特徴です。関西でよく食べられているのは「オオサヤエンドウ」で、長さ10センチ以上にもなる大型の品種です。最近では実が大きくなっても硬くなりにくい「スナップエンドウ」も人気を集めています。

サヤエンドウの原産は、中央アジアから中近東周辺と伝えられています。当初は現在のようにサヤごと食べる訳ではなく、穀物として食べていたと考えられています。古代エジプトの王ツタンカーメンの墓からエンドウマメが発見されるなど、古代から人々の食を支えてきた歴史ある野菜です。

日本に入ってきたのは、10世紀頃で中国から渡来したと言われています。この時期は豆を穀物として食べていましたが、江戸時代からサヤごと食べられるようになり、明治時代以降に広く普及したと言われています。

鮮度が良いおいしいサヤエンドウの見分け方

サヤエンドウ

鮮度が良いおいしいサヤエンドウは、緑が濃く鮮やかで、皮にハリがあり、豆の数が多めです。実を感じられないほど薄いものが上質のサヤエンドウだと言われています。ヒゲが白っぽくピンとしているものを選びましょう。新鮮なサヤエンドウは、折り曲げるとポキッと折れます。

サヤエンドウの栄養

サヤエンドウに含まれるカロテンの量は、エダマメの約2倍です。カロテンは脂溶性のため、油と一緒に調理すると効率的に摂取することができます。

またビタミンCも多く含むため、免疫力を高めたり、コラーゲンを生成し美肌に導くなどの効果も期待できます。ビタミンCは体内にためておくことができない栄養素なので、日々摂取するように心がけることが大切です。

サヤエンドウの保存方法

サヤエンドウ

サヤエンドウの保存の際に気をつけなければいけないのが、温度と湿度です。温度は0℃、湿度は90~95パーセント以上が理想の環境です。家庭で保存する際は、他の豆と同様に、購入した当日中に茹でて、冷蔵庫に入れるのが基本です。茹でずに生のままで保存したい場合は、余分な水分を吸うようにキッチンペーパーなどで包み、ポリ袋に入れてから冷蔵庫の野菜室で保存するようにしましょう。

茹でた方が長持ちはしますが、傷みやすい野菜なので早めに食べきることをおすすめします。少しでも長く保存したい場合は、塩を入れたお湯にさっとくぐらせて湯からあげて、冷蔵庫で保存するようにしましょう。湯にくぐらせる程度であれば、栄養の流出が抑えられるうえ、調理する際の歯ごたえもしっかり残って色もきれいに仕上がります。

傷んだ部分があると他のサヤエンドウにも移りやすいため、まとめて購入した時は傷んだものを取り除いて保存するようにしましょう。

サヤエンドウの下準備

サヤエンドウ

サヤエンドウを調理するときには、スジを取り除く必要があります。ヘタを直線に近い方に折って先端に向けて引くと、すーっときれいにスジが取れます。ただし、料理の飾りに使用するなど先端を残したいときには、逆方向にスジを引きましょう。

サヤエンドウをおいしくするワンポイント

味がしみにくい時はどうすればいい?

サヤエンドウは繊維がしっかりとしていて味が染み込みにくい野菜です。そのため料理の飾りではなく、主材料として煮物などに使うときには、麩など味が染み込みやすいものと一緒に調理することがコツです。

細かい素材と料理するとまとまりにくい?

ちりめんじゃこなど、小さな素材とサヤエンドウを調理するときのポイントを説明します。バラバラしてまとまりがないときには、卵とじにするなどして料理全体に一体感を出すとおいしく食べることができます。

サヤエンドウの種類

サヤエンドウ

キヌサヤ

キヌサヤはサヤエンドウの品種ではなく、長さが5センチ未満の未熟なものを指す総称です。料理の彩りにお勧めです。

スナップエンドウ

肉厚のサヤと、丸々と成長した豆の両方を味わえることから、近年人気を集めている野菜です。

サトウエンドウ

キヌサヤよりも豆が大きく、見た目がふっくらしているのが特徴。糖度が高くほんのり甘いのも魅力です。

サヤエンドウの鮮やかな緑色と食感を楽しむために、煮物の彩りとして使う際は煮込みすぎないようにしましょう。ぜひ様々な種類のサヤエンドウを食卓で楽しんでみてください。

参考:「野菜と果物の品目ガイド~野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)

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