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利用が支援に! 農家へ有機野菜の栽培・宅配を依頼できるRagriとは?

利用が支援に! 農家へ有機野菜の栽培・宅配を依頼できるRagriとは?

社会や人のためになるビジネスが強く求められる時代。そんな今、楽天株式会社は社会問題となっている日本農業の衰退の解決に向けて、2016年に新サービス「Rakuten Ragri(ラクテンラグリ 以下、Ragri)」を開始しました。Ragriは、ユーザーが農家へ有機野菜の栽培を直接依頼し、育った農作物を自宅に届けてもらえるオンラインサービスです。ユーザーは産地直送の有機野菜などが食べられるだけでなく、使うたびに農家を支援して、地域農業の活性に貢献できます。このRagriのサービスについて、同社でお話を聞いてきました。

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インターネットが生み出す新しい可能性!地方農業に大きな活力を吹き込む

現在、日本の農業従事者は1960年の総人数と比べて14.3%(209万人)にまで減少しています(農林水産省「農林業センサス」より)。国産農作物もこのままでは食べられなくなるでしょう。しかし、Ragriはインターネットを農業に取り入れることで現状を変え、地方農業の活性を図る取り組みを行っています。

高齢化農業、後継者の不足、増える耕作放棄地。数々の問題を一挙に解決

2017年4月、地方農家における後継者不足を解決するため、楽天は愛媛県で遠隔農場サービスを提供していたベ ンチャー企業「テレファーム」と共に Ragri を始動させ、全国の新規就農志望者を研修生として募集しました。

農業

「3ヶ月で全国から300名もの応募者が集まりました。平均年齢は30歳前後で、中には20歳の女性もいらっしゃいました。若い世代の方でも、就農への需要は確かにあるんです(Ragri運営スタッフ)」。
研修生はテレファームによる2年の研修を積み、トラクターの使い方や有機JAS認定の取得、行政との連携などを学びます。また、引退間際の農家で経験を重ね、自立していくことで農地の継続利用と後継者問題の解消に貢献します。有機生産が難しいとされる葉物の栽培など、テレファームが独自に開発した農法で作られた野菜や果物はRagriを介してユーザーから注文を受け、1人ひとりの消費者へ直送されます。農家と消費者の、Ragriを通じたオンラインでの新しい取引の形は、地方農業の収入を安定させていく活力を吹き込んでいます。

全国に広がるRagri参画者。農家と消費者のマッチングが地域農業の活性化に

そして今、テレファームが所在する愛媛県を中心に、Ragri参画農家は全国へ広がり始めています。日本の農業の課題を解決し、農業を通じて日本を元気にしていくというRagriのこだわりに共感を示す農家の人たちは、野菜作りにかける思いがいっそう強いのだとか。地方への研修生の派遣とRagriを通じた消費者とのマッチングによって、全国の地域農業が再び活気を取り戻す活路が開けたと言えるでしょう。

産地直送!農家と一緒に育てた有機野菜を自宅にお取り寄せできる

Ragriでは、ユーザーが農家へ野菜の栽培を依頼し、依頼を受けた農家はユーザーへ届けるための野菜などの作付けを始めます。こうした農家と消費者の「契約栽培」は、スーパーでの買い物とは異なる次のようなメリットを消費者へ与えます。

農家と一緒に野菜を育てるという仮想体験

ユーザーが依頼した農作物は、宅配まで30日~1年の期間を要します。その間、作物の成長はRagriサービスの1つ「バーチャル畑」で見守ることができます。バーチャル畑とは、野菜の成長の様子に連動してスマートフォンに映し出された仮想の畑。ユーザーがアプリ上でバーチャル畑にこまめに水やり操作を行うことで、バーチャル畑での指数「野菜の元気度」が上昇します。また、実際の畑でも、野菜の元気度の上昇に合わせて農家が水やりなどの世話をしてくれるため、ユーザーは農家と一緒に野菜を育てている実感を得ることができます。

農業

さらに、農家は野菜の育っている様子を随時コメント付きの写真で送ってくれるため、実際の野菜の成長過程がよく分かります。苗から成長を見守り続けた野菜の味わいは、格別であることは言うまでもありません。

豊富な種類から人気の有機野菜が選べる

季節によって変わりますが、野菜の種類は多い時期で50種類以上から選ぶことができ、珍しい野菜にはスナップエンドウやビーツなどがあります。送料を含めた値段とはいえ、スーパーの野菜と比べると少し割高に感じるかもしれません。しかし、農家と一緒に野菜を育てる実感や、それによって育つ野菜への愛着こそ、普段の買い物にはない Ragriならではの魅力です。

農家と消費者の温かなコミュニケーション

また、Ragriでは農家とユーザーがオンラインでコミュニケーションの取れる場所「Ragri コネクト」があります。書き込みにはお互いの身体を気遣う言葉や「美味しく食べました」などの報告で溢れていて、温かな会話がさかんに交わされています。
「2017年9月に愛媛へ台風が直撃した時も、ユーザーの方からたくさんの心配の声が寄せられました。やはり、農家を応援したいというユーザーの方も多いので、そうした気持ちから農家さんを労わる書き込みも増えるのだろうなと感じています(Ragri運営スタッフ)」。

農家にとっては「消費者との交流」が最大の励みに

トマト農家の大倉 淳伸さん

ユーザーとの交流は農家にとって大きな励みになっていると言います。これまでの農業では、丹精込めて作られた野菜も卸業者へ売るだけで完結してしまい、消費者の声や表情はほとんど見えませんでした。
「農家の人は人見知りな方が多いのですが、同時に野菜の育つ過程やこだわりを消費者に知ってほしいと強く願っています。農家さんの中には、ユーザーへ作物の成長報告をしてあげたくて、深夜3時に畑に出て作物の写真を撮っている方もいるんですよ(Ragri運営スタッフ)」。
農家にとってRagriは、販路開拓の可能性だけでなく、農業と向き合うモチベーションを刺激してくれるユーザーとの貴重な交流の場となっているのです。

あなたもお気に入りの農家を探して支援しよう

ユーザーと農家、そして社会にとって大きな価値を生み出したRakuten Ragri。女性ユーザーを中心に、Ragri利用者はどんどんと増えてきていると言います。なかでも、生まれ故郷の農家の野菜を購入し、これをきっかけに農家の想いを知ってファンになるユーザーも多いのだとか。あなたもRagriを通じてお気に入りの農家を探してみてはいかがでしょうか?

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