「海のミルク」とも呼ばれる栄養の宝庫カキ
カキは「海のミルク」とも呼ばれるほど滋養のある食材です。肉の部分の五気は「平」、五味は「甘」と「鹹(かん)」、殻の部分は五気が「涼」、五味が「鹹」です。
カキは中国でも古くから栄養豊富な食べ物として有名で、特に虚弱体質や、貧血の方に効果が期待できる食材として、薦められてきました。
ミネラルがたっぷりカキの栄養価とは
カキは栄養価の高い貝です。グリコーゲンが多く含まれ、肝臓の働きを活発にすると言われています。また鉄や銅、亜鉛、ヨードなどのミネラル類も方法に含んでいるため、養生食としても最適で、肌にも良いとされています。
さらに寝付けないなどの改善にもカキが効果があるとされています。そして酒を飲んだ後の酒毒を消したり、のどの渇きを抑える働きがあるとされています。
美容にもおすすめ
カキは内臓のバランス改善に良いとされて、きめ細かい肌を作るのに最適と言われています。またカキの身だけでなく、殻も薬膳として注目されています。殻には緊張をほぐしたり、汗をとめたりする働きもあると言われています。
カキを美味しく食べる
カキのおいしさは香りにあると言われています。そのため新鮮なものを食べることが推奨されています。生ガキは新鮮なものを選びましょう。鮮度の落ちたものは食中毒を起こす危険があるので、注意しましょう。酢とショウガを一緒に食べると食中毒の予防になるとされています。
また冷え性の方は生ガキを食べると体が冷えると言われているので、火を通すのがおすすめです。そこで家でも簡単にできるカキのホイル焼きのレシピを紹介します。マガキは冬が旬で、岩牡蠣は夏が旬です。新鮮なカキを使ってジューシーに仕上げるのがポイントです。
「カキのホイル焼き」
材料(2人分)
・カキ…小粒8個
・ホウレンソウ…4株
・生シイタケ…2枚
・ユリ根…1/4株
・ギンナン…8個
・ユズ皮(へぎユズ)…少々
・酒…少々
作り方
1.カキは塩水で洗います。2度水を替えて洗い、ザルにあげます。
2.さっとホウレンソウを茹で、4センチの長さに切ります。シイタケは石づきを除いて薄切りにし、ユリ根は洗って黒ずんだところがあれば取り除いてほぐします。ギンナンは殻を割り、薄皮を取ります。
3.1と2の材料を2等分にします。
4.25センチ程度の長さに切ったアルミホイルを2枚重ねにします。1人分ずつホウレンソウ、シイタケ、ユリ根、カキの順に重ね、ギンナンを散らします。ユズ1かけをのせたら酒をふり、汁がこぼれないように上を合わせておって次に両端をおります。残りも同様に作り、7分間網焼きにしたらできあがりです。
その他の調理方法
カキを焼いて食べることによって肌に良い働きが期待できます。またカキのクリーム煮を常食すると胃腸を丈夫にし、体に働きかけるとされています。
また酢牡蠣にすると解毒作用があると言われていて、はれもの、ただれがある方におすすめです。6~8月はイワガキが旬ですが、暑い時期は食中毒に充分に注意しましょう。
カキは海のミルクと称されるほど栄養豊富な食材です。肝臓の働きを良くしたい方、貧血、虚弱体質の方におすすめです。またきめ細かい肌を作るので、美容に気をつかっている方にも人気です。ぜひカキを普段の食生活に取り入れてみてはいかがでしょうか。
参考書籍:『台所薬膳 身近な食べ物135種の薬効を活かす』(万来社)