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JA職員の園芸指導付き!?「農園付き戸建て住宅」(2/3)

JA職員の園芸指導付き!?「農園付き戸建て住宅」

JAぎふでは、都市部の農地の振興方策の一つとして「農園付き戸建て住宅」を企画。居住者はJA職員による園芸指導を受けながら、自宅の農園で作物が栽培できます。これにより、JAと住民の間につながりが生まれて農薬の共同購入など、住民がJAを利用する機会が増えました。今回は、JAぎふ地域開発部の部長・野々村隆史(ののむらたかし)さんに、話をうかがいました。

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内覧会前に入居者が決定

農園付き戸建て住宅は、2017年に8棟が完成しました。『近くに』をコンセプトにして、「玄関を開けると目の前に農園がある」「JAの存在が近くにある」という意味が込められています。

農園の大きさは5坪(16平方メートル)で、住宅のオーナーは地主である農家組合員です。ハウスメーカーはJAが紹介し、賃貸管理会社も斡旋するシステムになっています。

住宅は、内覧会の前にすべて入居が決まりました。現在は2018年春完成予定の3棟を建設中。さらに数ヶ所で住宅の提案も進行しているそうです。

しかし「地域性や土壌環境の関係もあり、すべての借家に農園を付けることは難しいのが現実」と野々村さん。半年間で6件ほど土地のオーナーに戸建て賃貸住宅を提案しましたが、農園付きにできたのは1件のみでした。

「町に緑や農地を残すためにも、さらに活動を広くアピールして農園付き住宅を普及させていきたいですね」。

家にJA職員が園芸指導に来てくれる

住宅の農園には、春・秋野菜の定植時にJA職員が園芸指導に出向きます。農園付きの住宅は昔からありますが、その多くは面倒を見る人がいなくなり、ほったらかしの農園になってしまいます。けれども、園芸指導のサービスがあるJAぎふの農園付き住宅なら、その心配はありません。

「園芸指導後もきちんと畑の面倒をみてもらえるか、始めた当初は不安でした。ですが、初夏に様子を見に行くとすべての入居者が上手に野菜を作っていたのです。そして花を植えるなど、思い思いの使い方で楽しんでいるようでした」。

JA職員が訪問すると、入居者は「生育が悪い場合には、どう対応すれば良いのか」など、農作物の栽培に関する細かな質問をします。収穫期にはJAが食事会を開催します。同じ地区にある農園付き住宅の家族が集まって、楽しいひとときを過ごしています。このような活動があって、農薬の共同購入など居住者がJAを利用する機会も増えたといいます。

農園で栽培する野菜の種苗や、肥料などの資材はJAが提供しています。春はキュウリやミニトマト、オクラなどを栽培。秋はハクサイや大根などを育てます。

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