バナナの約95%はフィリピン産
高い栄養価が魅力のバナナですが、安価で手ごろなフルーツの一つといえるでしょう。日本で流通しているバナナの約95パーセントがフィリピン産ですが、最近では様々な品種が流通するようになり、栽培方法などで付加価値をつけたバナナにも注目が集まっています。
また、バナナの花はバナナハートと呼ばれて、日本ではあまり馴染みがありませんが、エスニック料理で野菜のようにサラダや炒め物として食されています。
鮮度の良いおいしいバナナの見分け方
鮮度の良いおいしいバナナは、軸の結合部がしっかりしていて皮に傷がなく、適度な弾力を保っています。時間の経過とともに皮が黒ずんでくるので、キレイな色のものが新鮮な証拠です。
バナナの栄養
バナナは高い栄養価を誇り、エネルギー源として非常に優秀な果物です。食べてすぐエネルギーとなる即効性を持ったブドウ糖などの糖類のほか、持続性の高いエネルギー源となる炭水化物を100グラム中に22.5グラムも含んでいます。
消化しやすいフルーツでもあるので、風邪などで体が弱っている人でも食べやすいでしょう。カリウムも多く含むため、体内のナトリウムを排出し、むくみの防止にもなり、血圧を下げる働きも期待できます。
バナナの保存方法
バナナを保存するときには、冷蔵庫に入れないようにします。冷蔵庫に入れると低温障害を起こし外皮が黒ずむためです。ただ低温によって黒ずんでも、食べるには心配は不要です。皮をむいてラップに包めば冷凍保存することも可能です。
バナナは南国原産の果物なので、13℃以上の場所で保存するのが最も望ましいとされています。さらに平置きせずに、できればバナナスタンドなどに吊るした状態で保存するのがベストです。
バナナの旬と時期
日本で出回っているバナナは95パーセントがフィリピンからの輸入品で、通年で流通しており、特に時期は関係なく食べられています。
ちなみに黄色く熟したバナナを輸入するのは植物防疫法によって禁止されているので、未熟な青い状態で輸入し、日本国内でエチレンと言う植物ホルモンによって追熟加工されています。
バナナの豆知識
バナナの持ち歩くときの注意点
バナナを持ち運ぶときには、皮をむかない方が実の変色を抑えることができます。お弁当などに持って行くときには、皮がついた状態のままにしましょう。カットしたものを持ち運ぶときは、レモン果汁をかけると変色を抑えることができます。
バナナは黒い斑点によって味がちがう?
でんぷんが糖に変わり、ねっとりと甘くなると、皮に黒い斑点が出てきます。これはシュガースポットといわれ、これが出るほど甘いということになります。さっぱりした味で食べたい場合は、シュガースポットが出る前に食べるようにしましょう。
食べる部位によって甘さがちがう?
バナナは軸側よりも先端の方が甘くなります。
バナナのおいしい食べ方
バナナシャーベット
皮とスジを取り除いたバナナを適当な大きさにカットし、容器に入れてからレモン汁をかけます。きっちり蓋をして半冷凍の状態にすればシャーベットの出来上がりです。
バナナのバターソテー
カットしたバナナをバターでソテーし、シナモンをかけるとおしゃれで温かいデザートの完成です。
バナナの種類
ジャイアントキャベンディッシュ
バナナの中でも最も一般的な品種で、皮が厚く日持ちするのが特徴です。
セニョリータ
細くて長さが7センチ以下のミニサイズのバナナです。甘みが濃く、通称モンキーバナナとして親しまれています。
ラカタン(スポーツバナナ)
太く短い形をしたフィリピンに多い品種です。クエン酸が多く含まれ、ほのかな酸味があります。
ツンドク
長さが40センチにもなる大型のバナナで、別名「ホーンバナナ」と呼ばれています。甘みがなく、イモのような食味で、調理用として使用されています。
モラード
皮が赤みがかった橙色をしているバナナですが、果肉は普通のバナナと同じ黄白色です。甘みが強く、独特な芳香があります。
バナップル
太く短い形をしたバナナで、濃厚で後味にリンゴのような風味があるのが特徴です。皮が薄く黒くなりやすい品種です。
バナナは生で食べるのはもちろん、お菓子にしたり、バターソテーにしたり色々な食べ方で楽しめます。毎日食べるという方は、バナナスタンドを購入するとバナナを長くおいしく楽しむことができるのでおすすめです。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)