爽やかな甘さで人気が高いオレンジ
オレンジは、甘みが強く果汁が多いためジュースなどに利用される柑橘類のフルーツです。甘みと爽やかな香りで非常に人気が高く、主要品種のバレンシアとネーブルは輸入品が1年を通して出回っています。
オレンジは果皮が硬く包丁を使わないとカットが難しい果物ですが、最近ではミカンのように手でむけたり、種がなかったりする品種なども増えて人気を集めています。
鮮度の良いおいしいオレンジの見分け方
鮮度の良いおいしいオレンジは、皮にハリがあり、しっかりと皮が厚いのが特徴です。表面に凹みがなく、形が整っているものを選びましょう。ヘタもよく観察して、カビなどないかチェックしてください。
オレンジの栄養
オレンジには粘膜を保護し、肌の調子を整え、免疫力を上げるビタミンCが多く含まれています。100グラム中の含有量は、ネーブルが60ミリグラム、バレンシアが40ミリグラム。ネーブルなら1個食べるだけで、大人が1日に必要なビタミンCを摂取することができます。
オレンジの保存方法
オレンジを保存するときには、夏はビニール袋に入れて冷蔵庫の野菜室で保存します。冬場は常温で、冷暗所に保存するようにしましょう。湿気が多いとカビが生え、乾燥していると劣化が早まるので、直射日光が当たらない風通しのいい場所で保管しましょう。
段ボールでまとめ買いした時は、中に腐ったものやカビがはえていないかをチェックする必要があります。特にカビが生えているものが一つでもあれば、まわりのものにすぐに移ってしまうので要注意です。
オレンジの旬と時期
バレンシアはアメリカ、カリフォルニア州で作られるものが多く、1年中出回っています。旬の時期は5月から10月です。8月から10月に出回るのは南アフリカで、10月から3月頃に出回るものはオーストラリア産です。
ネーブルは、12月から6月にかけてカリフォルニア産のものが中心に輸入され、8月から11月にはチリ産とオーストラリア産が多く流通するようになります。
オレンジの豆知識
果皮はそのまま使える?
オレンジを含む輸入フルーツの多くは、収穫後に防カビ剤のOPPやイマザリルなどが果皮に塗布されます。これはWHO(世界保健機関)や、食品の安全性と品質について国際的な基準を定めるコーデックス委員会が認められている処置です。
果皮から中の可食部まで薬剤が浸透することはないとされていますが、家庭でジャムなどを作る際、果皮をそのまま使用することは避けた方がいいと言われています。
スーパーで目にする「スイートオレンジ」とは
「スイートオレンジ」と一般的に呼ばれているオレンジは、バレンシアオレンジを指すことが多いです。
ネーブルの意味
ネーブルは英語で「ヘソ」を意味する言葉。その名前の通り、ネーブルにはヘソがあり、バレンシアにはヘソがないのが特徴です。どちらも果汁がとても多いですが、バレンシアの方が比較的多く、味はやや淡白だとされています。
オレンジのおいしい食べ方
オレンジの切り方
果皮をよく洗い、頭とお尻をカットして、6~8等分に縦に切るのが一般的です。ちなみにこのカットの仕方は、その形から「スマイルカット」と呼ばれています。
フレッシュジュースの作り方
ジュースにする場合は、素材の味や風味を生かすためには絞り器を使うのがオススメです。果肉が多いので、絞った後はガーゼで漉すとより飲みやすくなります。1個のオレンジから130~150ml程度のジュースが取れます。
オレンジジュースとして味わうときには、レモンやライムやリンゴなどの酸味が強いフルーツの果汁を一緒に使うとより一層おいしく仕上がります。
ドリンクのアレンジ
オレンジジュースは、同量の紅茶にあわせたり、カルピスに混ぜたりするとおいしいのでおすすめです。
オレンジの種類
バレンシア
爽やかな酸味があり果汁が多い品種。オレンジの中でもジュースに適しています。
ネーブル
バレンシアと並んでオレンジの代表的な品種の一つです。種がなく、甘みと香りが強いのが特徴です。国産のものは12月から1月に出回ります。
ミネオラ
果皮が鮮やかな橙色をしていて、ミカンのように皮を手でむくことができます。ジューシーで濃厚な味が魅力です。
オア
イスラエル産の品種で、甘みが強く濃厚な味わいです。手で皮がむける上、タネも少ないです。
ブラッドオレンジ
果肉と果皮の両方にアントシアニンを多く含むため、果皮も果肉も濃い赤色をしています。他の品種に比べると甘みが少なくさっぱりとした味わいです。
ダブル・マーコット(種無し)
見た目は小ぶりの温州ミカンによく似ています。甘みが強く、果汁が多いのが特徴です。ダブルがつかない「マーゴット」という品種には種があります。
たくさんの品種が誕生しているオレンジ。スーパーや、最近ではコンビニでも買うことができます。日々のビタミン補給として、生搾りオレンジジュースなどを試してみるのはいかがでしょうか。
参考:「野菜と果物の品目ガイド〜野菜ソムリエEDITION」(農経新聞社)