切り干し大根を使った食育が始まるまで
愛知県刈谷市では、この土地の赤土が青首大根の栽培に適していることから、1935年頃より大根の栽培をスタート。現在は、県内有数の大根の生産地として知られており、生産量は年間150トンにのぼるといいます。
刈谷市の切り干し大根は、濃尾平野から渥美半島にかけて冬に吹く、「伊吹おろし」と呼ばれる冷たく乾いた風を利用して作られます。切り干し大根作りは12月から1月頃まで続き、千切りにした大根を棚の網の上で干す光景は冬の風物詩となっています。
切り干し大根による食育を試みたきっかけは、刈谷市東境町の歯科医院の医院長と、同医院に通院していた東境婦人会の元婦人会長が、「地元の特産品を使って社会貢献ができないか」を思いついたことから始まりました。
そこで、市歯科医師会や東境婦人会、さらにJAあいち中央刈谷北部支店、JAあいち中央刈谷北部営農センター、刈谷市教育委員会、刈谷市役所農政課・健康課(現・健康推進課)がメンバーに加わり、「カムカム30切り干し大根刈谷制作委員会」を結成。DVD制作などの取り組みを開始しました。