福島県の概要と主な取り組み
日本屈指の農産物の生産地である福島県では、10年程前から、県の誇りともいうべき選りすぐりの特産品を「福島県ブランド認証産品」としてPRしています。
これまでには、「日本酒」「牛肉」「鶏肉」「味噌」「モモ(あかつき)」などが認証されました。合わせて、生産量が全国上位の農産品11品目(米、モモ、ナシ、キュウリ、トマト、アスパラガス、ナメコ、福島牛、地鶏、ヒラメ、リンドウ)を「ふくしまイレブン」として積極的にPRしています。
東日本大震災より、福島県の農産物を取り巻く状況は一変していますが、県や関係団体により、さまざまな取り組みが行われています。日本各地でイベントを開催し福島県産品をアピールするなど、ブランド力の向上を行なっています。
モモ
福島のモモの特徴
出荷数全国2位の福島のモモは、福島県福島市、伊達市、伊達郡桑折町、国見町など、中通り北部を中心に栽培されています。
光センサー選果機を取り入れるなど、おいしさ重視で出荷されています。そして、農薬の使用回数をできるだけ減らした方法で栽培されていて、環境にも体にも優しいモモ作りが福島の自慢です。
福島県産モモのポイント
モモは食べる1時間ぐらい前に冷蔵庫で冷やすことでよりおいしく食べることができます。ビタミンEやカリウム、食物繊維が含まれているので、腸の調子を整える働きが期待されています。
生産状況
福島県のモモの収穫量は、なんと全国第2位。他の産地との競合を考えた上で、「あかつき」「川中島白桃」「ゆうぞら」などの中・晩生品種を中心に、早生品種も盛り込みながら出荷時期の拡大を図っています。
「日川白鳳」などの早生品種は7月中旬から、「あかつき」などの中生品種は8月上旬、「川中島白桃」「ゆうぞら」などの晩生品種は8月中旬から9月中旬に出荷されています。2013年度の総生産量は2万9300トンです。
干し柿「あんぽ柿」
「あんぽ柿」の特徴
あんぽ柿は、福島県伊達市、伊達郡一帯で生産されている平核無柿(ひらたねなしがき)、蜂屋柿(はちやがき)を原料とした干し柿です。乾燥させることによって柿特有の甘みと風味が増して、子どもからお年寄りまで人気の特産品です。
名前の由来
あんぽ柿は、「天干し柿(あまぼしがき)」がなまったことで、あんぽ柿になったといわれています。
あんぽ柿のおいしい食べ方
主に生食で食べられますが、食材としても様々な料理で楽しめます。ピザのトッピングやちらし寿司の具などにも意外とマッチする他、手作りの柿ゼリーやフルーツケーキにもぴったりです。加工品としては、柿のシソ巻き、柿ようかん、あんぽ時雨、ケーキなど出回っています。
会津地鶏
会津地鶏の特徴
会津地鶏は、大沼郡三島町、会津若松市を中心に会津一帯で生産されている福島の特産品です。会津地鶏の最大の特徴は、その歯ごたえとコクのある旨み。通常のブロイラーの倍の120〜140日間をかけて、広々とした環境のなか平飼いで元気に走り回って育てられます。
そのため、脂質はとっても上質で、パサパサしがちなムネ肉もしっとりとした肉質が保たれ、部位ごとの味がしっかりとしているのが魅力です。また、会津地鶏は卵を他の鶏の半分ほどしか生まないため、卵本来の旨さが凝縮されており絶品と評判です。
名前の由来と歴史
最近、非常に知名度が高くなっている会津地鶏ですが、実は一昔前までは「幻の地鶏」と呼ばれていました。会津に古くから伝わる郷土芸能に「会津彼岸獅子」というものがあり、その飾り羽として使われていたことから、会津地鶏は約450年以上も前から観賞用として飼育されてきたといわれています。
ですが、飼育する人が減少し、昭和後期にはほとんど見かけなくなりました。その後、種の保存のために調査研究が始まり、1987年頃に会津地鶏が会津にしかいない在来種・固有種であることが判明。その後、復活を遂げ、1992年頃から食用としての販売が始まったのです。2013年の出荷羽数は、8万8500羽です。
会津地鶏のおいしい食べ方
地鶏そば、地鶏すき焼き、唐揚げ、照り煮など、どんな料理でもおいしく食べることができます。また、加工品として、冷凍、焼き鳥用串打ち肉として出回ります。肉自体が滋味深く旨みがあるので、焼き鳥で食べることがすすめられています。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものです。一つの目安としてご理解下さい。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)