石川県は日本海や白山山脈に面した地理気候と、藩政時代の財力が相まって、古くから農作や畜産の生産環境に恵まれています。しかし、加賀野菜や能登地方の米作など、バラエティに富んだ食文化を形成していたものの、流通規模は大きくありません。この地でしか味わえない特産品というイメージが強い食材も、まだまだ多いのではないでしょうか。
そのため石川県では、主に金沢市農産物ブランド協会や、各地域のJAが中心となり、さまざまなカテゴリの中から優れた品種をブランド化して、知名度向上やシェアの拡大を目指しています。
また、野菜では加賀野菜が有名ですが、能登半島の地形を生かして育てられた能登野菜も有名です。能登野菜として認定されている「能登大納言小豆」も、石川県のブランド品種です。
石川県の名産品の一つ、レンコン
8月中頃から5月上旬までの長い期間を旬として楽しむことができる加賀れんこん。石川県の特産品として人気の加賀野菜の一つでもあります。
加賀れんこんは、金沢市内でも栽培されていて、全国シェアが高い野菜です。加賀れんこんの大きな特徴は、肉厚でしゃきっとした食べごたえ。でんぷん質が豊富なので、もっちりとした食感も同時に楽しめます。
石川県では農産物を中心とした、特産品のブランド化への取り組みが賑わいをみせています。加賀れんこん以外にも、全国的に伝統野菜や新規食材がスポットライトを浴びている今、石川県がどのように特産品を取り扱っているのかまとめてみました。
金沢ブランド野菜の金時草
金沢市から白山市、かほく市と、石川県の中心部で生産される金時草(きんじそう)も、金沢ブランド野菜の一つです。
紫褐色の茎と、表が緑で裏が紫色の葉のビジュアルは、葉物野菜の中でも目を引くことでしょう。茹でると葉に粘り気が出て、茹で汁にでる色素は、天然色素としての活用を有望視されています。
ハウス栽培もされていますが、通常の収穫期は6月下旬から11月中旬ごろ。夏場はおひたしや酢の物でさっぱりと、冬場は天ぷらや治部煮(じぶに)仕立てなどにすると食べやすいでしょう。また、佃煮として加工販売されています。
全国区への流通拡大を目指し、金沢市農産物ブランド協会では栽培面積と生産量拡大の策を講じています。
14年かけて生み出した最高級ブドウ、ルビーロマン
大きくて甘いブドウ「ルビーロマン」は、石川県が誇る高級ブランド食材の一つです。その実は1粒あたり、巨峰の約2倍の大きさにもなり、パッと食卓を彩る赤色は食欲をそそります。
ルビーロマンは、石川県内の生産者や農業、行政関係者が一丸となり、14年の歳月をかけて生み出した最高傑作。そこには、独自のブランド品種を開発し、流通させることで、生産意欲を高めようという目的がありました。
幻の柿、紋平柿
金沢市周辺の山ろく地帯に散在する、紋平柿(もんぺいがき)。実が大きく、1個あたり240~300グラムもあるのが特徴です。しかし、渋抜きをすると黒く変色しやすいため、流通前に消費されることがほとんど。そのため、幻の柿と呼ばれていました。
しかし、30年程前に品種改良が行われ、現在では「さわし柿」の地域特産ブランドとして、流通範囲を広げています。ちなみに紋平柿の由来は、かほく市の「紋平さ」の庭の柿の木が原木だといわれているからだそうです。
旬は10月下旬から11月中旬。この季節を狙って、現地で召し上がってみてはいかがでしょうか。
お肉好きにはたまらない能登牛
石川県内で飼育される、黒毛和牛。そのなかでも一定の等級以上(※)の牛が、「能登牛」として認定されます。
肉質はきめ細かく、脂肪の質は第9回全国和牛能力共進会から、「脂肪の質賞」を送られるほど。A5等級の能登牛と認定された牛のなかでも、さらに質の良いものは、「能登牛プレミアム」と呼ばれます。こちらは、認定頭数700頭余りの生産量から考えると、かなりのプレミア品といえるでしょう。
能登牛をおいしくいただくには、サーロインステーキやローストビーフがおすすめです。バラは、焼肉や煮込み料理にも最適です。最近は通信販売などの取り寄せご当地グルメとしても人気が高まっています。
(※)枝肉の格付けがA3ランク以上もしくはB3ランク以上のものであるとされています。能登銘柄推進協議会の認可を受けて、能登牛のブランド名を使用しています。
日本海の恵み甘えび
日本海に面した石川県ですので、海産物の名産も数多くあります。なかでもエビやカニなどの甲殻類は、全国的にも人気です。
甘えびは、「石川の四季のさかな」の一つで、秋を旬とする名物。石川県の近海、水深200~600メートルの深いところで成長し、底引き網などで漁獲されています。
秋を代表する水産物ですが、最近は通年を通して楽しめます。甘えびは本来の名を「ホッコクアカエビ」といいますが、甘い身の味がそのまま名前の由来となり、「甘えび」と呼ばれるようになりました。また、子どもにも人気があるので親しみ深いのではないでしょうか。
石川県外でも食しやすい、石川名産品の一つです。刺身でも、煮物でも食べやすいです。
ご当地ビール・金沢百万石ビール
能美郡川北町で生産される金沢百万石ビールは、白山のおいしい水と、地元の無農薬麦を使用しています。わくわく手作りファーム川北で造られ、生産者の方々が命名しました。お土産にも喜ばれること間違いなしの地ビールです。駅のお土産売り場などでも販売されています。
能登大納言小豆
大粒で実がしっかりと詰まった能登大納言小豆は、他の地域の大納言小豆と比較しても、大粒で食べごたえたっぷり。とにかく大きな粒の能登大納言小豆は、主に奥能登地区で生産されています。収穫の時期は10月下旬から11月下旬とされています。
煮ても腹が割れない小豆を大納言小豆と呼びますが、かつての朝廷の高官・大納言になぞらえて、命名されたといわれているそうです。具体的には、「殿中で抜刀をしても切腹を間逃れる」ことが由来となり、その名の通り、能登大納言小豆は大粒で、茹でても煮崩れしにくいのです。
定番の調理法は、ぜんざいなどの煮料理に用いるか和菓子や洋菓子のあんとして加工します。
観光地としても話題沸騰中の石川県を訪ねる際は、ぜひ加賀野菜や能登野菜、日本海の海の幸をはじめとする、ご当地グルメを堪能してみてください。
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※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のデータをベースに作成しています。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)