鳥取県の概要と主な取り組み
豊富な資源を持つ日本海と、中国山脈に囲まれた鳥取県はブランド品目が豊富にあります。県では「食のみやこ鳥取県」を掲げて様々なイベントを企画し、特産品や食材をPRしています。代表的な農産物として、全国3位の生産量(※)を誇る日本ナシ(秋栄(あきばえ)、なつひめ、新甘泉(しんかんせん)、など)や、スイカ、白ネギ、ラッキョウなど多数生産されています。
畜産物は鳥取和牛に、鳥取地鶏ピヨ、全国的に名の知られた銘柄豚・大山ルビーなどがあります。
水産物では、松葉がに、ベニズワイガニ、マグロ、モサエビ、ハタハタ、イガイなど。
原木しいたけ
原木しいたけの特徴
鳥取県の原木しいたけは、ナラの木などの森林資源を活用して冬の時期に栽培されます。鳥取の厳しい冬の間にゆっくりと大きくなる鳥取県産のしいたけは、肉厚で食感が良いと全国的にも評価が高く、豊かな自然の旨みをダイナミックに味わえます。
煮物やお吸い物など一般的なシイタケと同じように調理できるほか、シイタケを主役にしたシイタケステーキなどの食べ方も広められています。
砂丘らっきょう
砂丘らっきょうの特徴
鳥取県はラッキョウの生産量が日本一(※)。日本最大の砂丘である鳥取砂丘で栽培されるラッキョウは、キメの細かい砂質の土壌により透き通るような白さとシャキシャキとした食感が自慢です。
鳥取砂丘で栽培されていることから「砂丘らっきょう」と名付けられました。甘酢漬け、しそ風味漬け、たまり醤油漬けなどのラッキョウ漬けはもちろん、ふりかけや黒ラッキョウなどに加工されます。
白ネギ
白ネギの特徴
米子市弓浜地域の砂丘畑を中心に、水田平野地帯、大山山麓の中山間地帯と、標高0〜800メートルまでを利用して栽培することで、全国的にあまり例を見ない周年出荷体制を確立しているのが、鳥取の特産品の「白ネギ」です。
名前の由来
冬の寒さと乾燥から守るために、茎の部分に土寄せをすることで、白くなった茎を食べるネギが全国的に栽培されるようになりました。白い部分がネギの長さの半分以上を占めていることから、この名前が付いたと言われています。
白ネギのおいしい食べ方
白ネギは長ネギと同じように、鍋物には欠かせない食材です。煮物や味噌汁にも多く使われています。肉との相性も抜群で、炒め物、焼き物として、また串揚げや天ぷらでもおいしく食べることができます。シャキシャキとした食感と、ピリッと刺激のある辛みと口の中に広がる甘みが特徴で、薬味としても広く利用されています。
ハタハタ「白はた」
白はたの特徴
岩美郡岩美町の網代漁港(あじろぎょこう)、鳥取市の鳥取港で水揚げされるハタハタは、おなかのあたりが白金色に輝いていることから「白はた」と呼ばれています。ハタハタといえば秋田県が有名ですが、鳥取県も全国屈指の水揚げ量を誇っています。東北産のハタハタのように黒っぽくないのが特徴です。
白はたのおいしい食べ方
煮物や焼き物、干物など、なんでもおいしく食べることができます。ハタハタの料理といえば、しょっつる鍋やブリコ(魚卵)などの東北料理のイメージが強いかもしれません。鳥取市賀露周辺地区では、白はたのお腹におからをつめた「はた寿司」という伝統料理が作られています。はた寿司は、4月に行われる霊大祭には欠かせない存在です。
収穫の時期
ハタハタ漁の時期は9月から翌年5月頃ですが、冬の時期はカニ漁が中心となるので白はたの水揚げは秋と春が中心です。加工向けのものは春物が良いとされています。
イガイ
イガイの特徴
鳥取県沿岸地域の水深10メートルほどの浅い海域に生息しています。主に剥き身にして「いがい飯」と呼ばれる炊き込みご飯にするほか、味噌汁の具や、大きなものは素焼きにして食べることができます。漁獲量は多くありませんが、地域に根ざした伝統食材として大切に守られています。7月から8月にかけて海女さんの素潜り漁は鳥取の夏の風物詩となっています。
日本には個性豊かな地域が存在しますが、そういった点から見ると鳥取県ほど独特の風土を持っている県は珍しいかもしれません。砂丘と海が広がる、異国のような土地でできる野菜は鳥取でしか作れないものばかり。気になる野菜を見かけたらぜひ試してみてはいかがでしょうか。
※ 各品目の内容は、本調査時点(2014年9月~2015年)のものをベースに作成しています。一つの目安としてご理解下さい。
参考:『日本の地域食材2015年版』(NPO法人 良い食材を伝える会)