「すいおう」を上手に栽培する方法とは
「すいおう」は通常のサツマイモ同様、ビニールマルチで覆った畦に苗を植え付けて栽培します。植え付けの時期は5月上旬から6月下旬頃で、温暖地だと4月下旬から6月上旬頃になります。
基本的に水やりをする必要はありませんが、植え付け時に畦が乾燥しすぎている場合などは、注意が必要です。
「植え付けた苗がしおれたまま回復しない時は、水やりをして様子を見てください。サツマイモ全般に言えることですが、土が柔らかく、水はけが良く、日当たりが良いという条件が揃っていると、よく育ちます。
また、一般的なサツマイモは、肥料の窒素成分が多すぎると、茎葉だけが茂って芋が太らない、ツルぼけと呼ばれる現象が起こってしまいます。
そのため、サツマイモの栽培では窒素の割合が少ない肥料を使いますが、葉茎だけ利用する目的であれば、窒素成分を減らす必要はないと考えられます。農薬を使う時は、茎葉利用に適用のあるものが少ないので、使用には注意してください」。
サツマイモの茎葉利用の浸透には時間がかかったそうですが、最近では小規模ながら栽培が定着した産地もあり、農研機構九州沖縄農業研究センターへの問い合わせも増えてきているようです。
「栽培面や流通面など、まだ課題もたくさんありますが、認知度が高まっていることはとても嬉しいです。そして『すいおう』が世間に浸透していくことを、期待しています。」
サツマイモの新たな可能性を引き出した「すいおう」。日本中の食卓でサツマイモの茎葉を当たり前に食べる日も、そう遠くないかもしれません。
【取材先情報】
農研機構九州沖縄農業研究センター
※1 茎葉利用サツマイモ「すいおう」の作り方(家庭菜園向け)
http://www.naro.affrc.go.jp/karc/contents/suiou/
画像提供:農研機構九州沖縄農業研究センター