地道なPR活動で支援の輪が全国へ
信州うえだ合戦りんごが世間に浸透するまでは、かなりの時間がかかりました。
「『信州うえだ合戦りんご』という名称だけだと、お客様に『ひょう害で傷の付いたリンゴ』ということが伝わりづらいと考えました。傷があることを知らないまま購入したお客様が、後で傷に気がついてがっかりしないよう、事情を説明しながら、少しずつ名称を広めていくようにしたのです」は金井さん語ります。
JA信州うえだは、真田家の家紋「六文銭」がデザインされた、信州うえだ合戦りんごのロゴマークを作成。ステッカーにして、物産展など対面販売の際に配布したり、信州うえだ合戦りんごを発送する際にダンボールに貼ったりすることで、地道にPRを行っていきました。
すると、次第に各種メディアでも信州うえだ合戦りんごが取り上げられるようになり、全国から応援のメッセージが届くようになったのです。そして、2017年11月になって、ホームページの記載やチラシの商品名を「ひょうに当たったりんご」から、「信州うえだ合戦りんご」に変更するなど、全面的に名前を打ち出しはじめました。
「また、テレビ取材や物産展でのPRに、地元農家さんが積極的に参加してくれました。産地の状況が農家さんからダイレクトに伝わり、支援の輪が広がったと強く感じています」。
農家を救った「信州うえだ合戦りんご」
信州うえだ合戦りんごの周知度が高まると、全国各地に支援の輪が広がり、応援のメッセージとともに注文が相次ぎました。
「経済的にも助かりましたが、応援メッセージも大きな励みになりました。多くの農家さんから『また立ち上がる力をもらった』という声をいただきました。
また、信州うえだ合戦りんごを購入した方からは、後日、『食べたらとてもおいしかったので、再度注文します』という声もありました。リンゴの味をしっかりと認めていただいたのは、何よりも嬉しかったですね」。
そのほか、購入者からは「上田市にぜひ行ってみたい」という意見もあったようです。