観光農園を始めるにあたって知っておきたいこと
観光農園を新しく始めるには、「すでに農家をやっている人が新規事業として取り組む」パターンと「農業をやったことのない人が農業を始める(就農)」パターンがあります。
観光農園の開設方法にも2つパターンがあります。
ひとつは、自分の農園を一般の人に開放する「単独開設」、もうひとつは、複数の農家と共同して開設する「共同開設」です。共同開設の場合、集客力を高めるための駐車場の確保ができたり、休憩所などのサービス施設の負担を複数の農家で負担できたりするというメリットがあります。
観光農園を始める場合に必要な手続きは?
就農の場合、まず農園となる農地を確保し、農地委員会の許可を得ます。農業生産法人の設立や農地の確保の際には、地域の農業委員会への申請が必要です。この手続きには半年ほどかかるケースがあるので、即起業できるわけではない点に注意しましょう。
すでに就農している人が新たに観光農園を始める場合には、休憩所や飲食施設、トイレや駐車場の整備が必要です。いずれにしても重要なのは、「土地」です。農耕地として向いており、かつアクセスが良い場所が観光農園に適しています。また、どちらの場合にもさまざまな支援制度があるため、国や自治体の情報チェックを忘れずに行いましょう。
観光農園のビジネスモデル
観光農園には果実や芋などの収穫物や施設によって複数のビジネスモデルが存在します。
例えばリンゴ狩りのような果実をもぎとるスタイルの観光農園の場合、リンゴの他にもカキやプラムなど他の作物も栽培することで、開場期間を長くするなどの工夫がされています。その他に、入場料を高くして収益を確保するタイプや逆に入場料を安くして代わりに加工品やお土産で収益を上げるタイプ、入場料は無料で収穫分を量り売りするタイプなどがあります。
観光農園を始めるにあたり、一番大切なのは「農」をどこまでレジャーに近づけられるかです。「農業」という枠にとらわれず、サービス業の精神をもって「楽しさ」を提供することが、観光農園を成功させるための第一歩と言えるかもしれません。
普段何気なく行っているイチゴ狩りやリンゴ狩りも、行う側となるとさまざまな手続きや戦略が必要です。興味のある方は、ぜひ楽しい観光農園づくりにチャレンジしてみてください。
<参考>
農業体験農園開設の手引き:愛知県
上記の情報は2018年2月20日現在のものです。