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古来種「鶯宿梅」の梅パワー 徳重紅梅園の自然栽培

古来種「鶯宿梅」の梅パワー 徳重紅梅園の自然栽培

温暖な気候に恵まれた宮崎県と鹿児島県にまたがる都城盆地。ここに50年以上、ウメの古来種である「鶯宿梅(おうしゅくばい)」を育てる徳重紅梅園があります。自然の摂理に沿った土作りを行い、農薬・化学肥料を使用せずに堆肥や油粕(菜種・椿)、梅園の刈り取った草を肥料とした日本古来の農業を守っています。農園創業者の徳重文子(とくしげあやこ)さんと、後継者で社長の徳重俊一郎(とくしげしゅんいちろう)さんに話をうかがいました。

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柔らかい土壌こそが生命力の源

鶯宿梅
1961年、今から57年前に徳重文子さんが女手一つで始めた、約3ヘクタールの梅園。少しずつ土を作りながら、現在では7ヘクタール、約1,800本のウメを栽培するまでに至っています。

樹齢50余年を超える老木の梅園が約2.7ヘクタール、残りは、樹齢20余年の梅園と樹齢6年の、育成中の梅園が広がります。

「自然栽培は土作りから始まります。もともと野菜畑だった土壌が有機土壌になるまでには、堆肥や油粕などで3〜4年かけて麦や菜種を植えます。そのまま肥料を加え耕しながら、土を作っていきます。

試験的にキャベツの種などを植えた場合、十分に育つと害虫に対する抵抗力を持ち始めます。小さくても綺麗な玉を結ぶようになった時に、有機の土壌に変わり始めたということがわかります」と文子さんは語ります。

梅園の土は、微生物が増えたことによる自然界のサイクルで、保水性・通気性が年数と共に高まっていきます。1.5メートル以上の細い棒がスーッと入るほど、通気性の良い、柔らかい土壌になります。

終戦後、化学肥料と除草剤、農薬が溢れている田畑を目の当たりにした文子さん。「自然の摂理に沿った生産と、受け継がれた無添加加工を守り、次世代へ正しく伝えていくこと」が自らの使命だと考えました。

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