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古来種「鶯宿梅」の梅パワー 徳重紅梅園の自然栽培(3/3)

古来種「鶯宿梅」の梅パワー 徳重紅梅園の自然栽培

温暖な気候に恵まれた宮崎県と鹿児島県にまたがる都城盆地。ここに50年以上、ウメの古来種である「鶯宿梅(おうしゅくばい)」を育てる徳重紅梅園があります。自然の摂理に沿った土作りを行い、農薬・化学肥料を使用せずに堆肥や油粕(菜種・椿)、梅園の刈り取った草を肥料とした日本古来の農業を守っています。農園創業者の徳重文子(とくしげあやこ)さんと、後継者で社長の徳重俊一郎(とくしげしゅんいちろう)さんに話をうかがいました。

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お手製の梅肉エキスと梅干スープ

鶯宿梅

「昔は10年を越えた年代物の梅干しは薬と言われていました」と文子さん。
2018年現在、文子さんは88歳。梅肉エキスとともに毎週欠かさないで飲んでいるのが年代物の梅干しを使ったスープです。

「カップ3杯の水に、梅干し2個、シイタケ2枚、だし昆布約5センチ角1枚を一晩水に戻して、そのまま約2時間水分が半分くらいになるまで煮詰めていきます。このように梅干しを焼いたり、煮たりして熱を加えることによって前述のムメフラールが発生し栄養価が高まるといわれています。梅肉エキスが苦手な方にもぜひオススメしたいアレンジ方法です」。

このスープは、梅に含まれるクエン酸やリンゴ酸が体内の調子を整えたり胃腸に働きかけて、リフレッシュさせることから病中や病後の回復食としても最適です。

「自然の摂理の中で生活することが、人にとっても一番健康的な生き方だと思います。ウメは無農薬ですが、病害虫の被害は全くないのです。自然の中で育った梅を取り入れたバランスの良い食事で健康を維持するといった『医食同源』の考え方で、少しでもみなさんのお役に立てればうれしいです」と文子さんは話します。

徳重さんのウメの木は、野性味に溢れていて自然のままに力強く育っています。生命力の強い土から生まれた栄養価の高い梅は、これからの時代にますます貴重なものとなっていくでしょう。

徳重紅梅園

参考
※1 鶯宿梅の成分分析表

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