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水田で働いたアイガモを鴨肉へ 自然循環型「アイガモ農法」(2/3)

水田で働いたアイガモを鴨肉へ 自然循環型「アイガモ農法」

熊本県山鹿市菊鹿町で、アイガモ農法による水稲耕作を行う農家「あいがもん倶楽部」。アイガモ農法とは、水稲耕作で除草や害虫の駆除を、農薬ではなくアイガモが行う農法のこと。減農薬・無農薬栽培がかなうため、人や環境に優しいとされています。また、あいがもん倶楽部では、水田で働いたアイガモを鴨肉に加工し、個人やレストランに卸しているそうです。あいがもん倶楽部の市原奈穂子(いちはらなほこ)さんに話をうかがいました。

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一生懸命働いたアイガモは、感謝とともに鴨肉として食べる

アイガモ農法
稲刈りを控える9月になると、稲穂を食べるのを防ぐため、アイガモを水田から平地に引き上げます。

水田で働くアイガモはヒナでなければなりません。成鳥は体が大きすぎるため、稲を倒したり、食べてしまう恐れがあるからです。そのため、その年に一生懸命働いてくれたアイガモは、稲作の時期が終わると、鴨肉にして処分されます。

あいがもん倶楽部では平地に上がったアイガモに、野菜や麦、米ぬかなど栄養バランスの整った食事を与え、約2ヶ月間かけておいしい鴨肉になるよう育てていきます。

「アイガモは、電気柵で囲っただけの平地で、なるべく自然に近い環境で育てています。

あいがもん倶楽部のアイガモは、脂肪分が少ないエサを与えているので、水田でも平地でものびのびと動き回り、筋肉質になります。程良く身が引き締まっているので、噛めば噛むほど、良質な脂が口の中に広がります」市原さんは語ります。

鴨肉を食べた方からは、「味わい深くておいしい」、「鴨肉の臭みが感じられない」といった声が寄せられており、高い評価を得ています。

「立派に働いてくれたアイガモたちの大切な命をいただくことは、アイガモ農法で米作りをする、私たちの使命だと思っています。

アイガモの肉は栄養価が高い食材です。鴨鍋や鴨汁にして食べるとおいしいですよ。日本ではあまり鴨肉を食べる習慣がありませんが、地域や家庭の身近な食材として、少しでも普及してくれたら良いなと思います」。

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