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水田で働いたアイガモを鴨肉へ 自然循環型「アイガモ農法」(3/3)

水田で働いたアイガモを鴨肉へ 自然循環型「アイガモ農法」

熊本県山鹿市菊鹿町で、アイガモ農法による水稲耕作を行う農家「あいがもん倶楽部」。アイガモ農法とは、水稲耕作で除草や害虫の駆除を、農薬ではなくアイガモが行う農法のこと。減農薬・無農薬栽培がかなうため、人や環境に優しいとされています。また、あいがもん倶楽部では、水田で働いたアイガモを鴨肉に加工し、個人やレストランに卸しているそうです。あいがもん倶楽部の市原奈穂子(いちはらなほこ)さんに話をうかがいました。

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アイガモの処理過程の課題

アイガモ農法
あいがもん倶楽部のアイガモは、専門業者に依頼して解体・加工した後、東京都や京都府のレストラン等に卸したり、ホームページで販売しています。アイガモ農法を行う農家の多くはアイガモを自分たちで食べることが多いため、鴨肉を販売する取り組みは、あいがもん倶楽部ならではだそう。

ですが、「アイガモの処理や販売には、まだ課題がある」と市原さんは言います。

「アイガモを解体する業者が福岡県久留米市の1軒だけなので、処理の場所が限られてしまっているのです」。

解体されたアイガモは、後日、あいがもん倶楽部または取引先の店舗に、クール便で送られます。そのため、配送費も高くついてしまいます。

「いずれは、解体技術を習得し、浄化槽など解体に必要な設備を整えて、自分たちでアイガモの処理ができるようにしたいです」。

「これまで培ってきたお客様との信頼関係を大切にし、今後も地域に根ざした農業を続けていきたい」と市原さん。アイガモ農法で作った米の魅力を発信するため、お弁当や鴨汁を作り、おいしさをダイレクトに伝える取り組みもしてみたいといいます。

人とアイガモが力を合わせて、自然に優しい米を一つ一つ丁寧に栽培し、最後は感謝の気持ちとともにアイガモを食べる。自然の循環とともにあるアイガモ農法は、稲作を行いながら生き物の命をいただく感謝の気持ちに、改めて気づかせてくれます。

あいがもん倶楽部

画像提供:あいがもん倶楽部

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