国の重要文化財の一角で古酒をたしなむ

新酒と40年物との飲み比べができる「afs(アフス)」
醸造所の3階、明治の趣を残す建物の一角で隠れ家的な雰囲気の「古酒BAR」が設けられていました。長期間熟成させるイメージがあまりない日本酒の飲み比べができるコーナーです。
「afs(アフス)」という銘柄で新酒と40年物を比べてみると、同じ銘柄とは思えないほどの変化を楽しめました。新酒はワインのような軽い酸味とさわやかさを感じましたが、40年物は濃厚なうまみと酸味が際立ち、味が凝縮されたような印象に。
日本酒では酸化はダメージだと思われがちですが、実はそうではないとのこと。「明治時代以前は甕(かめ)で保存していました。長く置くことでアミノ酸と糖分で色づいていき、熟成が進むんです」と、カウンター越しに長期熟成日本酒BAR『酒茶論』の上野伸弘(うえの・のぶひろ)さんから日本酒の熟成の歴史について教えていただけるのも醍醐味でした。
発酵フードに出会えるFermented Yatai
場外ではFermented Yataiで発酵フードを販売しており、これも来場者の目的の一つ。味噌、甘酒など定番の発酵フードはもちろんのこと、発酵牛煮込み丼なども大人気でした。
意外だったのは「コンブチャ」。昆布茶ではありません。かつて“紅茶キノコ”として紹介された発酵ドリンクで、最近改めて着目されているのです。当日は「大泉工場NISHIAZABU」が出店し、ハイビスカス・レモングラスのフレーバーを販売。とてもスッキリとしていて、飲みやすい味でした。
そのほかにも、移動書籍販売の「BOOK TRUCK」が出店し、発酵にまつわる書籍を販売するなど、アカデミックかつおしゃれに発酵醸造を楽しめました。
今回の「発酵醸造未来フォーラム 東京‘18」は、日本の食文化に深く根付いた発酵醸造が、未来に向かって大きな可能性を醸しだす場となっていました。これからも発酵醸造から目が離せませんね。
【関連記事】発酵は日本食の根源!次世代の発酵の可能性を再発見するフォーラム開催