アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~サル編~

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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~サル編~

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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~サル編~

最終更新日:2018年10月10日

「サルにご注意ください」と住民に勧告する各地の市町村が後を絶ちません。近年、野生のサルが市街地に出没し、人への危害や農作物への被害が深刻化しています。2016年度の農林水産省の調べでは、野生鳥獣による農作物への被害金額はトータルで約172億円。シカ、イノシシに次いで、獣種別ではサルによる被害金額が大きく、年間約10億円にも上るのです。

「アブなすぎる害獣図鑑」今回は、農家にとって一番面倒な天敵・サルの生態と農作物への被害、その撃退方法に迫ります。

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五感は人間とほぼ同じ! 高い知能を持つ最強の天敵

日本固有種のニホンザルは外国人観光客から珍しがられ、長野県の地獄谷温泉は「温泉に浸かるサル」が見られることで人気があります。日光などの観光地でも野生のサルは頻繁に見られますが、日本人からすると近年は迷惑な厄介者というイメージの方が強いでしょう。サルは学習能力が極めて高く、おいしいエサの場所や怖くない人を次々覚えていくからです。

サルの視覚、聴覚、嗅覚、触覚、味覚は人間とほぼ同じで、目で見て情報を集めるので、日の出から日没までの明るい時間に活動します。メスザルを中心に群れを作って行動し、オスは成長すると群れから離れ、別の群れに入ったり、離れザルとして生活したりします。場所や状況、および人に慣れると大胆不敵になるため、よりおいしい食べ物を求めて農作物を食べ荒らします。

被害額は年間10億! おいしいとこどりの厄介者

農林水産省によると、2016年度のサルによる被害額は約10億円で、獣種別では、シカ、イノシシの被害に次ぐ大きな金額です。前年に比べて多少減少していますが、これだけの額を見過ごすことはできません(※1)。サルは群れでやってきて農地を荒らすので、短時間でも大きな被害が発生するのです。

サルは雑食性で、果実や種子、葉、芽、昆虫なども食べますが、甘くて栄養価の高いものを好みます。イネやトウモロコシなどの穀物、イモやマメ、キュウリ、ナス、ダイコンなどの野菜、イチゴやモモなどの果実等、高い学習能力で農作物の味覚を次々覚えていくので、作物のおいしい部分だけをかじって捨てるぜいたくな食べ方をします。そのため、農地にサルの食べ残しが散乱する悲惨な状況が生まれ、農家の悩みの種となっています。

※1 全国の野生鳥獣による農作物被害状況について:農林水産省

1匹でも油断は禁物! サルの寄り付かない集落作りを

サルは人慣れすると、どんどん行動がエスカレートしていきます。なので、サルの居心地の悪い、エサのない集落を作ることが大事です。「1匹だったら大丈夫だろう」という油断は禁物。サルが出没したら必ず“追い払い”を行い、サルにとって危険な場所であることを認知させます。また、放置果実や廃棄農作物をきちんと処分して、エサ場にならない環境を整えます。

農地への侵入を防ぐためには、防護柵の設置も効果的です。ネット式(サル用)やワイヤーメッシュ式の電気柵など、簡単に設置できるものが多く、ロケット花火や電動ガンでの追い払いとの併用で効果が増します(※2)。それでも被害が軽減できない場合は、「鳥獣保護管理法(鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律)」(※3)に基づく許可を申請して、サルの捕獲を行うべきです。

厄介なサルによる農作物の被害を防ぐためには、地域ぐるみでの総合的な対策が不可欠となります。サルに負けない知恵と住民パワーを結集して、人への危害、農作物への被害に立ち向かいましょう!
 
※2 ニホンザルの被害防止(PDF):兵庫県森林動物研究センター
※3 鳥獣保護管理法の概要:環境省
 
 
参考:野生鳥獣被害防止マニュアル(イノシシ・シカ・サル実践編)「第4章 サルの追い払いおよび捕獲」/農林水産省

上記の情報は2018年5月21日現在のものです。
 
【アブなすぎる害獣図鑑】シリーズはこちら!

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