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米ぬかで肥料を作ろう! 簡単にできるぼかし肥料の作り方

米ぬかで肥料を作ろう! 簡単にできるぼかし肥料の作り方

作物を育てるために必要となる肥料は、成長を促し収穫量を増やす役割も果たしています。しかし、有機肥料は効果が出るまでに時間がかかるというデメリットがあります。
今回は、材料や分量により成分含有量を調整できて、さらに即効性が期待できる有機肥料「ぼかし肥料」について詳しく紹介します。

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ぼかし肥料とは

ぼかし肥料

ぼかし肥料とは、米ぬかや油かすといった有機肥料に土や籾殻を加えて発酵させた肥料のことをいいます。土に米ぬかなどの肥料分を加えて薄めたことから、薄めるという意味の「ぼかす」という言葉が使われるようになりました。
微生物に分解されることで効き目が表れる有機肥料には、効果が出るまでに時間がかかるというデメリットがあります。ですが、発酵させてから使用するぼかし肥料には微生物が多いため、作物への効果が出やすいのが特徴です。また、有機肥料はゆっくりと吸収されるため、肥料としての効果が長持ちします。しかし、有機肥料は肥料焼けを起こしやすいため、作物の状態を観察しながら土に混ぜて施肥することがポイントとなります。

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米ぬかを使ったぼかし肥料の作り方

米ぬかを主原料としたぼかし肥料の作り方は、肥料に必要な三要素である窒素・リン酸・カリのバランスを保つために、米ぬか・油かす・カキ殻石灰を3:1:1の分量で使用します。
今回は、油かすなどの有機肥料を使用しますが、魚粉や鶏糞、コーヒーかすなども使用することが可能です。また、有機肥料と水だけでも発酵しますが、発酵促進剤を混ぜることで発酵を促すことができて失敗のリスクを軽減させることができるでしょう。

材料

・米ぬか
・油かす
・カキ殻石灰
・発酵促進剤
・水

作り方

1. 原材料と水を混ぜる
原材料となる米ぬかや油かす、その他の材料と水を混ぜます。素手で混ぜても問題ありません。水が多すぎると腐敗の原因となりますので、少しずつ水を加えながら混ぜていきましょう。混ぜた肥料が手で握ると固まり、指で押せばパラパラと崩れるくらいの硬さが目安です。

2. 日陰で発酵させる
混ぜ合わせた肥料は、直射日光を避けた場所で保管します。ナイロン袋に入れて密封した状態で発酵させましょう。発酵の途中で酸素が入ると、水と二酸化炭素に分解されてしまいます。分解されると発酵が進まなくなりますので、しっかりと空気を抜きましょう。通常の肥料のように、発酵熱は出ないので温度調整のために混ぜる必要はありません。

3. 出来上がり
ぼかし肥料を作るために必要な期間は、気温によって発酵の速度が異なるため、時期によって変わってきます。発酵が早い夏の時期なら1カ月、冬には2~3カ月程度で発酵が終わり、肥料として使えるようになります。

ぼかし肥料の使い方

ぼかし肥料

ぼかし肥料は、植付け時に使用する「元肥」としても、生育途中に施肥する「追肥」としても使うことができます。有機肥料の場合、施肥から効き始めるまで2週間程度かかりますが、ぼかし肥料は種類によって速効性があって持続性が続くため、施肥から数日間で効果が出始めるでしょう。
これまで使用していた肥料と同様の頻度や量のぼかし肥料を用いると、肥料焼けをおこしやすくなったり、窒素過剰になり虫がつきやすくなってしまうので注意しましょう。

元肥として使う場合

植付け時にぼかし肥料を使う場合は、必要となる肥料の半分の量のぼかし肥料を使いましょう。しかし、これまでも述べているように、ぼかし肥料は有機肥料と比べて速効性があり窒素成分も多いとされているため、窒素過剰となって葉が繁茂したり、病害虫にかかりやすくなったりするリスクも考えられます。使い方としては、全体に混ぜ込まずに、上層の3分の1程度に混ぜたほうが効果的です。

追肥として使う場合

追加で肥料を与える際には、少量のぼかし肥料を土に撒きます。土に混ぜ込まず、表面にまくだけで効果を発揮します。元肥と同じく、使用するぼかし肥料が多いと窒素過剰となってしまうため、使用量には十分注意しましょう。

ぼかし肥料で有機栽培を始めよう

ぼかし肥料の特徴は、使用頻度や施肥量を注意すれば化学肥料を使わなくても速効性や持続性が期待できる肥料です。比較的簡単にできますので、有機栽培を始めたいという方は、米ぬかを使ったぼかし肥料を作ってみてはいかがでしょうか。

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  1. マイナビ農業編集部(勇崎) より:

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