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アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~カモ編~

アブなすぎる害獣図鑑!農家の敵とその撃退方法 ~カモ編~

最終更新日:2018年08月17日

一般的にほほえましいイメージを持たれる野生の鳥が、実は農作物を荒らす農家にとっての天敵であるということはよくあります。2016年度の農林水産省の調べでは、野生鳥獣による農作物への被害金額はトータル172億円。その8割が獣類、2割が鳥類となっています。さらに鳥類の内訳を見ると、5割がカラスによる被害で、残りの5割は日ごろ目にする可愛らしい鳥や美しい野鳥だったのです。
「アブなすぎる害獣図鑑」今回は、身近な水鳥として親しまれているカモの生態と農作物への被害、その撃退方法に迫ります。

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カルガモ、ヒドリガモ、マガモ……たくさんいるカモの種類

一年を通して日本全国に分布しているカルガモ

カルガモの親子がひょこひょこと道を渡る風景がニュースになるなど、カモは私たちにとってなじみのある水鳥です。日本には30種類ほどのカモが生息していますが、水田や畑など、農作物に被害を引き起こすのは主に、カルガモ、ヒドリガモ、マガモ、コガモの4種類です。このうち、カルガモ以外は渡り鳥で、冬場のみ国内に飛来します。

カルガモは日本全国に分布する留鳥(季節によって移動をしない鳥)で、水辺で生活し、水田にいることもあります。若鳥、成鳥ともに全体が茶色系の模様で、黒いくちばしの先端が黄色、オレンジ色の足が特徴です。他のカモが飛来していない春~秋に、国内で目にするカモはカルガモということになります。

渡り鳥であるヒドリガモ

渡り鳥であるヒドリガモは灰色のくちばしで先端が黒、オスは頭が赤褐色でメスは全体に褐色の模様があります。マガモのオスは頭が深緑色で首に白い輪があり、メスは全体が褐色模様。コガモはその名の通り日本最小のカモで、世界中に広く分布しています。

減少傾向でも甘く見ると危険カモ!?

マガモのオス

農林水産省の調査では、カモによる農作物の被害は年々減少傾向にあります。しかし、留鳥と渡り鳥により、季節ごとに被害状況が変わることは侮れません。春はカルガモの独壇場となり、水田の種もみや苗を食べ、歩き回ることで出芽を阻害する被害が見られます。秋もやはりカルガモが現れ、せっかく実った稲穂をしごくように、根こそぎ食べられたという被害があります。

カルガモ以外のカモが飛来する冬は、農作物への被害が多様化します。水辺以外の乾いた場所にも訪れるヒドリガモは、麦の若葉を好み、麦畑への被害が増えます。また、カルガモがキャベツやレンコンなどの冬野菜を食べることも知られ、マガモやコガモも食害を起こしているといわれています。

意外と賢いカモ……被害対策とは?

日本最小のカモであるコガモ

カモは学習能力が高く、爆音機、CD、フラッシュ装置などによる威嚇は、すぐに慣れてしまって効果がなくなったという報告があります。そんなカモの被害を防ぐ一番の対策方法は、防鳥ネットの設置です。網目10センチ以下のものを使用し、田んぼや畑などの周囲に張って、裾をしっかり閉じ、カモの侵入を防ぎます。

また、播種(種まき)後に水田から水を抜くという“落水管理”でカルガモの飛来を防ぎ、被害が避けられたという報告もあります。この場合、水田の底が平らで水たまりができないことが重要で、代搔(しろか)き後に、期間を置かずに播種作業を行うことがポイントです。10~14日程度の落水管理が終わったら、田の表面が露出しない2~3センチ程度の浅水を張り、カモの被害を防ぐとともに苗の成長を促します。

水田の虫や雑草を食べるアイガモを利用した農法がある一方で、カルガモやヒドリガモなどによる農作物への被害は深刻です。飛来するカモの種類や季節に合わせて手段を変えていくのが、被害をなくす一番の対策方法なの“カモ”しれません。

次回も農家にとっての憎らしい天敵、意外な害獣をご紹介します。

参考
鳥種別生態と防除の概要 カモ類(PDF):農研機構
野生鳥獣被害防止マニュアル-鳥類編- 被害対策の取り組み事例(PDF):農林水産省

上記の情報は2018年7月17日現在のものです。

 
【アブなすぎる害獣図鑑】シリーズはこちら!

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