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【農家の害獣】二ホンアナグマを見つけたら? 被害防止対策、生態から撃退法まで解説

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【農家の害獣】二ホンアナグマを見つけたら? 被害防止対策、生態から撃退法まで解説

人里に出没し農作物を荒らす害獣といえば大型動物をイメージしがちですが、アナグマ、アライグマ、ハクビシンなどの中型動物による農作物への被害も深刻化しています。中でもアナグマは、かわいい見た目とは裏腹に、獰猛な性格の持ち主。対策しないでいると、農作物を食い散らかしたり、人間がむやみに近づいて怪我をする例も少なくありません。アナグマ対策最大のポイントは、ズバリ「侵入させないこと」「穴を掘らせないこと」。今回は、あまり知られていない穴掘り名人の中型動物・アナグマの生態やアナグマがもたらす被害、その撃退方法に迫ります。

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アナグマ(ニホンアナグマ)ってどんな動物?

害獣

「同じ穴の狢(ムジナ)」ということわざがありますが、このムジナとは主にアナグマのことを言います。アナグマの掘った穴にタヌキが住むことがあり、見た目も似ていることから、このことわざは「実は同類」という意味で古くから使われてきました。しかし実のところは同類ではなく、系統的には随分離れています。タヌキはイヌ科タヌキ属、アナグマはイタチ科アナグマ属です。

日本で見かけるアナグマはニホンアナグマで、日本の本州、四国、小豆島、九州地域の里山や森林などに生息しています。北海道には生息していません。
ちなみに世界にはアナグマ属の種が他に2種いて、アジアアナグマとヨーロッパアナグマです。この2種はユーラシア大陸の広範囲に生息しています。

胴長で小さな頭、短い尾が特徴。顔には頭部から目の下にかけて黒い模様があり、鼻筋が白いので、名前の似ているアライグマよりも外見はハクビシンに似ています。その名の通り、5本の指の長い爪を使って穴を掘るのが得意で巣穴を掘って暮らします。
夜行性で昼間は巣穴の中で休み、4~5頭の家族からなる群れを形成します。群れで巣穴や縄張りを共有しますが、狩りは単独行動。寒冷地に生息する個体は、冬季になると巣穴の中で冬ごもりを行います。
野生下での寿命は、およそ10年程度と言われているようです。

アナグマの食べ物は雑食性。土を掘るのに適した前足と大きな鼻を器用に使い、土中の昆虫などを食べる他、鳥類、小型哺乳類、キノコなどを食べます。また甘みのある果実を好むため、年々農作物への被害が増加しています。

アナグマとハクビシンを見分けるコツは?

ニホンアナグマは、ハクビシンとよく間違われる動物の一つ。2匹にはどんな違いがあるのでしょうか?見分けるコツとして、一番手っ取り早い方法は「体つき」です。

ハクビシンは全長約90~100cmですが、その半分がほぼしっぽ。細身な体から伸びる長いしっぽが特徴です。

一方のアナグマは、ぽっちゃり体型。特に秋になると、冬に備えて脂肪をたっぷりと溜め込むため、かなりずんぐりむっくりした体つきになります。そしてしっぽも短いです。

もう一つの見分け方が、正面から見た「顔の模様」です。ハクビシンの顔は、頭から鼻先まで伸びた白い線状の模様が特徴的。遠くからでも目立ちますし、他にも目の上下や耳の前に白いまだら模様があります。そして鼻はピンク色です。

アナグマの顔は、全体的に白色から明るめの茶色で、目の周りの縦に伸びる黒模様が特徴的です。またアナグマの鼻は大きくて真っ黒、体のわりに顔と耳が小さいのも見分けるポイントでしょう。

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アナグマがもたらすさまざまな被害

日本の固有種であるニホンアナグマは狩猟の対象になってますが、急激な駆除数の増加や農地開発による生息地の破壊、外来種のアライグマとの競合などにより生息数の減少が懸念されています。繁殖率も低いため、自治体によっては絶滅危惧種Ⅱ類や準絶滅危惧種などに指定されています。

絶滅危惧種ながら、現在は増加中!?

害獣

しかしながら、国内の竹林の増加により巣穴作りに適した生息域が広がり、アナグマの数は年々増加しているとのこと。人里を最高のエサ場として農作物への被害も拡大してきました。
頻繁に見られる被害状況としては、イチゴ、スイカ、トウモロコシや落花生など、アナグマの好物とされる甘みのある作物、柿などの果樹への被害の他、雑食性のため養蚕施設に入り込んで蚕を食べたという報告もあります。得意の穴掘りで農地を掘り起こされたなど、アナグマ特有の被害も発生しています。

また、建物への被害なども考えられます。前述した通り、アナグマは地面に穴を掘って巣をつくる習性があります。基本的には同じ巣をずっと使い続けるため、時間が経つにつれて巣穴は大きくなっていきます。このことから、もし巣穴を建物の下につくられた場合、地盤が緩くなることで建物などが倒壊する恐れがあります。地震が多い日本では特に、こういった被害も問題視されているのです。

アナグマに穴を掘らせてはダメ!すぐできる被害対策とは

害獣

アナグマの生態や見分け方・もたらす被害などが分かったところで、ここからは侵入防止策や追い払う方法などを見ていきましょう。
狩猟免許をもっていなくても、アナグマを撃退できる方法をご紹介します。

アナグマの侵入を柵で予防する

害獣

アナグマの被害を防ぐために一番重要なのは、地面を掘って農地に入ってくるのを防ぐことです。そのため、ワイヤーメッシュ柵やトタン板での防御がオススメです。トタン板は、侵入防止だけでなく「視界を遮る」効果も期待できます。畑の中の様子をわかりにくくして、アナグマから農作物を守ります。

これらの柵を設置する場合は、柵の下部30cm程を地面に埋め込んで、侵入を防ぎましょう。その際、地上部分の高さが40cm程だと乗り越えられる危険があるため、柵の高さを補う工夫が必要です。柵の高さが足りなくなった場合は、ネットの目合いが4mm以下の「防風ネット」で囲えば爪や歯が通らないため、よりアナグマ対策に有効といえます。

被害発生前ならば、電気柵の使用も効果的です。あえてアナグマが登りやすい40cm程度の高さに設定し、そこに電流を流すことで感電するように誘導します。これは他の中型動物にも有効な装置ですが、アナグマだけは一度でも農作物を食べて味を占めてしまうと、登れそうな高さの柵でも登らずに、より得意な「掘る」行動をとる可能性があります。電気柵は、必ず被害が発生する前に設置しましょう。

設置したら終わりというわけではありません。柵を設置後は「定期的な見回りと点検」を忘れずに行いましょう。具体的には、柵の周辺を定期的に除草すること、柵の破損がないか確認すること、柵の下部にアナグマの掘り起こしの跡がないか確認すること、などがあげられます。

農作物や生ゴミなどを畑の近くに放置しない

害獣

規格外の野菜や果物、家庭の生ゴミなどを畑の近くに放置していませんか?
こうした人間の無意識な行動がアナグマを呼び寄せる一因になります。万が一畑まできてしまうと、新たな農作物被害が広がる可能性がありますし、アナグマがここは餌場だ!と認識してしまうでしょう。

アナグマを寄せ付けないためにも、廃棄予定の農作物や家庭ゴミを畑の周りに放置するのはNGです。

アナグマの嫌いな音や光を使って追い払う

アナグマだけでなく、野生動物は強い光や不意の音が嫌いです。赤外線センサーで動物を感知し、強力なLEDライトと人には聞こえない音「超音波」を出して害獣を追い払う装置もあるようです。しかし、機械の音や光は野生動物が慣れてしまい警戒心がなくなってしまう可能性も。そのため時々音を切り替えたり、光の点滅を別のものに変えたり、他の装置と組み合わせて使用するなど、臨機応変に対策していきましょう。

アナグマを捕獲・駆除する前に知っておくべき注意点

日本にいるすべての野生動物は「鳥獣保護管理法」という法律で保護されているため、野生動物を勝手に捕獲や駆除をしてはいけません。違反した場合には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科せられることがあります。

しかし、アナグマは狩猟鳥獣46種に含まれるため、狩猟しても問題ありません。

捕獲・駆除するためには、県や市町村などの役所に許可を得て捕獲する「許可捕獲」と、狩猟期間中に狩猟可能な場所で捕獲する「狩猟捕獲」のどちらかの手続きを行う必要があります。どちらの場合も、基本的には狩猟免許の取得や申請許可などの手続きが必要です。

詳しくは、各都道府県の自治体または下記の野生鳥獣の保護及び管理(環境省)ページのご確認ください。

◆参考
鳥獣保護管理法の概要(野生鳥獣の保護及び管理[環境省])

狩猟制度の概要(野生鳥獣の保護及び管理[環境省])

捕獲許可制度の概要(野生鳥獣の保護及び管理[環境省])

まとめ

一般的には馴染みが薄く、他の動物と比較するとまだまだ謎な部分が多い二ホンアナグマ。アナグマ対策最大のポイントは、ズバリ「侵入させないこと」「穴を掘らせないこと」です。まずは、その生態や行動を知り、個人でできる防護対策と地域ぐるみでの対策を重ねて、農作物への被害を食い止めたいものです。相手は穴掘りの達人です、地面の下からの侵入・巣穴作りを徹底的に防ぎましょう。

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