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コンバインの役割とは?メーカーの種類と一押しモデル

コンバインの役割とは?メーカーの種類と一押しモデル

農作業の時間短縮や作業効率アップに欠かせない農業機械(農機)は、農家を営むには必要不可欠なもの。農機にはさまざまな種類がありますが、米や麦を作るなら、収穫・脱穀・選別が一度に行えるコンバインは欠かせません。
実際にコンバインとはどのように使うのか、種類や一押しモデルについても紹介します。

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米や麦を作る農家に欠かせない「コンバイン」

コンバイン

コンバインとは、一台で収穫・脱穀・選別の三つの機能を併せ持った農機のことで、バインダー(刈取機)に脱穀機が合体したようなものです。組み合わせるという英語(combine)に由来しています。
コンバインには米麦専用機である自脱型とあらゆる作物を収穫できる普通型の二種類があります。
多品種を栽培する場合は、一台買うだけであらゆる作物を収穫できる普通型の方がメリットがあります(作物ごとに収穫キットが必要)。ただし、作物の茎の部分などすべてを選別部に取り込んで選別を行うため、米麦を収穫した際の選別性能は自脱型と比べて劣ります。

自脱型コンバインは、刈取り専用のバインダーと脱穀機の機能を併せ持つもので、稲や麦を刈り取ると、自動で脱穀と選別まで行ってくれます。一度に全ての作業を行うことができる画期的な発明であり、稲作や麦作にはなくてはならないものです。

コンバインの構造

コンバイン

コンバインは、刈取作業を行う「刈取部」、収穫した作物を送る「輸送部」、作物の茎や籾殻を外す「脱穀部」、籾を保管する「殻粒処理部」、実を収穫した後の藁を処理する「排藁処理部」から成り立っています。籾を保管する部分は、コンバインの大きさやタイプに合わせて、大きなタンクにためるグレンタンク式と丈夫な化学繊維などを編んだ専用の袋(コンバイン袋)に詰める袋詰方式があります。
袋詰方式は、袋の交換を手作業で行わなければならず作業の負担が大きいため、近年はあまり使われていません。ただし、地形上、バラ籾を移すコンテナやトラックが入れないような田んぼの場合は、現在でも使われることがあります。

コンバインを生産している主要メーカー

コンバインを生産している主要なメーカーは、「井関農機(イセキ)」「クボタ」「三菱マヒンドラ農機」「ヤンマー」(五十音順)などがあります。それぞれのメーカーの特徴を簡単に紹介します。

井関農機(イセキ)

1926年創業の老舗の農業機械の総合専業メーカー。これまで世界初の自脱型コンバインや業界初の7条刈りコンバインなど画期的な農機を開発。生産資材費低減に応えたシンプル・低価格仕様から、先端技術を活用した収量コンバインまで幅広いニーズにあわせたラインアップを展開しています。

クボタ

国内最大手で世界でも有数の農機メーカー・クボタ。ボタン・レバー操作1つで刈取り準備が完了する機能や、刈取りと同時に食味・収量の計測ができる機能など、シリーズにあわせた機能開発を進めています。 2018年末には国内メーカーとして初めて、GPS(全地球測位システム)の位置情報を活用した自動運転コンバインを発売予定。オペレータの搭乗は必要ですが、数センチメートル誤差の自動運転で、農作物を効率良く収穫します。

三菱マヒンドラ農機

1914年創業の三菱農機にマヒンドラ&マヒンドラ社が資本参加した国内唯一の外資系メーカー。グローバルな視点での技術開発に取り組んでいます。2018年6月には好評を博しているイーグルデザインを採用した新型を発表しています。

ヤンマー

1933年に世界で初めてディーゼルエンジンの小型実用化に成功し、商品・サービス・ノウハウを融合したトータルソリューションを提供する総合産業機械メーカー。2017年にはロスを低減するシリーズを発売するなど幅広いラインアップを揃えています。

コンバインの一押しモデルを聞いてみた!

コンバイン

コンバインは、収穫期にしか使わないため稼働期間は短いですが、さまざまな部位が関連して稼動する複雑な仕組みとなっているため、1馬力あたりの価格はトラクターより高めに設定されています。馬力の大きさ、一度に収穫できる列数やタンクの大きさ、エンジンの性能などメーカーやモデルによってさまざま。そこで、各メーカーの一押しモデルを紹介します。

井関農機(イセキ)
「Japan HJシリーズ」
「高精度・高能率・高耐久」をコンセプトとした自脱型最高峰コンバイン。脱穀性能の向上やクローラーの接地長を延長し、湿田対応性も向上。ICTやGPSを活用した収量管理や機械稼働状況、盗難防止機能を装備しています。
コンバイン

クボタ
「DYNALITE NEO(ダイナライトネオ)」
刈取開始時に必要な設定を操作1つでできる「楽刈レバー」を採用(SD/HD仕様)。業界初、刈取しながら食味・収量を計測できる機能もOP採用(SD仕様)し、データを活用したPDCA型農業の実現をサポートしています。
コンバイン

三菱マヒンドラ農機
「Vシリーズ V6120」
三菱の独自技術を結集させたフラッグシップモデル。高出力で湿田にも強く、こだわりの技術で素早く正確に作物を収穫することができます。三菱コンバインは他メーカーと比べて保証期間が長いことも特徴です。
コンバイン

ヤンマー
「YHコンバイン」
業界初、ヤンマーだけの自動ロス制御機能を搭載した「YH6/7シリーズ」なら、だれが使っても、籾のロスを最小限にした収穫が可能です。経験が少なくても、能率よく熟練者なみの仕事がこなせます。

コンバイン


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