初収穫のイチゴ、Brixは12.8 11月下旬から出荷へ
2011年に品種登録された「信大BS8-9」は、元信州大学農学部の大井美知男特任教授が6年をかけて6,000通りの交配から作り出したイチゴです。イチゴが出回らない真夏にも栽培が可能な四季成り性で糖度が高いことから、現在では全国で栽培されています。

大井特任教授(左)と唐澤健之社長
唐沢農機サービスでは、「ごちそう」と言えるほどのイチゴを作ろうと、この品種を「信州ごちイチゴ」として商標登録し、ブランド化を進めています。二酸化炭素量・温度・湿度を24時間管理し、ハウスの様子はスマートホンで随時チェックするなど、IoTを駆使した栽培方法を導入。大井特任教授の監修も受け、高品質なイチゴの栽培に挑戦しています。
11月中旬に初収穫された「信州ごちイチゴ」は、糖度計で測定したBrix値が12.8と、イチゴの平均値8~10を上回る値でした。また、サイズも大きめで果心が赤いので、ケーキなどへのトッピングの需要も期待できるということです。
「信州ごちイチゴ」は同社が運営する「農家直売どっとこむ」で、現在予約を受け付けており、11月下旬から出荷を始める予定です。
長野県東御市周辺ではブドウやリンゴといった果物の生産が盛んですが、収穫できる季節が限られるために農家の月々の収入にばらつきがあることが多いといいます。同社は、年間を通して栽培できる「信州ごちイチゴ」のブランド化により、「安定した収入を得られる農業ビジネスのモデルになれば」と話しています。
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