年間40万人超の観光客を集める田んぼも
1993年に青森県田舎館村で始まった田んぼアートは全国に広がり、全国田んぼアートサミットが開催されるなど盛り上がりを見せています。先駆者である田舎館村の田んぼアートは、人口8000人の村に世界中から年間34万9000人もの観光客を集める人気ぶり。埼玉県行田市では2015年に世界最大の田んぼアートとしてギネス世界記録にも認定されています。歴史上の人物やその年の世相を反映した絵柄など、各地が毎年工夫を凝らしています。
そんな各地の田んぼアートを集めたウェブサイトが「田んぼ団」(https://tamboart.jp/)。これまで、自治体や団体が個別に発信していた田んぼアートに関する取り組みを集め、見どころを写真とともに紹介するほか、田植え体験や収穫祭など、田んぼアートを楽しむためのイベント情報も掲載しています。
田んぼアート、海外向けプロモーションにも
「田んぼ団」を制作運営しているのは、メディア制作やインバウンドプロモーションを行うツナガル株式会社です。全国田んぼアート連絡協議会の協力のもと各地の田んぼアートを取材し、2018年6月にサイトをオープンしました。各地の田んぼアートを国内向けに紹介するとともに海外向けのプロモーションも意識し、日本語のほかに英語と中国語に対応しています。
田んぼ団ではこれまで、日本在住の台湾人ブロガー上田太太さんや欧米圏の人向けに日本国内の情報を発信するメディア「ヴォやポン」と連携し、田んぼアートの魅力を国外にも発信してきました。特に、東日本大震災の被害を大きく受けた福島県いわき市と楢葉町の田んぼアートの収穫に上田太太さんが訪れた企画では、田んぼだけでなく除染作業が行われた地域も訪れ、福島第一原発の課題などを住民と語り合いました。ブログの記事がきっかけで田んぼアートを訪問する台湾からのツアーが2019年に企画されるなど、台湾と福島との交流が生まれているといいます。
田んぼ団では今後、田んぼアートの楽しみ方や田んぼアートの始め方といったノウハウや、田んぼアートに取り組む人を紹介する記事を配信するなど、各地の田んぼアートを盛り上げる発信をしていくことのことです。
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