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ヤマハ発動機、スマート農業で農地の観測・分析、連携管理の3社と提携

ヤマハ発動機、スマート農業で農地の観測・分析、連携管理の3社と提携

ヤマハ発動機株式会社は、農業用ドローンや産業用ヘリによる農薬散布や施肥作業のデータをスマートフォンやパソコンで管理できるソフトウェアサービス「Yamaha Motor Smart Agriculture Platform(YSAP)」を提供するにあたり、農地の観測や解析、データの一元管理などのソフトウエアを提供する国際航業株式会社、株式会社トプコン、ウォーターセル株式会社との協業を開始すると発表しました。今後実証実験を進め、2020年の提供開始を目指しています。(写真:会見した4社の代表者)

農作業の情報をスマホで簡単管理

農薬散布などに用いる産業用の無人ヘリコプターや水田で利用する除草剤散布用無人ボート、果樹栽培を無人化する農業用無人地上車など農業分野で幅広い無人製品群を発表してきたヤマハ発動機。2019年3月末には、新開発のドローン「YMR-08」を投入し事業を拡大する方針です。

これらを管理するアプリケーションとして実証実験を進めているYSAPは、防除や追肥作業計画の管理、作業履歴や作業中の機体の飛行位置情報などを、パソコンやタブレット端末、スマートフォンなどを使って簡単に管理できるサービス。2020年の提供開始を目指しています。YMR-08や無人ヘリコプターなどとともに使用しデータを一括管理することで、防除・追肥作業の効率と精度を高めることを狙いとしています。

協業する3社の役割は…

今回YSAPの提供に向けて協業を発表したのは、衛星画像解析による生産性向上サービス「天晴れ」を提供する国際航業株式会社、レーザー式育成センサー「Crop Spec」を提供する株式会社トプコン、農作業の工程におけるデータを一元管理できる「agri-note」を提供するウォーターセル株式会社の3社。YSAPと無人機器を高度なレベルで運用するために、農地の観測や分析、農作業全体の連携管理の役割を果たすことを目的としています。

YSAPのイメージ(ヤマハ発動機提供)

70年以上に渡り航空写真の観測を行い空間情報のコンサルティングも行う国際航業は、航空撮像のノウハウを生かし圃場/農場や農作物の生育状況を人工衛星やドローンから診断する営農サービス天晴れを、2017年から提供しています。YSAPでは天晴れによる3-5メートルの粒度での生育状況の可視化や収穫時期診断、タンパク質含有量といった情報を提供していくそうです。

一方、これまでトラクターのキャビンの上などに乗せて用いられることが多かったトプコンのレーザー式育成センサー「Crop Spec」は、今後ヤマハ発動機のドローンや無人ヘリコプターに搭載することを計画。生育状況をリアルタイムに把握することで生育度に応じたリアルタイム可変施肥に対応できるほか、自ら放つレーザー光によって生育状況を把握するため太陽光の影響を受けず夜でも利用できるそうです。

主にスマートフォンから利用者が入力した作業状況や売り上げ・コストのデータを一括管理するアプリケーションとして1万件以上のアカウントを発行してきたウォーターセルのagri-noteでは、今後、YSAPを通じて提供される散布の計画や記録、天晴れやCrop Specが提供する生育状況のデータも一括して閲覧・管理できるようになるといいます。

さらなる協業拡大も視野に

会見したヤマハ発動機の中村克ソリューション部UMS統括部長は、今後の展開について、トラクターやコンバインなど農機メーカーが製造する農機類や資材メーカーとの将来的な協力も「あり得る未来」と言及。すでに農機具メーカーや流通業などとの連携も進めているウォーターセルの長井啓友代表取締役も「最終的に選ぶのは農家という考えで、オープンな戦略をとっていく」と話し、今後も様々なサービス・商品と連携していくことに意欲を見せました。

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