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東京農大OB、ハチロク世代の「農大ハチロク会」 異業種コラボで商品開発

東京農大OB、ハチロク世代の「農大ハチロク会」 異業種コラボで商品開発

東京農大出身の同級生で立ち上げた「農大ハチロク会」は、4年前の結成から商品の企画、イベントでの出店など活動の場を広げています。野菜やコメを作る農家だけでなく、造り酒屋や味噌蔵、畜産など様々な強みをもつメンバーたち。「会の強みは異業種のコラボレーションがスムーズにできること」と語る代表の秋丸剛志さんに、会設立の経緯と現在の活動について伺いました。

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元サークル仲間らが結成 横のつながり生かす

――農大ハチロク会とはどんな組織ですか?
東京農大のソフトボール部の仲間や当時の僕の学科仲間などを中心に、2015年に結成しました。1986年生まれの学年だったので、農大ハチロク会です。

現在、コアメンバーは10人ほどいます。野菜農家、果樹農家、酪農家、食品加工業、味噌蔵、酒蔵などそれぞれ違った分野の仕事をしています。メンバー内でアイデアを出し合ってそれぞれの専門を生かした商品を開発しています。また共同でマルシェや道の駅などでのイベントに出店し、農大ハチロク会ブランドで販売することでメンバーのさらなる販路拡大の助けになるよう取り組んでいます。

イベントでの農大ハチロク会のメンバー(農大ハチロク会提供)

――そもそも、結成のきっかけは?
7年ほど前に同級生の結婚式が何件か続くことがあり、サークルのメンバーらと再会したことがきっかけです。卒業から何年かして久しぶりに再会して、一緒に何かできないかと盛り上がりました。東京農大では農家や酒蔵などの跡継ぎの同級生が多くて、一度一般企業に就職した同級生らも何年かして実家に戻り、家業を支えていこうとか事業を拡大したいとかそれぞれがそれぞれの分野で考えていました。僕は当時ゲームアプリを作るIT企業を立ち上げていたのですが、ウェブでの発信力を生かして、協力し合って作った商品やコンテンツを発信していく場を作ろうということになりました。

東京農大の学生は、酒造り、農業、畜産、園芸、食品加工まで様々な専攻で学んでいるのに、全在籍者数が1万2000人を超えるマンモス校なのでどうしても同じ学科や研究室を越えて人脈が広がりにくいんです。農大ハチロク会を結成した当時、メンバーは同じようなことを考えていて、「せっかくサークルで横のつながりがあるのだから、これを武器にもっと仕掛けていきたいよね」と意気投合したんです。

独創的な商品提案

――会を発足後、具体的にはどんな活動をしてきましたか?
主に、商品開発とマルシェやフードイベントでのPR活動です。商品開発では、いずれも農大ハチロク会のメンバーの長野県にある味噌蔵と岐阜県内の製パン原料を扱う会社とのコラボレーションで生まれた「おばすて味噌蔵ぱん」や、メンバーの漬物屋が関わり福島県産トマトをジュレで浅漬けにした「トマトジュレ」などの商品を生んできました。他にも、国内では生産量の少ないザーサイをメンバーの農家が栽培し、コリコリした食感の楽しめる浅漬けにして販売などもしています。

メンバーのコラボレーションで生まれた「味噌蔵ぱん」(農大ハチロク会提供)

イベントとしては、道の駅八王子滝山や都内のマルシェで、メンバーのコラボ商品や野菜を販売しています。また、公園や商店街でのフードイベントに依頼を受けて出店することもあります。商品は好評で、イベントをきっかけにリピーターができるなど、メンバーの商品が売れるいいルートになっています。

さらなる広がりを模索

――農大ハチロク会として5年間活動してきて感じる会の強みは?
やはり、様々なジャンルの人たちが集まっているところです。農業分野の生産者団体というと、どうしても地域や作っている商品・作物でまとまった形になりがちです。農大ハチロク会は様々な分野が集まっているので、イノベーションが生まれやすいし、メンバーが協力し合って生産だけでなく企画や加工の提案もできるので、例えば農業で何かしたいと考える他業界の企業からも声がかかりやすいと思います。農大ハチロク会は中小企業の集まりのようなものなので、個人では難しい取引も、ハチロク会としてまとまることでできるようになることも多いと思うんです。

この強みをさらに生かしていくために、どんどんメンバーや関係者を増やしていきたいです。ひと学年3000人もいる学校なので、個性豊かな人材はまだまだいるはず。農大ハチロク会はメンバーを同学年に限定していますが、「ハチニ会」や「キュウゼロ会」というように、横のつながりがどんどん広がっていけば面白いとも思います。

農大ハチロク会

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