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AI×農福連携で再起を果たす 農家16代目の挑戦

連載企画:農業経営のヒント

AI×農福連携で再起を果たす 農家16代目の挑戦

神奈川県横浜市の金子栄治(かねこ・えいじ)さんは2018年2月、実家のハウスで久しぶりに農業を再開した。農家の16代目がさまざまな曲折を経てたどりついた営農の形は、障害者の人たちと一緒に作業する農福連携。今後さらに学生や就農希望者などいろいろな人が集まる農場に発展させることを目指す。ある企業の農場で働いた経験が、地域に開かれた農園づくりへと導いた。

40代で営農再開、1年目の失敗

横浜市の郊外にある金子さんの栽培ハウスを8月初めに訪ねた。約束した時刻は午後3時。あまりに暑く、農作業ができない時間帯をインタビューのために割いてくれた。ハウスの正面にすえられた人の背丈より大きい貯水タンクは、下のほうの色が濃くなっていた。井戸からくみ上げた水がタンクを冷やし、表面が結露したためだ。いかに気温が高いかを示している。
中に入ると、地面の上に整然と並んだトマトの列があった。列の根元には、水や肥料をやる黒いチューブが何本も走っている。灌水(かんすい)を制御しているのは、ハウスの隅に設置した「ゼロアグリ」というシステムだ。ベンチャーのルートレック・ネットワークス(川崎市)が開発した。このシステムが金子さんの今の営農を支えているのだが、そのことは後述しよう。

金子栄治さんの農場の貯水タンク。水が入った高さまで結露している

トマトの栽培はこれが2年目。1年目はいろいろなトラブルに直面し、思うように育てることができなかった。トマトの栽培は高い収量を狙う場合、頭上に張ったワイヤから垂らした棒や糸に、茎をくくりつける方法が一般的。トマトの成長に合わせて棒や糸を横にずらすことで、伸びた茎がたるまないようにするのがこの方法のポイント。2018年はそれがうまくいかず、金子さんの言葉を借りれば「トマトの茎が絡み合ってジャングルのように茂ってしまい、収拾がつかなくなった」。その結果、収穫に手間取るなど、作業しにくい畑になってしまった。
もっと深刻だったのは、病気がまん延してしまったことだ。温度設定を間違ったため、ハウス内の湿度が高まり、トマトの株に水滴が落ちたことが原因だ。茎や葉を含めて病気がトマト全体を痛めつけ、十分な栄養が行き渡らずに実が地面に落ちてしまった。知り合いのトマト農家に写真を送ると「すぐ農薬をまくように」とアドバイスしてくれたが、タイミングを逸し、およそ3分の1が死滅した。病気にかかった木を外に運び出し、ハウス内を掃除したことで、今年の3月ごろになってようやく収穫量が上向き始めた。

2年目は栽培に失敗しないよう細心の注意をしている

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