農家の困りごとプレゼン大会から学ぶ農業の課題とアイデア【農家の課題解決ゼミ開催レポート#04】

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農家の困りごとプレゼン大会から学ぶ農業の課題とアイデア【農家の課題解決ゼミ開催レポート#04】

農家の困りごとプレゼン大会から学ぶ農業の課題とアイデア【農家の課題解決ゼミ開催レポート#04】
最終更新日:2019年11月19日

阿部梨園・FARMSIDE worksの佐川友彦(さがわ・ともひこ)さんとマイナビ農業が送る、生産者の悩みを解決する「農家の課題解決ゼミ」の第4回が、東京・人形町のノウラボセミナールームで開催されました。生産者ら29人の参加者で大いに盛り上がりを見せた、当日の様子をリポートします。

「困りごと」を自分ごとに置き換えて考える

課題を解決するプロセスを学んでほしいと佐川さん

今回のテーマは、「農家の困りごとプレゼン大会」と佐川さんの「経営改善講座」。
第1部はプレゼンターが今抱えている議題についての「困りごとプレゼン大会」。
佐川さんは「ただ話を聞くだけでなく、聞きながら一緒に考えるというのがポイント。似たような事例や参考になる事例はないか、自分ごとに置き換えることで学びがあるので考えることを大切にしてほしい」と話します。

手塩にかけたお茶のさらなる販路拡大を考える

まずは、静岡県静岡市「かわばた園」の佐藤寛之(さとう・ひろゆき)さんからスタートしました。
課題は「販路拡大」です。佐藤さんは、45年間化学肥料を使用せず有機肥料のみでお茶の栽培を全て自園にて行っています。お客さんの高齢化も進むなか、新しい販路拡大の方法を知りたいという悩みです。

佐川:一つは、セカンドブランドを作ること。単価を急に上げると販売が不利になることもあるので、かわばた園からは全く独立した新ブランドを作るのもありかもしれません。お茶は日本人の文化にもマッチし健康効果もあり、さらに軽くて売りやすいというメリットもあります。一度マーケティング的に分析してみてはどうでしょうか?

農家を子どもの憧れに! 後継者問題をポジティブに

2番目は、千葉県我孫子市「ベジLIFE!!」代表の香取岳彦(かとり・たけひこ)さん。年間150種類の野菜を栽培、無農薬無化学肥料栽培をしており、食育事業や野菜の価値を上げるための活動、他業種とのコラボなども活発に行っています。今回は、「農業を子どもが憧れる職業に!」を課題に挙げました。

佐川:チャレンジをたくさんされているので、これからは周りの農家さんを巻き込む横の連携が大事になってくると思います。また、イベントを立てる際に瞬間的な体験だけでなく、ストックになるものは何か考えてみる。農業の3Kを覆そうという試みは過去いろいろな方が取り組んできました。いろいろな事例を知り、情報交換を行ってほしいと思います。

フリーランス農家 農業+αの働き方を提案

3番目のプレゼンターは、北海道在住の小葉松真理(こばまつ・まり)さん。卒業後、地元新聞社などを経て2年間道内農家に住み込みで働き、北海道夕張郡栗山町の地域おこし協力隊として農業振興の活動を行った後、今年度から「フリーランス農家」として農業と自分の得意なことを掛け合わせた活動を展開しています。課題は、農業の働き方や関わり方が独立就農と新規就農の二択であることや、本当に困っている農家さんの情報が口コミでしか流れないということも挙げました。

佐川:フリーランス農家、もっといるといいなと思いませんか? 前職のスキルを捨てずに生かし、例えばIT業界から来た人はパソコンを教える、など助け合う。自分の生き方を見せていく、コミュニティーを作るなどもいいですね。農家さんの困りごとは待っているだけで来るものではないので、まずは難しいことを考えずにマルシェやスナックなど楽しくやってくださるというのもよいと思います。

新規就農一年目 イベントの集客数を増やすには?

4番目は、脱サラで農業を始めた渡辺豊(わたなべ・ゆたか)さん。神奈川県厚木市の駅からバスで約30分の場所に耕作放棄地を借り、8反(約80アール)の畑があります。就農初年度の今年は、「ザ・開墾」と名付けてゲーム形式で石拾いや種まきなどのイベントを行っています。しかし、集客が不安定であることやリピーターをどうやって増やすのかが悩みです。

佐川:私たちはイベントなどを行う際に付加価値を出していく必要がありますが、天候などもあり一年の中でイベントを安定的に行うことは針に糸を通すように難しいことでもあります。まずは、達成感が得られ欲求を満たせるイベントは何かと考えて設計してみてはどうでしょうか? PDCAを繰り返し、また一年後にお話を聞いてみたいという感じがします。

作り手と売り手。生産現場と営業現場のコミュニケーションを深めるには?

そして5番目のプレゼンターは飛び入りで、有機農園モアークの橋澤幸治(はしざわ・ゆきはる)さん。有機農園モアークは茨城を拠点に有機農業の栽培を行っている20年目の農業法人。ある程度経営が大きくなってくると生産と営業がそれぞれ専門職になってしまい、生産者が野菜を売る感覚が遠のき、分業による隔たりが課題とのこと。

佐川:まずは、飛び入りありがとうございます。この質問は、現時点で抱えている方も多いユニバーサルな課題だと思います。これには生産者が、マルシェの売り子としてではなく、責任をもって自分自身で任された量をきちんと売り切るという体験をすることを提案します。マルシェやイベントはお客様との接点にはなりますがあくまで“非日常”。日常としての販売経験をしてみること。また、役割をシャッフルすることなども考えると新鮮に物事が考えられていいのではないでしょうか。

佐川さんと飛び入りの橋澤さん含めて5人のプレゼンターのみなさん

会場からの質疑応答も次々と飛び出し、「困りごとプレゼン大会」の時間は幕を閉じました。

第1部と第2部の間には名刺交換も行われました

各プレゼンターと議題解決のグループディスカッション

第2部の冒頭では経営改善講座が行われました。約30分の講座でしたが、「ECRSの法則」や「オズボーンのチェックリスト」「予実管理」など、今すぐ取り組める内容も数多くありました。事後アンケートでは「さっそく自分の農園でもやってみようと思った」という感想も数多く見受けられ、まさに「課題解決ゼミ」の良さを肌でヒシヒシと感じられる有意義な時間となったようです。
その後、5つのテーブルに分かれ各プレゼンターの議題解決のグループディスカッションを行い、ワークシートを作成しました。
短時間で作戦を決める難しさはありましたが、それぞれのテーブルで真剣に意見が交換されました。その後は、佐川さんによる各テーブルへの講評タイム。最後は充実した表情を浮かべている参加者が多く見受けられました。

今回もグラフィックレコード担当のヨシさんがリアルタイムでまとめてくれました

大好評のうちに閉幕した「農家の課題解決ゼミ」。次回もぜひご参加ください。
 

▼11月25日(月)開催の第5回は、「農家の販路開拓ことはじめ」と題して、個人農家の強みの生かし方から戦略に至るまで、農家の販路開拓について一緒に考えていきます。特別講師の岩崎さんは食農系ビジネスの会社や実家のみかん農園の経営にも携わり、販路開拓に尽力してきました。農業の諸問題を、どう切り開いてきたか等の経験も交えてお伝えします。第6回は12月23日(月)13:30~17:30、テーマは「作るから売るへ!農家のマーケティングと経営改善」です。
お申し込みは第5回はこちら、第6回はこちらから。

前回の様子はコチラ
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