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夏野菜を片付けるベストな時期とは? まだ実をつける野菜の見切り方【脱枯れ専のベランダ畑】

連載企画:脱枯れ専のベランダ畑

夏野菜を片付けるベストな時期とは? まだ実をつける野菜の見切り方【脱枯れ専のベランダ畑】

野菜を自分で育ててみたいけれど、植物は枯らしてしまうばかりの“枯れ専”だった──。そんな世話下手が始めたベランダ菜園2年目。季節が秋に入る頃、ダメ元でまいてあったキュウリの種が意外にもグングン成長してきました。キュウリといえば、うちのベランダでは育たない野菜の代表格で、今年はすでに2回失敗して終了宣言をしたはずだったのですが……。こうなると難しいのが片付けるタイミングです。ずるずる引きずってしまいがちな夏野菜の終了時期について考えました。

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夏野菜の終わらせ方と時期がわからない!

難しいのは終わらせ方です。

種をまくときには、おいしい野菜に育ってくれればと期待するばかりで終わりのことなど考えていません。また、不幸にも枯れてしまった場合にも、残していても仕方がないので未練はありません。しかし、まだ生きて実をつけている野菜の終わりを見極めるのは、とっても難しい。

季節はすっかり秋に変わった11月、我が家のベランダにはいまだに夏野菜の大きなプランターがいくつも鎮座しています。早く片付けた方がいいのは分かっているのですが、切っても切れぬ女ゴコロ……もとい栽培ゴコロというものがあるわけでして……。

終わっていなかったキュウリに奇跡

例えば、「因縁の」とでも言うべきキュウリ。今年はまず花屋で購入した立派な苗をべと病で失い、種から自分で育苗したものもハダニ被害を思わせる症状が出てダメになりました。

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これにて今年のキュウリ栽培は終了したつもりだったのですが、手元にキュウリの種が残っていたこともあって、7月下旬にほんの気まぐれでポットに種をまいておきました。その苗が大きく育ってきたので、1カ月後はこれまたダメ元でプランターに植え付け。

8月下旬、プランターに植え付けた

植え付け後、前回同様にハダニ被害らしき症状が出てきたので、また枯れるのではないかとも予想したのですが、意外にも成長を続け、10月上旬には小さな実が膨らみ始めたのです。あれ……?

葉の様子がおかしいのでよく見るとハダニ(黒い点)が生息していた

この時点ではちゃんと実るか半信半疑だった

お分かりでしょうか? これまで何度も裏切られてきたキュウリです。「ほんの気まぐれで」とか「ダメ元で」とか「やっぱり枯れるのでは」などと、期待しそうになる度に心にガッチガチのガードをして見守ってきたのです。そのキュウリが、その後、なんと、最初の実をつけたのです……!

10月に入って大きく実ってきたキュウリ

ところが!

皮肉にも、この日は10月の3連休前日。そうです、大型の台風が日本列島に近づいて来ていた最中でした。もしかしたら強風にあおられて壊滅的な状態になってしまうかもしれない。そう考えて、プランターの暴風対策をするのと同時に、キュウリも収穫してしまうことにしました。もう少しで売り物にも劣らぬ大きな実に育ちそうだったのに。

台風が去った後のキュウリは、以前にも増して葉や茎がボロボロの状態に。その様子にやや心を痛めつつ、これでようやく見切りがつけられるなと思ったのですが……。

ネットを共有していたゴーヤもろとも葉が傷んでしまった

片付ける暇がなくしばらく放置していたところ、またまた実が膨らみ始めてきたのです。しかも、今度は2つ! あんなにもならなかったキュウリが、あんなにも大きな台風を耐えてなお実を付けているとなると、とても切り捨てることはできません!

こうして完全に片付けるタイミングを逸してしまったのです。

モタモタしているうちに、むしろ大きく育ち過ぎてしまった

ミニトマトもナスも終わりがない!

切れ目なく実がなるのがミニトマト

ミニトマトも終わりを決めるのが難しい野菜です。

昨年はどうしていたかというと、終わり時を見極められぬまま冬を迎え、寒い中でも1つ2つと実をつけたことをのん気に喜んでいました。やっと片付けたのは今春に新しい苗を植える頃。それが可能だったのは、プランターの総数がいまより格段に少なかったからです。

今年は、自分で育苗したものやら、購入した苗のものやら、捨てていた種から育てたものやらと、なんだかんだと増えてしまい、ミニトマトだけでも5株もありました。これも早めに減らせば良かったのですが、幾らかでも実がついていると惜しい気がして、収穫したら片付けようなどと、つい延長してしまう。そして待っていた実が熟す頃には別の新しい実がついていたりして……。

気がついたら5株に増えていたミニトマト

やっと実がつき始めたナス

ナスもまた同様です。苗で購入した白ナスが2株、自分で育苗した紫色のナスが2株で計4株ありました。

白ナスは、夏の終わりに思い切った剪定(せんてい)をした甲斐があってか、あっちにもこっちにも秋ナスをつけるようになっていました。

新しい葉が出て、いくつも実がついてきた

また、育苗した紫色のナスの方も、株が大きくなるまでに時間がかかったり、裂果したりしてなかなか良い実がつかなかったのですが、ここへ来てやっと、小ぶりながらマトモに食べられる実がつくようになってきた感じ。これから大きく育つ予定の小さな実も、目の前にいくつもぶら下がっています。

可能性が詰まったこれらの実を、機が熟す前にもぎ取ってしまうというのはなんと難しい決断なのでしょうか。ましてや、ここまでの道のりの長さや労力を思うとなかなか「損切り」ができない。この辺が、栽培下手が栽培下手たる所以(ゆえん)なのかもしれません。

11月に入ってから収穫したナス

夏野菜を片付けるベストな時期は?

結局、夏野菜はどのタイミングで片付けるのがいいのでしょうか?

これは人によって「8月中に片付けましょう」とアドバイスする人がいたり、「9月中には片付けた方がいい」とか、はたまた「10月になってから片付けた」と言う人もいたりして、ここがベストだという明らかなセオリーはないようです。

9月、10月と季節が進むにつれ収穫量が減るので早めに見切るのがいいということなのですが、我が家に限って言えば、8月の暑い盛りに元気をなくしていた夏野菜たちは涼しくなるにつれ元気を取り戻してきた様子で、10月にも7月頃と同じかそれ以上の収穫量がありました。

それでも早めに片付けた方がいい理由

では、10月いっぱいまで引っ張るのがいいのかというと、これまた次の栽培計画が滞ってしまうのでお勧めできません。スペースに充分に余裕がある場合はいいのですが、我が家の場合などは、もうプランターを置く余白がなく、すっかり秋冬野菜の種まきシーズンを逃してしまった感があります。

例えば、秋にまこうと思っていたコカブの種まきは9月中旬くらいまででしたし、余っていたミニニンジンの種も9月中旬から下旬。コマツナ、ミズナなどの年中育てられそうな葉物野菜でさえ、種まきの適期はせいぜい10月中旬から11月上旬まで。これは最終ラインなので、少しでも暖かいうちにまいた方が生育が早いのは間違いありません。

土のリサイクルに少なくとも1週間〜1カ月くらいかかることを考えると、それだけの日数をさかのぼって夏野菜の栽培を終えている必要があります。つまり、夏野菜じまいの計画は秋冬野菜の栽培計画とセットで行わなければいけないものなのだと、すっかり時期を逃してから気がついた次第なのです。

夏野菜を片付けた方法

今年はすっかり後手に回ってしまった夏野菜じまいですが、「とにかくスペースがない!」とか「苗の植え付け待ったなし!」という事態に直面する度に、順次進めていくことにしました。

まず着手したのは、捨てていた種から育てたミニトマト。このミニトマトには感動がありましたが、結局一粒しか収穫できませんでした。次に、枯れかけていた育苗のミニトマトに、ついに3つ収穫できて気が済んだキュウリ。この後にナスも紫色のものから減らしていく予定です。

片付けの方法としては、次の5ステップで行いました。

1. 作業しやすいように数日前から水やりを止める

2. 誘引して縛り付けた麻ひもなどを外す

麻ひもを外してもツルが絡み付いていることもある

上から順に外していった

3. 茎を根元近くで切断し、支柱やネットを外す

上に伸びた部分が長いので茎を切った方が片付けやすい

ネットをたたむのが案外難しい

4. 根っこを抜く

土はふるい落とす

5. 土をリサイクルする

リサイクル方法は人によるが、我が家では使った土はしばらく広げておくことにしている


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片付け上手は栽培上手へのワンステップ

夏野菜の片付け問題に直面して、ベランダ菜園を始めたばかりの頃に間引きが苦手だったことを思い出しました。ナスの葉の剪定も最初は躊躇(ちゅうちょ)しながら行いました。

せっかく出た芽や元気な葉を切り落とすなんてしのびないと感じていたのですが、間引きや剪定を適度に行わないとうまく育たないことが分かって、いまではためらいがなくなりました。

今年は思い切った片付けができなくて失敗したと反省したところですが、これも来年にはサッサと片付けるようになれるのかもしれません。なんだか栽培上手への階段を1つ上ったような気分です。……といいつつ、想像を絶するルーズさゆえ、来年もまた片付けを放置してしまう可能性も大いにあるとか、ないとか。

◆次回、ショウガ栽培&新ショウガを味わう。

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