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歴史と文化が根付く福島県会津地方。全国に誇る農産物と、次世代を担う若手農業者の姿に迫る

歴史と文化が根付く福島県会津地方。全国に誇る農産物と、次世代を担う若手農業者の姿に迫る

福島県会津地方は、会津若松市、喜多方市を中心とした13市町村から成る地域です。福島県土面積の約22%を占める広大な土地には、武家文化や仏教文化、雄大な自然、実り豊かな農産物など、地域ごとにさまざまな特色があります。そんな会津地方で有機栽培に取り組む就農6年目のファーマーと、江戸時代から続く「会津・身不知(みしらず)柿」の栽培に取り組む青年。彼らの農業への思いに耳を傾けると、「農業は人生そのもの」という壮大なテーマが見えてきました。

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子どものころからの夢を一生の仕事に

福島県喜多方市にある『サンライズファーム』代表の小島潤さんは埼玉県の出身。父親の出身地である喜多方市は、小島さんにとって子どものころからよく遊びにきていたなじみ深いところでした。
「家族で帰省する時、高速道路のトンネルを越えると、『やっと会津に戻ってきた』と父が嬉しそうに話していたことを今でも思い出します。父が大切にしてきた故郷で、自分もいつか農業をしたいと、夢を抱くようになりました」。

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小島潤さん

小学校4年生の時、すでに「夢は農業」と書き留めていた小島さんは、新潟大学で土壌学を学びます。すぐに就農するのではなく進学を選択したのは、将来を見据えた決断だったと当時を振り返ります。
「栽培技術や農業機械の操作は、先輩農家から教わることができます。自分はそれ以外の力を身につけることで、農業を支えたいという思いがありました」。

大学卒業後は農業資材販売会社に就職し、就農に必要なさまざまな経験を積んだ小島さん。一見、順調に思える道のりですが、サラリーマンから農家に転身したきっかけは後ろ向きだったと話します。
「エリア責任者を務めていたころ、営業成績など実績が伴わない現実に直面しました。これまで重要なポジションを務めさせてもらったのに、それに応えることができなかったのは甘えや未熟な部分があったからだと思います」。
その経験を挫折と話す小島さんは、救いを求めるかのように喜多方市に移住。農業を生業とする決意をします。

農業で生計を立てるためには、「ビジョン」を持つことが大切

就農のきっかけは決して前向きではなかったと話す小島さんですが、トマト農家で研鑽を積み、努力の甲斐あって2014年に独立就農を果たします。年間を通して収益を得るため、夏はミニトマト 、秋はニンジン、冬は小松菜、ホウレンソウを栽培。このように、生計を立てるためには長期的なビジョンを持ち、資金計画を立てることが重要と言葉を続けます。
「独立就農をする前に、資金をやりくりする感覚を身につけることで、その後の経営に生かされていくのではないでしょうか」。

また、会津伝統農法や生態系調和型農業理論を組み合わせた有機農業を目指す『会津ロジカルオーガニック農業推進協議会』の副会長兼事務局長も務める小島さんは、有機農法と向き合うことで見えてきたことがあると話します。
「植物が成長する様は人生そのもの。植物が根を張りやすい環境を整えることで植物は自らの力で成長していきます。時間をかけて栽培する様は、人を育てることに似ていると実感しています」。

病気で兄を亡くした小島さんは、安心・安全な農産物が健康な体づくりにつながると考え、有機栽培に興味を持つようになったとのこと。大地に根を張り、やがて実をつける作物。小島さんは大地に寄り添いながら、明日の農業を支えています。

会津が誇る「身不知柿」の若き担い手として

会津が誇る献上柿「会津・身不知(みしらず)柿」。その歴史は古く、約500年前に西念寺の住職がその苗木を中国から持ち帰ったという伝説があります。名前の由来は諸説あり。「枝が折れるほどたくさん実をつける」とも、「あまりの美味しさに我を忘れて食べ過ぎてしまう」とも言われています。そんな歴史ある会津身不知柿を栽培しているのが、会津若松市の『渡部果樹園』の渡部亮さんです。

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渡部果樹園の会津・身不知柿

「ゆくゆくは農業を継ぐつもりで福島県立農業短期大学校に進学しました。その後、教師の補助員として学校に残ったのですが、父が急死したことにより、予定よりも早く継ぐことに。これからいろいろなことを父に教えてもらおうと思っていた矢先のことだったので、当時は不安の方が大きかったかもしれません」。

そんな渡部さんを支えたのは、家族や父親の古くからの農業仲間でした。身不知柿は長い歴史と共に、共に支え合う精神を育んでいたのです。
「摘果や樹勢管理など、父に代わって教えてくれた方々のおかげで今の自分があると思っています。その恩返しのためにも高品質な身不知柿を作り続けていきたいです」と、渡部さんは力強く語ってくださいました。

若手生産者のリーダーとして、次世代に歴史をつなぐことが使命

会津地方の若い果樹生産者によって設立された「会津青年落葉塾」の一員として、各地の果樹農家と交流し、栽培技術を磨いている渡部さんですが、メンバーで「身不知柿」を栽培しているのは渡部さんのみ。この現状に危機感を抱いていると話します。
「身不知柿は全国的に見るとその知名度はまだ低い作物。後継者が少ないことも大きな課題です。20年、30年先のことを考え、担い手となる仲間を育てていくことも自分の使命だと思っています」。

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展望を語る渡部さん

渋柿の身不知柿はそのまま食べることはできません。上質なトロリとした甘さを生み出しているのが、「脱渋(だつじゅう)」と呼ばれる渋を抜く工程です。炭酸ガスを使用して大規模に渋抜きをする方法が主流となる中、『渡部果樹園』では昔からの手法である焼酎によるアルコール脱渋を続けており、とろけるような甘さとパリッとした食感を生み出しています。こうした技術の継承もまた、担い手としての大切なミッションです。
「父が亡くなり、実感したのは生産者としてだけではなく、身不知柿は人との繋がりを紡いでくれる存在ということです。この地域の営みを含め、後継者として繋いでいきたいですね」。

25歳の若きリーダーは、更なる品質向上を目指し、2018年に福島県独自の農産物安全認証制度「ふくしまG A P(F G A P)」を取得。その弛みない努力は、先人たちが守り続けてきた会津の宝を、今後ますます輝かせることでしょう。

農業始めるなら会津地方へ!

会津地方では、市町村、J A、農業委員会などが連携を図り、就農希望者にに対する研修先や農地探し、就農に係る資金の相談、就農後の技術サポートなど、一貫した支援体制を整備しています。
「会津地域は水が美味しく、鮮やかに四季が巡り、会津米やアスパラガス、身不知柿など全国に誇る良質な農産物が育つ地域です」とは、福島県会津農林事務所の大高圭申課長。

新規就農者が多く手掛けているのが、夏秋トマトやアスパラガス、花きではトルコギキョウ やかすみ草など、果樹ではリンゴなど。会津の気候風土を生かすことができる作物は多く、自分に合った作物を選べるのも魅力です。
「他県に出てみると、会津の米や野菜、果樹が美味しいことに改めて気づくと言います。そんな美味しい農産物をぜひ、私たちと共に作ってみませんか」と、同事務所で新規就農者支援を担当する佐々木園子さんも声を揃えます。

行政や関係機関が一体となってサポートする会津地方は、地域も一丸となって新規就農者の夢を支えています。

■お問い合わせ
福島県会津農林事務所
住所:福島県会津若松市追手町7-5
電話:0242-29-5305

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