【岡山県⑤】岡山県赤磐市の桃の研修第1期生。 只今研修真っ最中! その内容とは?

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【岡山県⑤】岡山県赤磐市の桃の研修第1期生。 只今研修真っ最中! その内容とは?

【岡山県⑤】岡山県赤磐市の桃の研修第1期生。 只今研修真っ最中! その内容とは?
最終更新日:2020年02月07日

温暖な気候に恵まれた「晴れの国おかやま」。その中南部に位置する赤磐市(あかいわし)上仁保地区は、『清水白桃(しみずはくとう)』をはじめ岡山を代表する白桃がつくられています。故郷に近いこの地に移住した小川勝洋さん(43)は、昨年(2019年)まで大阪市内の企業に勤務し、マーケティングの仕事を通じて、農業に興味を持ちました。現在は、岡山県の新規就農研修制度を利用して、就農に向けた研修を始めたばかりです。特に赤磐市の桃の研修では第1期生ということで、先輩農家の皆さんから「赤磐の桃を盛り上げる存在になって欲しい」と、期待を寄せられています。

前職のマーケティングを通じて農業に興味を持ち、Uターン就農を決意

赤磐市の桃の研修第1期生の小川勝洋さん(右から二人目)の研修風景 ※先輩農家さんと

岡山県の新規就農研修制度で、赤磐市の桃の研修第1期生となった小川勝洋さん(43)。岡山市内で生まれ、高校時代まで岡山市内で過ごし、大阪の大学に進学しました。その後、大阪でマーケティング関連の会社に就職し、昨年、退社するまでの数年間は役員を務めていました。農業をやりたいと思うようになったきっかけは、仕事を通じてでした。

「ここ数年、上場企業が農業分野にかなり力を入れているのを見てきて、今後は6次産業(※1)が伸びると思っていました。40歳になった頃で、自分の将来について考え、今後30年間、現在の仕事を続けるのか、それとも新しいことにチャレンジするのか。そう考えて結論を出したんです」。
※1参考 農林水産省ホームページ(農林漁業の6次産業化)

最初は、土を使わないで高糖度のトマトを栽培する方法に興味があったそうで、大阪で新規就農を考える人のためのセミナーがあり、岡山県のブースで話を聞きました。

「桃農家の方の話を聞いて、興味を惹かれたので、その後、岡山県で開催されたセミナーにも参加しました。話を聞くにつれ桃の栽培について真剣に考えるようになりました。そして嫁さんと小学3年の息子を連れ、赤磐市に何度か通ううちに、家族全員が『桃農家、ええんちゃう?』という空気になってきました」。

会社勤めをしていた頃の休日は、赤磐市の塚田農場に通って、桃作りを体験

農業体験研修で、塚田農場の塚田博久さんから桃の剪定を教わる小川さん

心を決めた小川さんは、JAからの紹介で、赤磐市で桃作りをする塚田博久さんの塚田農場に通い始めました。

「大阪からマイカーで高速道路を使って2時間くらいの距離なので、気軽に来ていました。作業は、見るもの、やること、すべてが新鮮でした。収穫の時期、僕は朝6時頃に農園に着いていましたが、塚田さんたちは5時頃から作業をされていたと思います。朝8〜9時頃までに桃を手でもいで、その後、コンテナに入れて運んで、選別する作業をさせてもらいました」。

受け入れる側の塚田さんは、こう話します。
「小川さんは昨年から何度もここに来てくれて、草刈りをしたり、桃の作業をしてくれました。桃作りは、好きだからといって出来るというものではなく、実際の作業を研修前に体験してもらってよかったと思います」。

実は、塚田さんは55歳で勤めていた会社を早期退職して、桃農家になった方です。岡山出身の奥さまの実家から毎年届く『清水白桃』のおいしさにとりこになっていました。

「私は会社勤めの時、東南アジアを回って、果物をいっぱいいただきましたが、世の中で『清水白桃』ほど、おいしいものはないと思ったんです。アジアのマンゴーやドリアンは本当においしいですが、清水には勝てない(私にとっては清水がいちばん)。好きなだけ桃を食べるには自分で作るしかない、と思ったんです(笑)。そんな動機でした」と塚田さん。

サラリーマンを経て、桃作りを志したお二人が現在、師弟のような関係になっています。塚田さんから見た小川さんは、「真面目、真剣、積極的。なんとか早く良いものを作りたいという気持が、喋らなくても伝わってきます」。
そして小川さんにとって塚田さんは、「師匠であり、父親。上仁保の父です」。

赤磐市での生活を楽しむ家族とともに、地元のイベントにも積極的に参加

小川さんは岡山県で毎年行われる産地見学会に出席したことで更に赤磐の桃への興味が強くなっていきました(撮影:2019年7月)

岡山県では新規就農研修制度を利用して、これまでに200名以上の方が県外から移住して農業を始めています。しかし、赤磐市では桃の栽培で研修生となったのは、今回の小川さんを含めた2名が初めてでした。

「これからの赤磐の桃は、僕らにかかっている、と言ってもいいと思います。だから『県外から来たけど、地域でもしっかり交流しているし、桃作りをきちっとやっているな』と思われないと。『これなら、次の研修生を呼んでも大丈夫やな』とならなければダメだと思うので、そういう意味でプレッシャーは大きいです」。

2019年11月に行なわれた研修に向けた面接会で、小川さんは桃作りへの覚悟と意気込みを話しました。面接会に出席した、岡山県備前県民局農林水産事業部・東備農業普及指導センター主幹の佐藤明宏さんは、この時の小川さんの印象をこう話します。

「農業に対するやる気はもちろん、近所の方の草刈りを手伝ったり、グラウンド・ゴルフの大会に出たりと、地元の方々とのつながりを大切にされていることが伝わってきました」。
小川さんが赤磐市を就農の地として選んだ理由の一つに、農業普及指導センターの存在がありました。小川さんは、こう話します。

「岡山で桃作りといえば、ほかにも有名な地区がありますが、農業普及指導センターに相談に乗ってもらい、赤磐市の桃農家になるための心得や地域の情報などを積極的に教えていただいたことで、ここでやっていけると確信しました」。
地域に馴染むのに、特別な苦労はありませんでした。

塚田さんの口利きで借りた家は、上仁保地区の入口にあり、近所の方から声をかけてもらいやすいと言います。また、小川さんの奥さんの存在も大きく、近所の方と仲良くなるのは、奥さんのほうが先。お子さんも川で釣りをしたり、農業で使うショベルカーに乗せてもらったりと、赤磐市での生活が面白くて仕方がない様子です。

「嫁さんも子どもも、ここの生活を楽しんでいます。僕はグラウンド・ゴルフの会に出かけたり、田植えや稲刈りの手伝い、消防団の活動や年配の方にはしんどい作業を手伝って、交流は、ちょっとずつ進んで来ているかな。一緒に酒を飲もうと誘ってもらっています」。

先輩農家が進めるプロジェクトにも参加。

「自分が持っているノウハウを生かし、赤磐の桃を盛り上げたい」と語る小川さん

小川さんは現在、岡山県新規就農制度の「農業体験研修」に入ったばかりです。この1カ月間が、塚田さんをはじめ、地域とのマッチングの期間です。お互いが良いと判断すれば2カ年以内の「農業実務研修」に入ります。

現在は塚田さんの指導のもと、桃の剪定という、初めての難しい作業に向き合いながら、先輩農家が進める新しいプロジェクトへの参加も予定しています。先輩たちは「JA岡山東もも部会青壮年部」として、農家の高齢化により生産量が減少する赤磐市の桃の、新しい取り組みに挑んでいます。

現在、進めているのは、JAとも協力し、首都圏の高級フルーツ専門店と、高糖度の桃を直接取り引きするルートの整備です。これまでの市場や一般的なルートだけでなく、直接消費者との取引は今後、強化したいポイントです。

赤磐市の果樹農家 河本要三さん(青壮年部 部長)

「JA岡山東もも部会青壮年部」を組織した一人、河本要三さんは、「小川さんには、次に入って来る人たちの先生になって欲しい。また、僕ら若手のクラブで県内の他の産地と交流して、人脈を広げて欲しいと思います。そこから見えてくるものが、今後の事業のヒントになると思います」。

赤磐市の桃農家・今井農園 今井浩二さん(青壮年部 副部長)

同じく「JA岡山東もも部会青壮年部」の今井浩二さんは小川さんに、こんなメッセージを送ります。「僕らは小川さんをできる限りサポートして行きたい。だから彼も一生ここに根付いて、お互いに志を高く保って、やっていけたらと思います」。

小川さんが家族を連れて移住したのは、就農に向けた並々ならぬ決意でした。「塚田さんのもとで、良い桃作りに必要なものを体に染み込ませて、早く、自立したいと思います。それから先輩方の意見を聞きながら、自分が持っているノウハウも生かし、販路とかを含めてコラボして、赤磐の桃を盛り上げて行きたいです」。

家族への責任と、桃作りで生き、地域に貢献する覚悟を決めた小川さん。その目はきらきらと輝いています。

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【連絡先】
〇岡山県 農林水産部 農産課 担い手育成班
〇住所:〒700-8570 岡山県北区内山下2-4-6
〇電話番号:086-226-7420

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