野菜を腐らせる白い綿毛の正体とは!?【畑は小さな大自然vol.69】

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野菜を腐らせる白い綿毛の正体とは!?【畑は小さな大自然vol.69】

連載企画:畑は小さな大自然

野菜を腐らせる白い綿毛の正体とは!?【畑は小さな大自然vol.69】
最終更新日:2020年05月19日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。ある日、畑の生徒さんから相談が寄せられました。せっかく順調に育っていた白菜とキャベツが腐ってしまったのです。よく見るとそこにはフワフワした白い綿毛のようなものが広がっています。そして謎の黒いフンのようなものもついています。キャベツと白菜を腐らせてしまった犯人は一体誰なのか、そしてどうやったら防げるのかを解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

事件発生! キャベツを腐らせた犯人とは?

そーやん!大変〜! せっかく育ってたキャベツや白菜が腐ってます〜!

生徒

そーやん

あら、本当ですね〜。
先週来た時は大丈夫だったのにな〜。これって病気ですか?

生徒

そーやん

そうですね。白い綿毛のようなカビがついてるので、恐らく菌核病っていう病気だと思います。カビが原因で起こる病気ですね。
菌核病?

生徒

そーやん

はい、病名が分からない時は、「キャベツ 病気 白いカビ」とか「キャベツ 病気 腐る」とかで、「野菜名+病気+症状」をキーワードとして、画像検索で調べて、その野菜の症状と似たような画像がないかで調べると結構見つけやすいですよ。
なるほど、画像で探すのなら自分でもできそうです。

生徒

そーやん

ほんと野菜の病気って無数にあるから、一個一個を細かく覚えるより、その調べ方を知っておく方が実用的です。正確に病名が分からなくても、これはカビが原因だなとか、ざっくり特定できるだけでも、対策方法がだいぶ絞れます。
あれ、この白菜についてる黒いのなんですか? 虫のフンとか?

生徒

そーやん

その黒いのが菌核病の由来でもある菌核と呼ばれるものらしいです。白い綿毛のようなカビから時間が経つと菌核に変わるみたいですね。あ〜、菌核を割って見ましたけど、これ明らかにフンじゃなくて、キノコみたいな感じですね。
ほんとですね。カビとキノコって一緒なんですか?

生徒

そーやん

カビもキノコと同じ菌類の仲間ですね。あ、やっぱり調べて見たらこの菌核からもキノコが本当に出てきて、胞子をばらまくみたいです! まさか本当にキノコが出てくるとは。たまに畑からキノコが生えてくることはありますが、菌核病のキノコの可能性もあるのは注意しなきゃですね。
キャベツや白菜以外の野菜もかかるんですか?

生徒

そーやん

そうですね。ここの畑ではキャベツや白菜、ブロッコリー、高菜などのアブラナ科野菜でしかまだ発症しているものを見たことはないですが、トマト、ナス、キュウリ、ジャガイモなど結構いろんな野菜で発生するみたいです。白い綿毛のようなカビが生えるものは、まず菌核病を疑ってよさそうです。

畑全体の様子。暖冬の影響で野菜の生育も良かったが、菌核病も発生しやすい気温になっていたようだ

菌核病はどんな環境で発生しやすい?

そーやん

菌核病って15〜20度くらいの温度を好むらしいので、本当はこんな真冬にはあんまり発生しないんですが、今年は暖冬なのでそのぶん菌核病のカビも増えやすかったんでしょうね。
そっか〜今年は本当に暖かかったですもんね。20度くらいってことは春とか秋頃に多いんですね。

生徒

そーやん

そうみたいですね。あとやっぱりカビなので、湿度が高いところが好きなので、梅雨時期などの雨が多い時期も発生しやすいようですね。最近は特に雨が多かったとかいうわけではないですが、キャベツや白菜は、下葉が大きく横に広がって、根元付近は風通しが悪くなりがちなので、それで湿気がたまりやすい環境になっていたのかもしれませんね。
じゃあ、下葉の方はどんどん取った方がいいんですね。

生徒

そーやん

そうですね。葉が黄色くなっているものや、風通しが悪そうなところは優先的に取った方が良さそうです。冬は風通しについては、あまり気にしなくても大丈夫だったりするのですが、年によっては今年みたいに暖かったりしますので、状況に応じて手入れする必要がありますね。
冬の間は雑草もあまり生えないし、虫もいないから油断していましたが、こまめに畑に来て観察していないといけなかったですね〜。

生徒

菌核病に感染した芽キャベツ

菌核病になってしまった野菜ってどうすればいいですか? これってもう治らないですよね? 食べられます?

生徒

そーやん

そうですね。まだ腐っている部分が少なければ、そこだけ切り捨てて、野菜の根元の風通しをよくしておけば、なんとかなる場合もあると思いますが、このまま暖かい環境が続くようであればまた発生してしまう確率が高いと思うので、できるだけ早めに収穫してしまった方が良いと思います。腐った部分を切り落とせば食べられると思いますよ。菌核ができてしまうとそれが土に残って、キノコが生え、胞子を飛ばして子孫を増やすみたいなので、菌核ができる前に早めに除去した方が良さそうです。
そうなんですね。じゃあ腐っているのは全部収穫しちゃいます。切り落として、カビがついている葉っぱとかはどうしたらいいですか?

生徒

そーやん

そのまま畝に置いておくと、他の野菜に移っちゃう可能性があるので、畑の外に持ち出した方が良いですね。

菌核病の対策・予防方法は?

今後、菌核病にならないようにするにはどうしたらいいですかね?

生徒

そーやん

まずは原因がカビなので、カビが原因による病気の場合は共通して、湿度が高く日当たりとか風通しの悪い環境で発生しやすくなります。なので、水はけの良い土づくりをするとか、草刈り、剪定(せんてい)をこまめにするなどして風通しを良くするなどが共通した対策になりますね。
この畑は水はけは良い方ですかね? どう判断したらいいですか?

生徒

そーやん

雨が降った後に水たまりができるようだと、ちょっと注意した方が良いですね。その水ができるだけたまらないように、溝を掘って畑の外に流れていくようにすることや、畝を高めにすることなどで対策できます。あとはもみ殻を炭にしたもみ殻くん炭などを土に混ぜ込むと、水はけの良い土になります。
じゃあここは水たまりができないので、水はけについては大丈夫そうですね。

生徒

そーやん

そうですね。ただ一度菌核病が発生した畑では2〜3年は発生する可能性が高いようなので、ここの畑でも今後も注意が必要ですね。連作をするとさらに発生しやすくなるとも言われているので、連作にならないように計画的にローテーションしていく必要がありますね。
それって農薬とかでまとめて殺菌とかできないんですか?

生徒

そーやん

僕は農薬を使ったことがないので詳しくは説明できないんですが、菌核病にも効く農薬はあるみたいですよ。ただ使いすぎると他の微生物も死んでしまうリスクもあると思いますので、微生物を生かした土作りをするのであれば、頼りすぎない方が良いと思います。農薬はあくまでも対症療法なので、根本的なところも同時に対策していく必要があります。
菌核病の根本的な対策ってどんなことですか?

生徒

そーやん

自然界ではどんな生物にもそれが増えすぎないようにバランスを取ろうとする天敵や拮抗(きっこう)菌といったものが存在するんですよね。できるだけ微生物が豊富な土作りをして、土の中の生態系を複雑にしていくことで、菌核病のカビなどの特定の微生物だけが増えないようにすることが根本的な対策になるんじゃないかと考えています。良質で有機物の豊富な堆肥(たいひ)を使うなどして、微生物が増えやすい土作りをすることが、遠回りなようだけど、長い目で見ると病気対策としても大事になってきます。
そっか〜野菜が病気になってしまって悲しかったですが、微生物の世界のこととか少し知ることができて面白かったです。焦らず時間をかけて対策していこうと思います!

生徒

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