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宅配料金の値上げに直面! ピンチを救った新しい配送方法

連載企画:農業経営のヒント

宅配料金の値上げに直面! ピンチを救った新しい配送方法

個人顧客に宅配で農産物を販売している農家にとって、宅配料金の値上げは大きなリスクになる。顧客に転嫁すれば契約が減る恐れがあり、自分で吸収すれば収益が圧迫されるからだ。神奈川県藤沢市の脱サラ農家、柿田祥誉(かきた・よしたか)さんはその難局を、販売手法を多様化することで乗り切った。

1日売り上げ1000円のマルシェ。そこで手に入れたものとは?

柿田さんは50種類以上の野菜を、農薬や化学肥料を使わない有機農法で育てている。スーパーなどで売っていない、おいしい野菜を積極的に取り入れることで、商品の魅力が高まるよう工夫している。売り上げの半分を個人向けの野菜セットが占め、残りを食品店や飲食店などに販売している。

都内でサラリーマンをしていたとき、妻の悦子(えつこ)さんの勧めで農作業を体験したことが、就農のきっかけになった。農家から畑を借りて無農薬で大豆を育て、味噌(みそ)に加工する市民グループの活動だった。
そこで農業の楽しさを知り、就農したいと思うようになった。いずれ独立して仕事をしたいと考えていたことも背景にあった。問題は生活を成り立たせることができるかどうか。悩む柿田さんの背中を、悦子さんが押した。「いつまでも悩んでいないでやってみなよ。ダメだったらそれでもいいじゃない」

主力商品の野菜セット(写真提供:柿田祥誉)

会社を辞めて農家のもとで1年半研修し、2014年に31歳で就農した。藤沢市で畑を借りたのは、「顧客とつながっていたかった」(柿田さん)からだ。そのためには地方よりも、消費地に近い都市近郊のほうが有利と考えた。
まず知り合いへの販売から始めた。「農業を始めました」と連絡すると、2人を応援するために数人が購入してくれた。新規就農で農協や市場などを通さず、個人向けに直接販売しようとする農家の基本パターンだ。

次に始めたのが、さまざまなマルシェへの積極参加だ。野菜の宅配セットの顧客を増やすのが目的だった。マルシェに出した野菜の袋にホームページのアドレスを書いたシールを貼り、柿田さんの野菜を食べて「おいしい」と思った人が宅配セットを契約してくれるように誘導した。
「たとえマルシェでの1回の売り上げが1000円でも、顧客を1人つかむことができればオーケーと思った」。柿田さんは当時の狙いをこう語る。このあたりは、会社員時代に営業で顧客を増やすために培ったノウハウが生きている。

こうした努力が実を結び、就農から3年たったころに顧客が安定して増え始めた。栽培技術が向上し、野菜の品質が高まったことも追い風になった。現在、野菜セットの販売は週に80~90セットまで増えている。

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