従来の仮設トイレの臭い問題を『アグリレット』で解消
温暖な気候に恵まれて露地野菜の栽培が盛んな三浦半島。近年は首都圏近郊のイチゴ狩りスポットとしても知られています。川名農園は、由梨さんの父がキャベツ栽培のかたわら、約20年前に始めた観光イチゴ農園。5年前から茂さん・由梨さんの若夫婦に栽培と運営が任されています。現在、延べ面積1反8畝(1800㎡)の連棟ハウスを観光用とし、別の場所に直販用の1反(1000㎡)のハウスを有してイチゴ栽培に取り組んでいます。
イチゴ狩りのシーズンは、例年12月末から5月のゴールデンウィーク明けまで。今年は栽培品種を増やして、5品種(紅ほっぺ、あきひめ、やよいひめ、よつぼし、おいCベリー)の食べ放題を実施。茂さん・由梨さんも1~5歳の3人の子育て中ということで、ファミリー目線のおもてなしでリピーターも増えています。
そんな川名農園にもトイレの問題がありました。昨年まで仮設の簡易水洗トイレ2台を設置していましたが、それ自体が悩みの種だったのです。
合成樹脂製の便器は汚れが付着しやすく掃除にも一苦労。地面と建屋には段差があるため、子どもや高齢者には使いにくい設計でした。何よりも頭を悩ませたのは臭い。便槽から臭いが戻ってトイレ室内に充満し、毎週金曜にくみ取りを依頼していましたが、その費用に月2~3万円を負担していました。
「トイレの中から『えーっ』というお客様の声が聞こえてくるんですよ。直接指摘されることはありませんでしたが、私たちもよくわかっていてトイレは我慢しようと思うレベルでした」と、由梨さんは振り返ります。
トイレをなんとかしたいと思っていた由梨さん。インターネットで「臭わない 農地用トイレ」と検索して見つけたのがロンシール機器の『アグリレット』でした。
自然還元型で長期間くみ取りが不要
ロンシール機器の『アグリレット』は、下水道や電気のない場所にも設置でき、長期間くみ取り不要の農地用トイレ。観光農園、市民農園、自家畑や果樹園など、さまざまな農地への導入が増えています。
「実は、農業専門誌で『アグリレット』の記事を見たことがありましたが、その時はまったく興味が沸きませんでした」と話すのは茂さんです。
簡易トイレが臭わないはずがないので、浄化槽式トイレでバリアフリーにしたいと考えていたという茂さんですが、『アグリレット』を導入している同業の観光イチゴ農園を見学してイメージが一変。「実際に見たらきれいで臭わないし、オーナーにも話を聞いて、これならいいと思いました」と話してくれました。
臭いが少ない理由は、自然還元型の仕組みにあります。便槽の排泄物を微生物が分解して液体化し、多孔トレンチに送られて液肥として土壌にじわじわと染み出します。川名農園では、トレンチ上に花壇を作ってお客様の立ち入りを防ぐとともに美観に活用しています。
微生物による分解後、便槽に残った汚泥は一定期間使用した後に業者に依頼して処理しますが、シーズン終了後に一度のみという観光農園もあります。
『アグリレット』を設置して3カ月が経ち、川名農園には約3000人のお客様が来場。トイレを利用するのはそのうち数割ですが、以前と比べて手間とコストの大幅な削減につながったことを実感しているそうです。
『アグリレット』は、大人2人以上で自家施工できるため、導入コストは商品一式37万円(輸送費を除く・税別)のみ。川名農園は子ども3人の育児中のため、東京・神奈川・静岡エリア代理店に施工プラン(有料)を依頼。強風に備えてワイヤー補強も含めて対応してもらいました。
イチゴの味と快適トイレでリピーターを増やしたい
清掃のしやすさとメンテナンス性の良さも『アグリレット』の利点です。
メンテナンスは月1回、消化酵素と消臭酵素を便器から投入。水洗用の水はポリタンクから給水されます。使用後に足踏みポンプを踏むとコップ1杯程度の水(約250cc)が流れ、ポリタンク1つで約70回水洗できます。川名農園では農業用水をタンクにくみ上げて使っています。温暖地ならオフシーズンの未使用期間のメンテナンスはたまに水を流しに行く程度で、そのまま設置しておけます。
「陶器製の便器は汚れにくく掃除も楽になりました。雨天以外は足元の床も掃き掃除だけで済んでいます」と、にこやかに話す由梨さん。
「臭いも安心です。便器の排便口の便皿の上から水封する仕組みで空気を通さないので、便槽からにおいが上ってこないんですよ」と茂さん。
「以前のトイレは私たちも使いたくなくて、母はわざわざ家に帰って用を足していました。『アグリレット』の室内は小さい子どもと一緒に入れる広さがあり、トップライト(天窓)で曇りや雨の日でも室内は明るく、みんなが快適に使ってくれています」と由梨さん。
2台の『アグリレット』のうち1台は女性専用、もう1台は男女兼用。市販の子ども用の補助便座を各トイレに用意するなど、若い女性やファミリーへの配慮も行き届いています。今では「トイレきれいだから入ってきたら」というお客様同士の会話が聞かれるようになりました。
「これからもイチゴづくりを頑張って、お客様に毎年繰り返し来てもらえて、周りにお勧めしてもらえる農園にしていきたいです」と由梨さん。農業に集中できる環境づくりにも『アグリレット』が一役買っているようです。
2019年に『アグリレット』はさらに改良されました。便器のサイズが大きくなり、トイレットペーパーホルダーが2連式になり、その上部は棚としてポケット内の小物を置くのにも便利です。
ますます進化を遂げる『アグリレット』。農地トイレをお探しの方は、ロンシール機器に一度問い合わせてみてはいかがでしょうか。
<取材協力>
川名農園(営業期間:1月から5月)
〒238-0115 神奈川県三浦市初声町高円坊148-3
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ロンシール機器株式会社
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