ちだが窓際菜園を作るワケ
ちだは、2020年6月までの3年間、静岡県伊豆の国市地域おこし協力隊として活動する傍ら、農地を借りて野菜を作り農家を目指して奮闘していました。田んぼを畑にしようと悪戦苦闘したり、せっかく作った野菜をシカやイノシシに食べられたりと大変でしたが、充実した日々――。
が、任期終了間際、急きょ家族の都合で伊豆を離れ東京に住むことに。
後ろ髪をひかれつつ転居し、しばらくは農業や緑と無縁の暮らしになるのかな~とため息をつきつつ、おしゃれなシティーライフも悪くないかもと自分を納得させていたんですが……。
ちだが移り住んだ地域には、意外と周囲に緑や畑があることに気がつきました。安く借りられる市民農園もあります。
え、ちょっとちょっと、意外と「農」に触れる生活できるやん!
と思い、早速市民農園を借りようとしたところ、その当選倍率はかなり高く、申し込みも年に1回(執筆時点からだいぶ先)という驚愕(きょうがく)の事実を突きつけられたのです。
「緑あふれる街を歩くこと」と「自分で緑を育てること」は似て非なるもの。
「植物に触れる癒やし」的なものがないと、ちだは大都会東京の生活が辛い……。
こ、こうなったらベランダで育てるしかない!
が
何この狭さ
こんなところに菜園を作ろうものなら、布団を干す時にぶつかってドンガラガッシャンとなって妻からカミナリが落ちることでしょう。
こ、これではベランダ菜園は無理だ……
そこで白羽の矢が立ったのは「窓際」です。
ここなら植物の栽培に必要な光量と風通しを確保しつつ、生活スペースにあまり影響を与えないと判断し、妻の了承も得られました!
都会だってオシャレな家には植物があると、勝手にイメージしている僕、ちだ。
農や植物に触れることで癒やし効果とオシャレを追求し、生活の幸福度を上げたい。
これが、窓際菜園を作ろうと思ったきっかけです。
窓際菜園のテーマ
窓際菜園のテーマはずばり
「見て楽しい
育ててうれしい
食べておいしい」
です。
なぜなら……
窓際の限られたスペースを使うため、大きな野菜は作れません。
幸い、周囲の直売所で普段使いする野菜はかなり安く新鮮なものが手に入ります。
普通の野菜は買うとして、窓際菜園ではハーブなど「料理の時にたまに使うけど買うほどのものではない」野菜や、多肉植物など「見ていてかわいい、楽しい」ものを栽培します。育ててちょっとお得感を得られる、といううれしさもポイントです。
窓際菜園運営ポリシー
やみくもに育てるというわけにもいきません。当然ながら家は家族の共有空間。というわけで、生活空間を快適に維持するために、守りたいポリシーも設定します。
それは
「土を使わない」
「家が不快にならない」
「ゴミをなるべく出さない」
です。
土を使わない
引っ越してきてから、ゴミの捨て方を確認するとなんと「土は捨てられない」とありました。
産業廃棄物扱いになるので専門の業者さんに処分をお願いしなければならないそうです。
伊豆ではあんだけあった土。
馬ふんをまいたりもみ殻をまいたりした畑の土。
それが東京では産業廃棄物ですって。ガビーン。
僕は自他共に認める面倒くさがりなので、「捨てるのが面倒」と聞くとそれだけでやめたくなります。
なので、窓際菜園では「土を使わない」ことにしました。
土の代わりにヤシガラなど可燃ゴミで処分できるものを使ったり、水耕栽培を用いたりする予定です。
家が不快にならない
農、植物に触れることで幸福度を上げたいという思いから、暮らしの中に農のエッセンスを取り入れるために作る家庭菜園。
そういった観点から
- 虫が来ない
- いい匂いがする
- 見ていて楽しい、かわいい
という方針を持つことにしました。
いい匂いや見て楽しむというのは、そういった植物を選べばいいのでわかりやすいです。
しかし、虫が来ないようにするにはどうしたらいいのでしょう。
そもそも窓際で植物を育てていると虫は来るのでしょうか。
これは、実際にやりながらつまびらかにしていきたいと思います。
ゴミをなるべく出さない
土もそうですが、東京はゴミ出し、特に大型のゴミを出すのが不便です。
伊豆の国市では、どんな大きなゴミでも軽トラックに積んでいつでもゴミ収集所へ持ち込んで無料で処分することができました(戸別収集の場合は有料)。
ところが、東京の僕が住む地域では「自分で持ち込む場合も予約を取って有料で処分」しなければなりません。
なんて面倒。
せっかくオシャレに窓際菜園を楽しむんだから、エコを意識した方が自分の満足感も高まります。
ということで、窓際菜園では「大きなプランターなどは使わない」ことにしました。
捨てやすい素材、再生可能な素材などで作られているプランターや道具を用いる予定です。
窓際に菜園スペースを作るには
方針が決まったところで、いよいよ菜園作りです。
我が家は賃貸マンション。退去時の原状回復は必須です。
今回は「ラブリコ」というブランドの壁や床を傷つけない突っ張り式のアジャスター(調整器具)を使って棚を作り、そこに植物を置くことにしました。
棚を作る前に。窓ガラスにフィルムを貼る
窓際に菜園を作るとなると、カーテンが邪魔になります。
なので、カーテンを取ることにしました。
が、我が家は1階。カーテンしていないと外から丸見え。
農のある生活で幸福度を上げるためとはいえ、スケルトンな生活を送るわけにはいきません。
そこでまず窓に「外から中は見えないけど光は通す」フィルムを貼りました。
棚を作る
続いて、棚を作成します。使った道具、材料はこちら。
ラブリコのアジャスターと棚受け、ツーバイフォー(断面サイズが38×89ミリ)の木材です。
これらの木材はあらかじめホームセンターで希望の長さに切ってもらいました。運搬も貸し出しの軽トラックを使いました。楽々。
あとはこれらを組み合わせていくだけです。
棚ができたら、アジャスターを支柱につけて棚を立て、きちんと突っ張らせます。
これで完成です。シンプルですが、棚ができました。
好きな植物を置く
手持ちの植物を少しですが置いてみます。
あーだこーだポリシーだなんだと考えていた割に、作るのはあっという間です。
棚ができただけでだいぶオシャレに見えます。不思議。
ベランダで家庭菜園が無理なら、窓際菜園だ!
東京への移住をきっかけに始めた窓際菜園。
果たして「ヤシガラ」などの土以外のもので、室内でハーブや多肉植物は育つのか?
畑でしか野菜栽培をしたことのない僕にはとてもチャレンジングです。
果たしてどうなるのか。工夫をしながら窓際菜園を楽しみたいと思います。