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施設園芸の中核施設として。トマト栽培施設が目指す農業復興と雇用就農の促進

施設園芸の中核施設として。トマト栽培施設が目指す農業復興と雇用就農の促進

東日本大震災から9年の歳月が過ぎた2020年5月下旬、福島県楢葉町のトマト養液栽培施設が改修工事を経て、震災後初の栽培がスタートしました。かつて町の施設栽培の中核だったこの施設は『株式会社ナラハプラントファクトリー』として生まれ変わり、この夏初めての収穫期を迎えています。復興に向け、「教育」と「農業」に力を入れる同町の農業振興への取り組みと共に、再び立ち上がった施設の役割、展望をご紹介します。

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既存施設を生かし、トマト施設栽培を再び町の産業へ

福島県楢葉町は東日本大震災における原子力被災12市町村地域の中でも先進的に農業に取り組んでいる地域です。同町では震災からの農業再生に向け、主力作物である水稲栽培に加え、新たにサツマイモ栽培にも力を入れています。

そんな楢葉町ではかつて、トマトの養液栽培事業が民間企業によって営まれていました。ところが、東日本大震災によって施設は甚大な被害を受け、企業は町に施設を譲渡することで撤退を余儀なくされました。

「地震によってハウスのガラスは割れ、設備機器にも被害は及びましたが、修繕は可能でした。施設栽培の中核施設であったこの施設を再び稼働させることで楢葉町の農業復興及び、雇用を創出することができるという考えのもと、町は改修工事に踏み切りました」と、楢葉町産業振興課の新田勇太さんは話します。

栽培施設再開の背景を話す新田さん

同町は公募型プロポーザルを実施し、既存施設を最も活用できるアイデアを募りました。複数の応募があった中から、いわき市の農業法人でトマトの養液栽培を手掛けていた青木浩一さんの企画・提案を選びました。青木さんの養液栽培に関する豊富な知識と経験に裏付けられた栽培、経営、雇用それぞれの計画が明確だったことが選定した理由です。

青木さんの計画の下、『株式会社ナラハプラントファクトリー』として生まれ変わった栽培施設では、2020年5月にトマトの定植を開始。取材に訪れた7月下旬、代表取締役となった青木さんはスタッフを指導しながら、連日に渡って収穫・出荷作業に汗を流していました。

トマト栽培の醍醐味と展望を語る青木さん

「今まで培ってきた養液栽培の技術や知識を生かすことができると共に、楢葉町の農業復興に微力ながらも協力できることを嬉しく思っています。忙しさはしばらく続きますが、これもうれしい悲鳴です」と青木さんは話します。

同社が手がける養液栽培とは、どんな技術なのでしょう。そのメリットや今後の目標についてお聞きしました。

土を使わない養液栽培で、安定収量・出荷を目指す

土を使わず肥料を水に溶かした液(培養液)によって作物を栽培することを「養液栽培」と言います。そのメリットについて青木さんは次のように話します。

「まずあげられるのが、土壌病害や連作障害を回避できることです。次いで、耕起、畝立、土寄せ、施肥、除草などの土耕に必要な作業が省略できることも大きなメリットです」。

『株式会社ナラハプラントファクトリー』の養液栽培施設では給液や施肥管理が自動化され、大規模なトマト栽培が行われています。

「14名いるスタッフの中には未経験者も多く活躍しています。作業に慣れるまでは大変な面もありますが、最新鋭の設備を町が整備してくれたおかげで、日々やりがいを持って働くことができています」と話す青木さん。「養液栽培と言っても太陽光は生育する上で必要不可欠です」。
ガラスハウスの屋根からは太陽光がさんさんと降り注ぎ、トマトの成長を促しています。こうして安定した収量・品質を確保できるトマトの養液栽培は、市場価格が安定しているのも大きな特徴です。

施設で収穫されたトマトは、甘みが強く絶品

施設の改修工事の完了がずれ込んだため、5月の定植となった今年は、「夏越し栽培」からのスタートになります。この作型には、青木さん自身も初めて取り組むとのこと。今後は経営の安定化を図ることを第一の目標とし、ジュースや缶詰など6次産業化も視野に入れていく方針です。

楢葉町における新規就農者への支援体制

避難指示解除を受け、町民の帰還が進み、楢葉町に再び活気が戻りつつあります。しかし、町の基幹産業である農業をさらに活性化させるためには、新規就農者や後継者の育成が急務です。同町では『ナラハプラントファクトリー』をはじめとした農業法人や生産者が雇用就農者や研修生の受け皿になることを想定し、独立就農に向けた支援制度の整備に取り組んでいます。

「現在、楢葉町では水稲栽培を中心にかつての農業のかたちを取り戻すべく、行政と民間、生産者が一丸となって取り組んでいます。その一つが楢葉町独自の新規就農者支援制度です。住宅支援をはじめ、独立就農に向けた補助金などの支援を2020年9月頃に整備する予定です」と、新田さんは話してくれました。

町内では、営農を再開した生産者もいれば、離農した人もいます。しかし、新たな担い手に大切な農地を託し、耕作してもらいたい。ふるさとの田園風景を再びこの目で見たいという町民は多く、担い手の育成が待ち望まれています。

「浜通りは日照時間が長く、さまざまな作物に適した土地です。やや南部に位置する楢葉町は温暖な気候に恵まれており、美味しい農作物が育まれる条件が揃っています。農業を志す方にとって、ぴったりな土地と言えるのではないでしょうか」と、青木さんは太鼓判を押します。
豊かな自然があり、恵まれた気候を味方に、支援制度を整備することでさらなる農業復興を目指す楢葉町。農業を志す若者にとって理想郷となることでしょう。

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【取材協力】
株式会社ナラハプラントファクトリー
〒979-0606
福島県双葉郡楢葉町大字上繁岡字中原17-2
TEL:0240-23-5903
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【就農に関する問い合わせ先はこちら】
楢葉町役場 産業振興課農政係
〒979-0696
福島県双葉郡楢葉町大字北田字鐘突堂5-6
TEL:0240-23-6104
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応募期間・応募方法

2020年11月1日~2021年2月28日

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