冬の間ずっと収穫できる西洋キャベツ「カーボロネロ」の魅力

マイナビ農業TOP > 生産技術 > 冬の間ずっと収穫できる西洋キャベツ「カーボロネロ」の魅力

冬の間ずっと収穫できる西洋キャベツ「カーボロネロ」の魅力

連載企画:育てるならレア野菜

冬の間ずっと収穫できる西洋キャベツ「カーボロネロ」の魅力
最終更新日:2020年09月01日

見た目はケールに似ていて結球しない西洋キャベツ「カーボロネロ」。普通のキャベツと違い1回収穫して終わりではなく、冬の間次々に成長してくる葉を何度も楽しむことができます。今回は、スペースが限られている家庭菜園にもおすすめのカーボロネロの魅力にせまってみたいと思います。

西洋野菜をはじめ珍しい野菜を年間約140種類、19年間で350種類以上栽培し、それらを直接レストランへ販売しているタケイファーム代表、武井敏信(たけい・としのぶ)が、レア野菜の魅力や育て方のコツを余すところなく紹介します。

カーボロネロとは?

カーボロネロは別名「黒キャベツ」と呼ばれる結球しないキャベツです。イタリアのトスカーナ地方が原産で、日本ではまだ一般的な野菜ではなく、百貨店の西洋野菜のコーナーやマルシェなど、限られたところでしか見られません。
見た目はケールのようで、株元から葉が何本も生えてきます。その葉はサボイキャベツのように表面の凹凸があり、黒っぽい濃緑色をしています。
葉は硬く生食向きではありませんので、どちらかというと煮込み料理や炒め物、パスタに加えるなどの加熱調理に適しています。

カーボロネロ

結球しないキャベツ「カーボロネロ」

カーボロネロのおすすめの食べ方

調理のポイントは加熱して使う

カーボロネロの葉の中央に入る葉脈は太くて硬いので、炒め物などにする際は葉の部分と切り分け、葉脈はみじん切りにすると食べやすくなります。
おいしくなる火の入れ方ですが、カーボロネロはしっかり火を通した方が良いとされています。クタクタになるまで火を入れると甘みとコクが溶け出します。

野菜の味は火の入れ方で全く変わります。
私が食べ歩きを始めた10年ほど前は、野菜の絶妙な火入れ加減は「野菜本来の食感が残っている程度が良い」と思っていました。都内のレストランで付け合わせに出てきたインゲンが、さっとボイルされただけで生に近い食感だったのです。とれたての野菜を食べているような衝撃を受けました。当時は「なるほど、これがプロの料理なんだ」と思ったものです。火を入れることで野菜の鮮やかな色を出すという理由もあることがわかりました。
しかし、カーボロネロのおいしい食べ方を知ってからはいろいろな食感や味を楽しむようになり、最近では他の野菜もクタクタになるまで火を入れた方がおいしいと思っています。

中央に入る葉脈は少し硬め

加熱することによって色が引き立つ

カーボロネロは1枚の細長い葉で、どこを使っても色の違いはなく、火が入ると濃緑色がさらにはっきりして、料理に使う際に色の統一感が出ます。

下の写真は、カーボロネロとタコのトマトパスタです。フライパンにオリーブオイルを引き、ニンニクとトウガラシを弱火で炒め、トマト缶、タコを加えて煮詰めてソースを作ります。ポイントは、一口大に切ったカーボロネロをパスタと一緒にボイルし、クタクタになるまで火を入れ最後にソースと絡めることです。

カーボロネロとタコのトマトパスタ

加熱することによって色が引き立つ

また、下の写真のスープは野菜と鶏肉を煮込んで塩のみで味付けしたものです。鶏肉が軟らかくなるまで1時間ほど煮込んでいます。使用している野菜は、濃い色のキャベツはカーボロネロ、黄色のキャベツはサボイキャベツの内側の葉、その他、ネギとニンジン。1時間煮込んでも存在感が残るのがカーボロネロの良いところです。

カーボロネロを煮込んだスープ

煮込んでも煮崩れしにくいカーボロネロ

シェフが求める理由

レストランではパスタや煮込み料理に使われているカーボロネロ。具材を包んで煮込むことも多いのですが、料理によっては、キャベツの葉に比べて細長いカーボロネロの葉が使いやすい時もあるそうです。知り合いのフランス料理のシェフは「煮込んだり炒めたりするのは普通でつまらないので、揚げてチップスにして立てて飾りとして使います」と話してくれました。カーボロネロの畑から生えている姿を再現しているそうです。

カーボロネロのチップス

カーボロネロのチップス

ひと冬楽しめるカーボロネロの栽培とアドバイス

カーボロネロは冬の野菜でホウレンソウに負けないくらい耐寒性に優れています。冬の寒さにあたると肉厚の葉も甘みが増し、寒くなればなるほどおいしくなります。
栽培の仕方は、同じキャベツの仲間のブロッコリーをイメージするとよいでしょう。普通のキャベツは一度収獲してしまうと終了してしまいますが、ブロッコリーは次から次へとわき芽が収獲できますので長い間楽しめます。カーボロネロも同じなのです。

関連記事
ブロッコリーの栽培方法 人気のスティックブロッコリーも栽培できる!
ブロッコリーの栽培方法 人気のスティックブロッコリーも栽培できる!
鮮やかな緑色で食卓に彩りを添えてくれるブロッコリー。食べる部分は「花蕾(からい)」と呼ばれるつぼみが集まった部分であり、他の野菜にはない独特の食感があります。カロテン、鉄分、葉酸などの栄養が豊富で、特にビタミンCの含有量…

種は日本の種苗メーカーからも販売されており、ホームセンターやオンラインショップで手軽に入手可能です。最近では苗も見かけるようになりましたので、苗の植え付けからの栽培も可能です。
種から育てる場合は7月中旬から8月中旬に種まきを終え、苗から育てる場合は9月中旬までには株間50センチで植え付けが終わるようにします。植え付け時期は台風のシーズンですので、植え付けたばかりの苗が風にやられないように注意してください。結球野菜ではありませんので、多少の植え遅れも気にしなくて大丈夫です。

カーボロネロの畑に防鳥ネットを張って風対策をしている

防鳥ネットで風対策

無事に苗が根付いてしまえば成功したも同然です。しかし、アブラナ科の野菜ですのでアオムシに食害されやすく注意が必要です。次から次へと葉が成長してきますのでキャベツほど深刻な被害にはなりませんが、見つけたら足で踏み潰すなど、駆除することは忘れずに。

長く収穫して楽しむコツ

タケイファームでは冬の間ずっとカーボロネロを出荷し続けています。
11月頃から収穫が始まります。大きくなりすぎると硬くなりますので、早めに収穫しましょう。私は30センチほどの長さで根元から切り取ります。
ここでのポイントは、「1株につき葉は10枚ほど残す」ということです。カーボロネロのように切り取って収穫する野菜(パセリなども)は、次々に葉を収穫してしまうと光合成ができなくなり株自体が弱くなってしまいます。

気温が低くなると成長は鈍くなりますが、長さ10センチほどで収穫しても十分料理には使えます。2月中旬になると、葉と茎の間からわき芽が生えてきます。実はこのわき芽がおいしく、形もカッコいいので、レストランでは、さっとボイルしたり、ソテーして付け合わせなどに使っています。

カーボロネロのわき芽

ちなみにタケイファームでの販売価格ですが、11月のとれ始めは30センチサイズ1枚100円、真冬の成長が鈍い時期は10センチサイズ1枚50円、わき芽は1つ60円です。

まとめ

栽培のスタートはブロッコリーとほぼ同じ。11月から細長い葉の収穫を楽しみ、寒さが厳しくなる真冬は小さな葉を収穫する。春が近づくとわき芽がとれ、別の楽しみ方もできるカーボロネロ。広いスペースも必要とせず、冬の野菜の少ない時期に重宝するのでチャレンジしてみてください。

関連記事
シェフご用達の高級野菜、サボイキャベツ栽培でその魅力を食卓に!
シェフご用達の高級野菜、サボイキャベツ栽培でその魅力を食卓に!
縮れた肉厚の葉が何とも美しいフランスのキャベツ、「サボイキャベツ」。高級レストランで提供されるその味、食べてみたかったら自分で育ててしまいましょう! 西洋野菜をはじめ珍しい野菜を年間約140種類、19年間で350種類以上栽培し…
キャベツの栽培方法 ずっしり重たい!よく詰まったおいしいキャベツを育てる方法
キャベツの栽培方法 ずっしり重たい!よく詰まったおいしいキャベツを育てる方法
トンカツの付け合わせに、ロールキャベツに、もつ鍋に……さまざまな料理に大活躍するキャベツ。家庭菜園で育てれば、冬にじっくりと大きくなった“寒玉キャベツ”の強い甘みにびっくりするでしょう。また、春のやわらかな“早生(わせ)キャ…

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

カテゴリー一覧