ハーブ業界をけん引するビジネスは小さな農場からスタート
吉岡さんが社長を務め、ハーブの栽培を手がけている会社はポタジェガーデン(埼玉県久喜市)。設立は1987年。埼玉県久喜市と羽生市、長野県小諸市、千葉県南房総市で合計で20ヘクタール強の自社農場を運営しているほか、契約農家からもハーブを仕入れている。バジルやミント、ローズマリーなど100種類以上のハーブを扱い、売上高は年間で6億円に達している。
ハーブには、カメラマンの仕事を通して出会った。料理の撮影をしたことをきっかけに、食材の野菜も撮影し始め、海外の食品などを扱う高級スーパーに行って西洋野菜やハーブに注目。千葉県の農場に撮影に行き、栽培中のハーブに接したことで、その魅力のとりこになっていった。
「はじめは農業をやる気はまったくなく、ハーブの魅力をどうやって人々に伝えるかを考えていた」。ポタジェガーデンを立ち上げた経緯について、こう振り返る。吉岡さんにとって、ハーブは欧州文化の象徴。その販売に携わることで、ハーブを暮らしに取り入れることを提案したいと考えた。

ポタジェガーデンが提案するハーブを使った料理。ローズマリーと野菜の炒めもの(左)とディルとサーモンのマリネ