地下茎雑草再生力のヒミツ! 弱らせる2つのポイント【畑は小さな大自然vol.90】

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地下茎雑草再生力のヒミツ! 弱らせる2つのポイント【畑は小さな大自然vol.90】

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地下茎雑草再生力のヒミツ! 弱らせる2つのポイント【畑は小さな大自然vol.90】
最終更新日:2020年09月09日

こんにちは、暮らしの畑屋そーやんです。畑の雑草で困っている人は大変多いと思いますが、その中でも特に厄介なのがヨモギ、チガヤ、スギナ、ハマスゲ、ドクダミなどの地下茎雑草です。これらの雑草は地下茎と呼ばれる茎を地中に張り巡らせることで、地上部を刈り取ってもまたすぐに再生してしまいます。そのため対策としては地下茎を根こそぎ掘り出すという作業が伴うのですが、これが本当に重労働ですよね。そこで今回は地下茎を根こそぎ取らなくても、地下茎雑草が自然と生えなくなっていく対策方法をご紹介します。地下茎雑草のあの無尽蔵に思える再生力の理由を知っているとその対策方法が見えてきます。ぜひ試してみてください。

地下茎雑草はなぜ厄介なのか

1)ハマスゲ

地下茎雑草のハマスゲ。夏時期は驚異の再生力を見せる

地下茎雑草とは地下茎と呼ばれる茎を地中に張り巡らせ、そこから根をはり、芽を出して繁殖する植物です。例えばヨモギ、チガヤ、スギナ、ハマスゲ、ドクダミ、シロツメクサなどがこれに当たります。冬には地上部が枯れていく植物が多いですが、この地下茎が土の中に残っていることで、春になるとまた地下茎から芽を出して再生していく多年生の植物です。

2)スギナ

地下茎雑草のスギナ

この地下茎雑草は、草刈り・草取りをする際に地上部だけを抜いたり刈ったりしても、地下茎が地中に残っていればまたすぐに再生してしまいます。耕して地下茎を細かく切断したとしても、分かれた地下茎それぞれが発芽してしまい、余計に数を増やしてしまうこともあり、非常に嫌われている雑草たちです。

そのため一般的にはこの地下茎を一つ残さず取り除くか、地下茎ごと枯らすタイプの除草剤をかけるだけことが対策法のように思われています。しかし地下茎を一つ残らず掘り起こすのは大変な重労働ですし、除草剤をかけるのも畑の中だと難しいでしょう。そこで今回は地下茎雑草の仕組みをより詳しく知ることで、その2つとはまた別の方法の地下茎雑草の対策をご紹介していきます。

地下茎雑草の再生力のヒミツ

3)ヨモギの地下茎

ヨモギの地下茎。ここにデンプンを蓄えている

地下茎雑草の再生力には驚かされますが、この再生力のヒミツはどこにあるのでしょうか。地下茎がなぜ再生できるかというと、そこにデンプンとして養分を蓄えているからだと言われています。例えば料理などで使われるデンプンにカタクリ粉やクズ粉などがありますが、これらは地下茎植物であるカタクリやクズの地下茎から取れるデンプンです。ジャガイモも同じように地下茎植物の仲間なので、ジャガイモの芋の部分は実は地下茎であり、デンプンを蓄える部位として発達したものになります。このように地下茎植物は地下茎にデンプンをたくさん蓄えているからこそ、その養分を使うことで地下茎だけでも生き続け再生することができるのです。

地下茎雑草の再生力を減らす方法

地下茎雑草は地下茎にデンプンを蓄えているからこそ再生することが分かりました。逆に考えると地下茎にデンプンを蓄えさせなければ、地下茎の再生力は落ちるということになります。地下茎植物はどうやってデンプンを作っているかというと、光合成をすることによって日の光、水分、二酸化炭素を使ってデンプンを作り出しています。そのため光合成をさせなければデンプンを作れず、地下茎雑草の再生力は落ちていきます。光合成をさせない方法としては主に以下の2つを合わせて行っていく必要があります。

①地上部の葉を刈る
②マルチングを行う

①地上部の葉を刈る

地上部の葉を刈り取ってしまえば光合成はできないので、地下茎にデンプンがたまるのを防ぐことができます。ただしこれだけですと、地下茎はまたすぐに再生してしまいます。むしろ他の一年生雑草が芽吹く前に、地下茎雑草だけが再生して数を増やしてしまうことさえあります。そこで②の方法を合わせて行うことが大切になります。

②マルチングを行う

4)雑草マルチ

刈った雑草を厚さ5センチくらいに、土が見えなくなるように被せておくだけでもだいぶ生えなくなります。隙間(すきま)から生えてきたらまた刈って敷く、を繰り返すことで、自然と生えなくなっていきます

地下茎雑草の地上部を全て刈り取った後に、雑草や稲わら、腐葉土、ビニールフィルム、もみ殻などなんでもよいですが、土が裸にならないようにマルチングを行います。これをすることによって、発芽してきた地下茎雑草の芽に光が当たらないようにします。そうしておくと驚くほど地下茎雑草の再生力は落ちていきます。

以上2つの方法を同時に行います。もしまた生えてもすぐに刈って、マルチングを繰り返していくことで次第に地下茎雑草が減っていき、生えなくなっていきます。

地下茎雑草が生えていてほしい場所もある

5)土手の草刈り 地下茎雑草
厄介な地下茎雑草ですが、実は役に立つ時もあり、あえて地下茎雑草が繁茂するように管理されている場所があります。それは畑や田んぼのあぜや土手です。あぜや土手では地下茎雑草のみを群生させることで、地下茎の網目が地下に張り巡らされ、土手崩れを防ぐことができます。そのためあぜや土手は地上部を頻繁に、そしてきれいに刈り取ることで、優先的に再生力の強い地下茎雑草が生えるようにし、そのあとの葉を取り除いたり焼いたりして地面に光が当たるようにすることで、地下茎雑草だけが繁茂し続けるように管理されています。これがきれいに刈り取ることをしていないと、地上部に光が当たらなくなり、他の雑草も生えるようになりますし、刈った草を取り除かずに放置していても、そこには地下茎雑草が生えなくなってしまいます。また地下茎雑草の手入れが大変だからといって、地下茎ごと枯らす除草剤を無闇にあぜや土手にかけていると、あぜや土手が大雨の時に崩れやすくなってしまうので注意が必要です。

仕組みを知って効率よく対策を

地下茎雑草に対して無闇に対処していると、むしろ逆に増やしてしまったり、無駄な労力を費やしてしまうことがあります。その再生力の仕組みを理解した上で、ポイントを押さえて対処することで、より早く効率的に地下茎雑草を抑えることができると思いますので、ぜひ今回の記事を参考に試してみてください。

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