山積する「検査・検品」の課題
ロボット技術やAI、ITなどの先端技術を活用し、省力化を可能にする「スマート農業」。しかし、複雑な形状かつ軟弱な青果物の「検査・検品」の自動化は難しく、いまだ人の手が多くかかっているのが現状です。
その背景にあるのが従来型ロボットの汎用性の乏しさです。「検査・検品分野において、人の目は超えられない」。そんな常識を覆すのが、選別・包装・加工設備の国内トップシェアを誇るシブヤ精機(株)の「AI×ロボット×ICT」によるソリューション技術です。
次世代型外観センサーと内部品質センサーで傷や病害、機能性成分を検知
従来の画像解析による選果は、周囲に対して明確な色差や傷害特有の色を持つ箇所、傷害部の面積、個数などを設定値と比較して選別を行います。そのため「腐れ」の原因となるわずかな傷や変色の検知、病傷害の種類の特定は困難でした。そうした課題を払拭するのが、人の知能を持った次世代型外観センサー『AIビジョンⅢ-DNN』です。検査要求にあわせて多様なAIアルゴリズムを選択し、複数のAIモデルを並列に動作。異なる視点・目、思考を組み合わせた独自開発のAIエンジンが、1秒あたり10個という処理スピードを可能にしました。
従来のルールベースとAI処理を統合した判定システムのほか、内部品質センサーによって、傷害や糖度の測定はもちろん、ビタミン群などの機能性成分も検出することができます。2020年秋に実用化される『AIビジョンⅢ-DNN』は、青果物の選別のみならず、食品加工・検査の分野からも注目を集めています。

粒が重なるブドウや、密集した状態の果実も検出が可能
人の五感に準拠したロボット開発への挑戦
更に同社では農業関連システムで培ったノウハウと蓄積されたデータを生かし、市場ニーズに即した取り組みを行っています。その一つが、人間の感性に準拠したロボット開発。省人化に加え、消費者が求めるパッケージ仕様、梱包技術をロボットに付加することで、多様化するニーズや時代性に対応する研究が進められています。
こうした技術は生産から加工、更には流通分野に至るまで展開が可能であり、青果物の少量多品種、フードロス問題への貢献も期待されます。
農産物から食品まで、生産現場にイノベーションを引き起こすシブヤ精機(株)の挑戦は、私たちの食をより豊かに価値あるものへと昇華させることでしょう。

稼働ロボットにより、リンゴのパック詰め作業を自動化
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