青汁にカフェインは含まれているの?
カフェインは、植物に含まれる天然の有機化合物(アルカロイド)の一種で、特にコーヒー豆、カカオ豆、お茶の葉などに多く含まれる成分です。
青汁には主な原材料としてケール、大麦若葉、桑の葉、明日葉などが使われ、その他にもほうれん草、小松菜などの野菜のほか、果物が使われている青汁もあります。しかし、カフェインを多く含む原材料は抹茶やせん茶以外、ほとんどの青汁で使用されていません。そのため、青汁にはカフェインが含まれていないか、含まれていても健康に影響を与えないほどの量しか含まれていないといえるでしょう。
通常、食品に含まれるカフェインの量は、原材料名と成分の表示を見ることで把握できます。しかし、多くの青汁にカフェインは含まれていないか、成分表示として示すほどの量が含まれていないため、多くの青汁でカフェインの量は表示されていません。
カフェインを含んだ青汁を避けた方がいい人
カフェインを避けた方がいい人と1日に摂ってもいい上限の量
内閣府の食品安全委員会は、カフェインを摂るうえで注意が必要な人をあげ、1日あたりの上限量について、WHO(世界保健機構)や他国の保健機関の基準を公表しています。それによると、注意が必要な人は妊婦や子どもですが、健康な成人であっても量が多すぎると注意が必要として、許容できる上限の量を以下の表のとおり明示しています。
なお、日本において、現在(2020年11月時点)では、カフェインを摂っても問題のない明確な上限量は定められていません。また、国によっても上限量は統一されておらず、個人差もあるため、以下の上限量を超えることで、すべての人に問題が起きるわけではないと認識しておきましょう。
健康に影響しない上限量/日 | 基準を提唱している機関名 | |
---|---|---|
妊婦 | 300mg | WHO、オーストリア保健・食品安全局 |
200mg | 英国食品基準庁 | |
300mg | カナダ保健省 | |
子ども | 体重1Kg あたり2.5mg | |
(4-6歳 45mg) | ||
(7-9歳 62.5mg) | ||
(10-12歳 85mg) | ||
健康な成人 | 400mg |
*上記以外にも、ドイツ連邦リスク評価研究所、フィンランド食品安全局、米国疾病管理予防センターなど多数の国や国際機関が、同一の基準ではありませんが、いずれも似た内容でカフェインを過剰に摂ることについて注意を発しています。
カフェインを過剰に摂るのを控えた方がいい理由
カフェインを多量に摂ると中枢神経系を刺激して、「めまい」「心拍数の増加」「過剰な興奮・不安・震え」「不眠」などが生じる可能性や、消化管系を刺激し「下痢」「吐き気」を引き起こす可能性も考えられます。
妊婦に関しては、WHOはカフェインを摂りすぎるリスクを次のように述べて、1日あたりの上限量を制限することをすすめています。
- 妊娠中にカフェインを摂ると血液からのカフェインの消失(クリアランス)が著しく減速する。
- カフェインを過剰に摂ると、胎児の成長遅延や新生児の低体重、早産、死産と関連する可能性があると示唆されている。
- 妊婦が、1日に摂るカフェインの量が300mgを超えると、流産や新生児の低体重のリスクが生じるため、カフェインの摂取量を制限することが推奨される。
一方、カフェインは健康に影響を及ぼすだけでなく、適正、または少量であれば、中枢神経を興奮させることから脳の働きを良くする、目を覚ませて体を活性化(疲労の軽減や抑制)する働きがあるといわれています。
カフェインを多く含む食品に含まれる量とカフェインを摂るときの注意点
食品名 | 100mlあたりのカフェイン量 | 備考 |
---|---|---|
コーヒー | 約60mg | |
紅茶 | 約30mg | |
せん茶 | 約20mg | |
ほうじ茶 | 約20mg | |
ウーロン茶 | 約20mg | |
玄米茶 | 約10mg | |
ココア | 約9mg/100g | |
チョコレート | 平均61mg/100g | 製品によって0-180mg |
コーラ | 約10mg | |
抹茶(玉露) | 160mg | |
せん茶 | 20mg | |
エナジードリンク、眠気覚まし用飲料(清涼飲料水) | 32~300mg | 製品によってカフェイン濃度、内容量が異なる |
*カフェインの量は、コーヒーやココアの粉末の量、茶葉の量、熱湯の量、煮出し時間などによって変動します。おおよその量として捉えてください。
原材料として抹茶やせん茶が入っているカフェインを含む青汁や、上記のカフェインを多く含む食品を飲む、または食べるときの注意点が2つあります。1つは、1日の上限の量を超えないように注意すること、もう1つは、1日の上限の量の範囲内であっても、短時間に一気に摂らないようにすることが重要です。
カフェインを含む青汁の特徴
青汁のカフェインの有無については、どのメーカーも明確に訴求していませんが、カフェインを含む抹茶やせん茶などが原材料として作られている青汁は、おいしく飲みやすい傾向があります。
甘味のある果物や野菜を原材料に加えて、飲みやすさやおいしさを訴求している青汁もあります。メーカーが発表している成分表示を確認すると記載されています。ただし、カフェインには表示義務がないため、含まれていても明記されていない場合もあります。不安な方はノンカフェインのものや、はっきりとカフェイン量が示されているものを選ぶとよいでしょう。
カフェインが少ない/ノンカフェインの青汁4選
商品名 | カフェイン含有量(1包あたり) |
---|---|
ていねい通販/boco to deco | 含まれていない |
グランデ/ドクターベジフル青汁 | 含まれていない |
大正製薬/ヘルスマネージ乳酸菌青汁 | 1mg |
大正製薬/ヘルスマネージ大麦若葉青汁 <難消化性デキストリン> |
10mg |
boco to deco/ボコとデコ(ていねい通販)
「boco to deco」は、原材料がオーガニックの有機明日葉粉末と、さつまいもでんぷんのみというシンプルな青汁です。カフェインを含む抹茶やせん茶などの原材料も使用しておらず、製品ホームページにもノンカフェインの記載があります。そのため、小さなお子様からお年寄りの方まで、幅広い世代におすすめできます。
この青汁の特徴は、通常廃棄されてしまう明日葉の根までまるごと使用していることです。ポリフェノール量は葉の約2倍など、実は体にうれしい成分がたっぷり含まれています。
ドクターベジフル青汁(グランデ)
この青汁に関する成分表示を、メーカーは公式ホームページで公表していません。メーカー問合せをしたところ、カフェインは含まれていませんでした。
原材料は、青汁の主原料の大麦若葉、ケール、桑の葉を使用。そのほか、国内(九州)の契約農家が栽培する21種類もの野菜を原材料にしていることが大きな特徴です。
野菜は緑黄色野菜や淡色野菜など、さまざまな種類をバランスよく食べることが理想です。その点、この青汁で多くの種類の野菜の栄養成分を取れるのが魅力といえます。
ヘルスマネージ乳酸菌青汁(大正製薬)
「ヘルスマネージ大麦若葉青汁<難消化性デキストリン>」と同じ大正製薬の青汁で、同様に成分表示にカフェインの記載はありません。メーカー問合せをしたところ、1包あたり1mgのカフェインが含まれるとのことでした。
この青汁の大きな特徴は、1杯で3種類の乳酸菌200億個が含まれている点や、独自の製法で大麦若葉をまるごと摂ることができる点です。食生活が乱れがちな方や、普段野菜を食べる量が少ない方の栄養補給におすすめの青汁です。
大正製薬「ヘルスマネージ乳酸菌青汁」の詳細について詳しくはこちら
ヘルスマネージ大麦若葉青汁<難消化性デキストリン>(大正製薬)
メーカーの公式ホームページで、青汁の成分表示が公開されていますが、カフェインの記載はありません。メーカー問合せをしたところ、1包あたり10mgのカフェインが含まれるとのことでした。栄養の補給を助ける青汁ですが、継続できないと飲むメリットは大きく得られません。そのため、抹茶を配合し飲みやすさに配慮した結果と考えられます。
また、この青汁は農薬不使用の有機大麦若葉がベースになっており、ビタミンやミネラル、食物繊維が豊富に含まれています。また、糖の吸収を抑える成分が含まれて特定保健用食品(トクホ)に指定されていることが大きな特徴です。
大正製薬「ヘルスマネージ大麦若葉青汁<難消化性デキストリン>」について詳しくはこちら
青汁に含まれるカフェインの量は微量!
青汁は、カフェインが含まれていない製品と、カフェインを含む製品がありますが、カフェインを含んでいたとしても、健康に影響を与えないほどの量しか含まれていないと考えられます。
ただし、妊婦や子どもの場合はカフェインの含まれている青汁には注意し、ノンカフェインの青汁を選ぶと良いでしょう。
また、青汁が飲みにくい場合コーヒーやお茶を少し減らし、カフェインはわずかに含まれますが飲みやすい、抹茶などが配合されている青汁を飲むことをおすすめします。