収穫の作業効率を最大化! 品質を落とさないタケイファームの7つ道具を紹介

マイナビ農業TOP > 生産技術 > 収穫の作業効率を最大化! 品質を落とさないタケイファームの7つ道具を紹介

収穫の作業効率を最大化! 品質を落とさないタケイファームの7つ道具を紹介

収穫の作業効率を最大化! 品質を落とさないタケイファームの7つ道具を紹介
最終更新日:2020年12月03日

農業を始めて一度の営業もせずに、現在は栽培した野菜の95%をレストランへ直接販売しているタケイファーム代表、武井敏信(たけい・としのぶ)です。このシリーズでは売り上げを伸ばすためのちょっとした工夫をお伝えします。

種選びから収穫、そして販売するまで、農業は全ての作業が連動しています。中でも収穫は売り上げに直結する重要な作業です。しかし、注意していても「一生懸命に育てた野菜が梱包する時にしおれてしまった」なんて経験はありませんか? 今回は、回避するための収穫7つ道具とその使い方を伝授します。

武井流、収穫作業の考え方

「武井さんの野菜は鮮度が違う、見ればすぐに武井さんの野菜とわかる」
私の野菜を買うシェフたちは皆そう言います。つまり、タケイファームの野菜の品質とブランド力を支える大きな柱の一つが「新鮮さ」なのです。
しかし、どんなにとれたてでも、しおれてしまい元気がなければ新鮮な野菜には見えません。さらに、収穫した野菜を傷つけて品質を落としてしまうことなどはよくあることです。収穫作業は、野菜作りの中で一番楽しい作業という人もいますが、私にとっては一番プレッシャーを感じる作業です。品質を落としてしまうということは、タケイファームのブランド力も落としてしまいます。時間をかけて栽培した野菜の結果がここで出てきますので、一切手を抜くことはできません。カボチャなど貯蔵することでおいしさがアップする野菜もありますが、一般的には、収穫した時点から劣化が始まりますので収穫作業はスピードも重要です。
その重要な収穫作業を効率化するために、試行錯誤を繰り返し、工夫を重ねてきました。そこで今回は私が選び抜いた、普段使っている7つの収穫道具を紹介します。

7つ道具紹介

1. コンテナ代わり「衣装ケース」

鮮度と品質の低下を防ぐには、水分の蒸発を防ぐことと野菜の呼吸を抑えることが重要です。昔から収穫した野菜を入れるものとして使われているのはコンテナ。もちろん多くのメリットがあると思いますが、その特徴である「網目」に弱点が2つあることに気付きました。

弱点1:網目から、風が入るため、水分が蒸発してしまう。
弱点2:品目によってはコンテナの網目の痕がついてしまう。(たとえばカブなど)

そこで私はプラスチックの衣装ケースに目をつけました。衣装ケースは、ふたをすることで、風もあたらず水分の蒸発を軽減させ、呼吸を抑えることができます。そして網目はありませんので痕もつきません。また、コンテナ同様ふたをすることで重ねることもできます。

衣装ケース

衣装ケースに入れて鮮度を保持

2. 朝露の代わり「霧吹き」

葉物野菜の中には収穫する時に葉と葉が絡んでしまうものがあります。中でもカブを収穫する時は、絡まってしまい葉が切れて品質の低下につながります。そこで霧吹きの登場です。収穫する前に数回スプレーすれば、葉がぬれて滑りますのでストレスなく収穫ができます。朝露にぬれた葉物を収穫するイメージです。

霧吹き

葉にスプレーして絡まりを防止

また、基本的に根菜類は洗いませんので、ニンジンを選別する時、葉にスプレーすることでケースから取り出しやすくなります。

3. 使い道はたくさん「新聞紙」

毎日配達されている新聞ではとても足りませんので、新聞紙を新聞屋さんからもらっています。新聞屋さんには予備の在庫がありますので、契約時に欲しい旨を伝えておくと月末に持ってきてくれます。
新聞紙の使い道はたくさんあります。
・収穫した野菜を衣装ケースに入れ、新聞紙をかぶせて霧吹きでスプレーし新聞紙を湿らせます。ふたをすれば、保湿され鮮度が落ちにくくなります。
・その他、カゴの下に敷き、野菜を汚さないようにします。
・ケースに数種類の野菜を入れた場合の仕切りになります。
・キズが付きやすいものなどはクシャクシャに丸めてクッション代わりにします。

新聞紙を湿らせる

新聞紙を湿らせ水分蒸発を防ぐ

4. しおれるのを防ぐ「バケツ」

急激に消耗しやすい葉物に対応するため、バケツを使います。今の時期はナスタチウムの葉。
収穫したナスタチウムの葉を水が入ったバケツの中に入れます。
季節や温度、収穫する野菜によって水の中に入れておける時間は変わりますが、これによって葉がしおれるのを防ぎます。

バケツに水を張って収穫

水を張ったバケツにナスタチウムを入れる

5. 軽くて収納もラク「買い物カゴ」

果菜類やカーボロネロなど切って収穫する野菜は、スーパーで使用しているような買い物カゴを使います。軽くて、量も入るのでとても便利ですが、野菜にキズが付かないように新聞紙を敷くことは忘れてはいけません。同じタイプのものを使えば重ねることもできるので収納も場所をとりません。

買い物カゴ

軽くて量も入る買い物カゴ

6. 切れ味が大事「収穫ハサミ」

収穫ハサミは誰もが使う道具です。問題は切れ味。切れなくなるとストレスにもつながりますし、切り口が潰れたりして品質を落としかねません。ホームセンターでも手軽に購入できるので、今までは消耗品と考え切れなくなったら買い替えていましたが、今は切れ味抜群の収穫ハサミを使っています。

収穫ハサミ

収穫ハサミ

7. 使うなら収穫用を「包丁」

キャベツやブロッコリーなど包丁も収穫には欠かすことができません。包丁もいろいろ試してきましたが、現在使っているのは野菜収穫包丁先細タイプ。形状がとても考えられていて、押して切るキャベツやブロッコリーには最適です。

野菜収穫包丁先細タイプ

野菜収穫包丁先細タイプ

番外編:ダイヤモンドキッチン砥石(といし)

直接収穫にはつながりませんが、包丁の切れ味を持続させるためには研ぐことが必要です。私は収穫が終わったら、必ず明日の為にメンテナンスをします。砥石でうまく研げればよいのですが、テクニックも必要ですし、時間ももったいないので、ダイヤモンドキッチン砥石でササっと研いでいます。おもちゃのようですが、意外と使えます。サビもしっかり落ちますので一度お試しください。100円ショップで購入できます。

ダイヤモンドキッチン砥石

手軽なダイヤモンドキッチン砥石

切れ味は大切ですので、定期的にシャープナーでも研いでいます。

自分なりの品質アップや効率化の道具を見つけてみよう

毎日の農作業の中でもっとこうしたら品質や効率が上がるのではと考えることはとても大切です。手先の器用な人は自分で専用の道具を作ったりしていますが、私のように不器用な人間には到底できません。
「こういうものがあったら農作業が便利になるのでは」
実はこのような考えを持つことが効率アップのヒケツです。農業用に販売されているものは高価なものも多いのですが、100円ショップで買えるものでも使い方次第では代用できる場合があります。自分で作れなければ見つけるという考え方をすればよいのです。栽培品目によっても使う道具は変わりますので、既存の道具を使うばかりではなく、皆さんが効率を上げ品質をアップして販売できるように考えてみてください。

おまけの虎の巻

昔、私の両親はネギとダイコンを市場へ出荷していた農家でしたので、家にはネギをむく機械とダイコンを洗う機械がありました。それが無かったらどれだけ大変なことになっていたか。それぞれの野菜には、メーカーが考え抜いて工夫を重ねた専用の機械や道具があり、最大限に効率化が図れます。しかし、少量多品目農家の場合、それぞれの野菜に適したたくさんの道具を購入することなどできないため、それぞれの農家の工夫が欠かせません。農業で大切なことの一つ、それは「工夫」なのです。

関連記事
私がフランスの長靴を履く理由~農家自身のブランディングとは~
私がフランスの長靴を履く理由~農家自身のブランディングとは~
農業を始めて一度の営業もせずに、現在は栽培した野菜の95%をレストランへ直接販売しているタケイファーム代表、武井敏信(たけい・としのぶ)です。このシリーズでは売り上げを伸ばすためのちょっとした工夫をお伝えします。 私は…
少量多品目農家は軽トラではなく“軽バン”を買え!
少量多品目農家は軽トラではなく“軽バン”を買え!
農業を始めて一度の営業もせずに、現在は栽培した野菜の95%をレストランへ直接販売しているタケイファーム代表、武井敏信(たけい・としのぶ)です。このシリーズでは売り上げを伸ばすためのちょっとした工夫をお伝えします。 農業…

関連記事

タイアップ企画

カテゴリー一覧