少量多品目農家注目! 2021年武井予想 売り上げが期待できる品種5選

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少量多品目農家注目! 2021年武井予想 売り上げが期待できる品種5選

連載企画:営業しない農家の売上アップ術

少量多品目農家注目! 2021年武井予想 売り上げが期待できる品種5選
最終更新日:2021年01月21日

農業を始めて一度の営業もせずに、現在は栽培した野菜の95%をレストランへ直接販売しているタケイファーム代表、武井敏信(たけい・としのぶ)です。このシリーズでは売り上げを伸ばすためのちょっとした工夫をお伝えします。

2021年がスタートし、今年は何を栽培しようかと作戦を立てる人も多いはず。昨年人気だったものは継続し、新たにチャレンジするものを探している人もいるでしょう。過去に350を超える野菜を栽培してきた武井がおすすめする、売り上げアップが期待できる品種を紹介します。

武井流、品種選びの基準

少量多品目農家として、初めて出会う野菜の栽培にチャレンジする時は、不安よりも希望の方が大きいのではないでしょうか。
農業を始めて間もない頃、私はがむしゃらにいろいろな野菜の栽培に挑戦しました。見たこともない野菜の色や形を確認し食べてみることが、楽しくて仕方がなかったのです。また、世間でまだ知られていない野菜をブログでいち早く紹介することも楽しみでした。ブログや店頭で初めてその野菜を見たお客さんが驚いてくれたからです。
現在は販売先がレストランとなり、プロの料理人が「おいしい」「使いたい」と言ってくれることが楽しみに。また、労働効率に見合った単価で販売できることも楽しみの一つに加わりました。

販売先が変わったことで、楽しみ方は変わりましたが、今でも新しいものに挑戦するという楽しみに変わりはありません。

レストラン、マルシェ、直売所、野菜セットなど、販売チャンネルが違ってもそこには必ずライバルがいます。同じ品目でも品種を変えることで、他の農家に差をつけ、売り上げアップを狙うことができます。そのためには、品目ではなく、「品種」という視点でどのように取捨選択するか、という考え方が大切です。私が品種選びをするときに気を付けているのは次の3点です。

  1. 大前提として、おいしいこと!
  2. 高い価格設定ができること
  3. 特別な栽培方法を必要としないこと

以上の3点を満たす、2021年に私が売り上げアップにつながると予想する品種を紹介します。

小ぶりなロメインレタス「リトルジェム」

リトルジェムレタス

手の平サイズのリトルジェムレタス

「小さな宝石」とも呼ばれている手のひらサイズのロメインレタスです。
一枚の葉に具材をトッピングして、いつもの食卓を少しオシャレに。加熱してもシャキシャキ感が残りますので、縦に半分に切って断面側を軽く焦げ目がつくまでソテーし、ナッツやチーズをトッピングすれば、レタスがメインのひと皿にもなります。普通にサラダに利用してもおいしく食べることができます。
大きなロメインレタスは使いきるのも大変です。鮮度がよいうちに食べきれることで、少人数の家庭にも人気で、マルシェや直売所はもちろん、レストランでもニーズがあります。
リトルジェムレタスのポイントは、1個だけでなく複数購入される可能性が高いということ。レストランの場合は、数を必要とするので売り上げもアップします。
栽培方法は基本的にリーフレタスと同じですが、大きくしないために株間10~15センチにすることが大切です。

黒くて甘い「黒ニンジン」

黒ニンジン

ほぼ黒色の黒ニンジン

紫色のニンジンはいろいろな品種がありますが、こちらは黒紫、ほとんど黒色のニンジンです。中も黒紫でわずかに芯部が白色になります。黒いニンジンという見た目の違いだけでなく、ニンジンの中では糖度も高く10~13度になり甘くておいしい品種です。
サラダやキャロットラペもいつもと違うおしゃれなイメージに。おすすめは、ニンジンジュースです。

黒ニンジンジュース

ワインのような黒ニンジンジュース

野菜にはあまりない黒という色。この色がマルシェなどで陳列されているとお客さんの目に止まります。普通のニンジンとは違いますので、周りと比較されることも少なく、他のニンジンよりも高価格で販売できます。
栽培は普通のニンジンと同じですが、株間7センチの密着栽培にして、元肥を減らして葉を小さく仕上げ、春まきはトウ立ちする可能性があるので避けます。

上品で極細のサーベルインゲン「モンテベロ」

サーベルインゲン

細長い上品なサーベルインゲン

サヤの直径が約8ミリと極細、長さは15~20センチ。スジなしで、他のインゲンに比べてほっそりしたインゲンです。私がフランスのお店で食事をした時に添えられていたインゲンで、その美しさと味にひかれ、すぐに作ろうと思った品種です。細さに注目していろいろと試しましたが、たどり着いた品種はVilmorin(ビルモラン)というメーカーのMontebello(モンテベロ)です。普通のインゲンでは成長に伴いサヤも太くなってしまいますが、この品種は細いままです。
サーベルインゲンは加熱することによって甘みが増しますので、クタクタになるまで火を通すのがおすすめ。
何といっても栽培している人が少ないので、希少性が高いインゲンです。
栽培方法は、つるありインゲンと同じで支柱を立てて育てます。

生食が絶品のカブ「白馬」

白馬

掘りたての白馬

サラダ用として最適、周年栽培できるカブです。このカブには弱点があります。それは、煮込むと軟らかすぎてとけてしまう点。しかし、サラダとして生で食べたり焼いて食べたりすると甘みがありおいしいです。サラダとして食べる際は、薄くスライスするより、多少の食感を感じるくらい、5ミリほどの厚さは欲しいところです。
サラダ用のカブは他にも品種がありますが、いろいろと試した中で、現在タケイファームのレギュラーとして栽培しています。
同じ生食でも漬物には漬物にあった品種がありますので、こちらはサラダ目的として栽培してください。
レストランへの販売は親指の爪ほどのサイズから1個40円で出荷していますが、その小さなサイズでもおいしい品種です。
栽培方法は、他のカブと変わりません。収穫してそのままかじりつくと、あまりのみずみずしさに驚くと思います。

サラダにおすすめ「キッチンケール(レッド)」

レッドケール

パセリのように縮れた葉が特徴のキッチンケール(レッド)

ケールには、ジュースやスムージーに利用される葉が大きく厚みがあるコラードタイプと、葉が柔らかく生でサラダで食べることができるキッチンタイプがあります。おすすめするのは、キッチンタイプの赤紫色をしたケールです。葉っぱがパセリのように縮れていてドレッシングもからみやすく、カールしている葉がサラダのボリュームをアップします。
生食以外にも、炒めたり、ゆでたりして食べることができるので、料理のレパートリーも広がります。
最近では、レストランでケールが使われたサラダも多く、人気急上昇中のサラダ野菜です。
収穫が11月上旬~3月下旬までと長く、低温下でもゆっくりと成長するので、剪定(せんてい)などの手間もなくほぼ放置栽培が可能です。

おまけの虎の巻

今回紹介した品種はタケイファームの売り上げに貢献している品種です。販売チャンネルによっても、さらに売り上げが期待できる品種もあるはずですので、自分にあった品種を見つけていく楽しみがあると思います。種は、基本、オンラインショップで入手が可能です。海外の品種もありますので入荷待ちというケースも。在庫があるときにしっかりと入手しておきましょう。

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