そろそろメジャー野菜に昇格? 色鮮やかな根菜、ビーツとは。土臭さを消す裏ワザも公開!

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そろそろメジャー野菜に昇格? 色鮮やかな根菜、ビーツとは。土臭さを消す裏ワザも公開!

武井 敏信

ライター:

連載企画:育てるならレア野菜

そろそろメジャー野菜に昇格? 色鮮やかな根菜、ビーツとは。土臭さを消す裏ワザも公開!
最終更新日:2021年01月29日

知っていそうで知らない野菜、名前は耳にしたことがあってもなかなかお店で見かけない野菜が世の中にはいくつか存在します。ビーツもその中の一つではないでしょうか。最近では、レストランでもよく見かけるようになり、意外とレシピもさまざまあるので食べたら好きになるかも。今回はビーツの魅力にせまってみます。

西洋野菜をはじめ珍しい野菜を年間約140種類、20年間で350種類以上栽培し、それらを直接レストランへ販売しているタケイファーム代表、武井敏信(たけい・としのぶ)が、レア野菜の魅力や育て方のコツを余すところなく紹介します。

ビーツとは?

ビーツはカブのようにも見えますが、ホウレンソウと同じヒユ科(旧アカザ科)の野菜です。
「テーブルビート」とか「ビート」とも呼ばれています。ビーツを使った代表的な料理にボルシチがありますが、その最大の特徴である鮮やかな深紅色はビーツの色です。ビーツといえばこの赤色のイメージが強いのですが、白、黄色、そして、中が渦巻き模様などさまざまな色のものも。形は大きく分けると球形、扁平(へんぺい)形、長形の3タイプです。
最近ではビーツを栽培している生産者も増えていますが、なかなか身近なスーパーで販売されておらず、百貨店や大手のスーパー、海外の食材を扱っているお店で、輸入されたものを見かけることができます。

ビーツ

鮮やかな赤色の渦巻きビーツ

タケイファームとビーツの出会い

私が初めてビーツを栽培したのが今から15年前の2006年でした。この頃は、知識を増やすために西洋野菜に力を入れていた時期で、ビーツはその中の一つでしかありませんでした。
後にビーツにもいろいろな品種があることを知り、色物野菜にはまっていた頃、赤以外の白や黄色のビーツを栽培しました。その後は不定期に栽培を続け、最近では、赤い球形タイプと渦巻きタイプの2種類のみを栽培しています。その理由は、販売先をレストランに絞ってから、シェフのニーズがその野菜の代表的な種類にあるとわかってきたからです。ビーツの場合は、赤と渦巻きがシェフに好まれます。

2011/11/13 12:13

渦巻きビーツ

ビーツの食べ方

ビーツは加熱しても生でもおいしく食べることができます。スープやサラダ、ピクルスやジュースなど、幅広い料理のバリエーションがあり、個人的にはサラダやピクルスのように生で食べるのが好きです。
ビーツの色は料理に彩りを与えてくれますので、鮮やかな色を落とさないために加熱する時に皮をむかないことが重要です。
葉付きのビーツが手に入ったら、ぜひ葉も食べてみてください。ホウレンソウやスイスチャードと同じように利用できます。どちらかというと、味はスイスチャードに似ています。ビーツと同じく、葉からも赤い色が出ますので料理に色がつきます。

ビーツの土臭さを消す裏ワザ

ビーツを食べて「土臭い?」と思ったことがある人は多いのではないでしょうか? この原因はビーツに含まれる「ゲオスミン」という臭いの成分が、雨上がりの土やカビに含まれる臭いの成分と同じであるためです。この土臭さもビーツの特徴ではあるのですが、この臭いが苦手な人も多いのが現実です。もしその臭いを消す方法があったらどうでしょうか。栄養価が高いと言われているビーツですので、もっとメジャーな野菜になるのでは!
その裏技は、あるフレンチのシェフから聞きました。ある日、レストランで食事をしていたらメインの付け合わせにビーツが添えてあったのですが、そのビーツは全くと言っていいほど土臭さがなかったのです。幸いにもカウンターで食事をしていたので目の前で調理しているシェフに聞いてみました。その答えは、ビーツの品種ではなく調理法にありました。「加熱する時にゆでるのではなく蒸すこと。蒸す時間の目安は竹串が中心部まで入るくらい」。実際に自分で試し40分ほど蒸したでしょうか、本当に土臭さが気になりませんでした。

蒸したビーツ

蒸したビーツ

シェフが求めるビーツ

シェフにビーツの何を求めているかを質問したところ、甘さと色を重視していて、形においては球形よりも長形の方が使い勝手がよいとのことでした。均等な厚さに切ってお皿に盛りつける料理の場合、長形のビーツは数がより多く取れるというのがその理由です。

ビーツ調理

スライスしたビーツ

成功へ向けて4つのヒント

春まきか秋まきか

ビーツの種まきは3月上旬~下旬の春まき、9月上旬~下旬の秋まきができます。
私の場合、秋まきで栽培することが多いです。寒い時期はビーツの甘みが増しますし、「ボルシチ」のように体を温める料理に使われるイメージが強いため、必然的に冬場の需要が高まるからです。冬に収穫することによって甘いビーツとなり、レストランに喜ばれます。

種まきは1粒まき

ビーツは1つの種殻の中に種が2~3粒入っていますので、1カ所から数本の芽が出てきます。
初めて栽培した時はその事を知りませんでしたので、1カ所に数粒の種をまいてしまい、やたらと発芽し種を無駄にしてしまいました。私はマルチを張って点まきで栽培しますが、発芽率はほとんどの品種が90パーセント以上ありますので、現在は1カ所に1粒まきです。

間引きは必須

無事に発芽し、草丈が5センチ程度になったら間引きをして1本立ちにします。ビーツの生育を促進させるためときれいな形を作るためにこの作業は必須です。ビーツの栽培の中で一番重要だと思っています。

きれいな球体のビーツ

きれいな球形になったビーツ

大きくならないうちに収穫を

品種にもよりますが、私の収穫の目安は根の直径が5~6センチになった頃。大きくなりすぎると硬くなり味が落ちてしまいます。理想は小さめで柔らかく水分が多いビーツです。

15~6センチのビーツ

収穫するサイズは重要

販売時の注意点

ビーツは根部に傷を付けると色素が流出しやすいので、収穫時は丁寧に扱うことが大切です。
タケイファームでは販売先がレストランということもあり、基本的に洗わず、できるだけ触らないように心がけています。
栽培する時期が冬ということもありますが、収穫時、葉が利用できる状態であれば葉付きで出荷し、寒さで葉が傷んでいる場合は、根元から全て切り落とし根の部分だけを販売します。

まとめ

最近、レストランでもジャンルを問わず見かけるようになってきたビーツ。栽培するイメージはカブでしょうか、4つのヒントを参考にして栽培すれば意外と簡単に収穫までたどり着くことができます。種はホームセンターやオンラインショップで入手が可能ですので、ぜひ一度チャレンジしてみてください。

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