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農家が教えるローズマリーの育て方 失敗しない挿し木の方法は?

鶴田 祐一郎

ライター:

連載企画:農家が教える栽培方法

農家が教えるローズマリーの育て方 失敗しない挿し木の方法は?

ローズマリーは比較的栽培容易な植物です。常緑植物なので庭に置いていても一年中緑色で彩ってくれますし、香り良く大変人気のハーブです。
地植えにしても巨木化することはなく、鉢植えで楽しむこともでき、病害虫の発生も少ないため初めての園芸にも向いている植物でしょう。

ローズマリーは常緑で、冬の間も葉が茂っています。そういった植物には共通の特徴なのですが、極端な寒さ(長期間氷点下が持続する環境)には弱いです。とはいえ東北地方の露地でも栽培されることもあるので、気にしすぎることはありません。できるだけ家の南面の日当たりが良い軒下などで栽培し、北風が直撃するような場所、霜が降りる場所は避けた方がよいでしょう。

茎が立ち上がる立性タイプと地をはうように伸びるほふく性タイプに分かれており、立性であれば、地植えだと1メートルを超える高さになります(鉢植えだと小さいまま)。ほふく性のものは、立ち上がらない性質を利用して、ハンギングバスケットや、花壇から垂らすなどの仕立て方を楽しむ人が多いようです。
それでは栽培の実際を見ていきましょう。

10〜5月の間は開花時期となり、あまり管理作業は必要ありません。ほふく性のローズマリーは夏の時期も開花することがありますが、同じタイミングで管理しましょう。

ローズマリーの種まき

数株だけの栽培であれば、すでに苗として販売しているものを購入して植え付けることをおすすめします。しかし、大量に栽培したい場合は種まきからおこなうことになるでしょう。
最も適した時期は5月。春の大型連休を利用して種まきをおこないましょう。
ポットに3粒ずつ播種(はしゅ)し、1センチほど覆土して、毎日水やりをすれば、1〜2週間(おおよそ10日くらい)で発芽してきます。
しばらくは水やり管理をして、背丈が2〜3センチ頃になったら1カ所1本に間引きして独り立ちさせましょう。

ローズマリーの挿し木

ローズマリーの増殖では、種まきをする方法よりも、この挿し木による繁殖の方が選択されることが多いです。
すでにローズマリーを育てている人、鉢が根詰まりしてきたので新しく植え直したいという人も、この方法で容易に増殖が可能です。

ローズマリーのできるだけ新しい枝を10センチほど切り取り、葉を半分以上落としてから水に挿します。葉を全部つけたままだと、葉の表面から水分が蒸散して枯れやすくなるため、減らしておくことが肝心です。かといって少なすぎても良くないので、半分は残しておきましょう。

1時間ほど水に挿したら、あとはポットの土に挿し替えて、毎日水やりをします。乾かさなければ必ず発根するので、乾燥させないようにしましょう。
川砂や赤土のような肥料成分の全くない用土の方が、肥料を求めて根が張りやすいのですが、市販の培養土で問題なく発根します。発根までには2〜3週間ほどを要します。

ローズマリーの摘心・収穫

ローズマリーは、枝を茂らせることでたくさんの葉や花を鑑賞したり収穫したりできるようになります。
そのためには枝がたくさん分岐して広がった方がよいのですが、枝を分岐させるためにやっておくとよいのが摘心という作業です。

言葉だけ聞くと難しそうですが、7月に先端をチョキンと切り詰めるだけです。こうすることで枝が分岐して発生しやすくなります。
植え付け1〜2年目の、枝を増やしたい栽培初期段階では何度か実施するとよいでしょう。株が大きくなってからは、逆に枝が増えすぎて困ることも多いので必要はありません。
意識していなくても、収穫のたびに先端10センチを切り取っていれば、それはそのまま摘心作業になっていきます。

ローズマリーの剪定(せんてい)

ローズマリーは年に2回、刈り込むタイミングがあります。春の5月と、秋の9月頃。その他の時期でも、収穫という意味で少しずつ切り取っていくのですが、大きく刈り込むのはこの時期にしましょう。

特に気候が安定している5月は一気に刈り込むチャンスです。花が終わってすぐに、花が咲いていた位置の少し下で全部の枝を切ってしまいましょう。その時に緑色の葉っぱを残しておくことが大切です。木質化した(何年も経って茶色くなった)枝には葉も花もつきません。毎年刈り込んで、若い葉を出してあげましょう。

刈り込まずに先端だけ切って形を整えるだけだと、茂りすぎたり樹勢が弱くなっていったりします。
他にも、伸びすぎた枝を切り詰めたり、混みすぎている部分の枝を間引いて透かせてあげたりし、弱々しくなった枝も切ってしまいます。

木質化した部分も、高さを抑えたいのであれば真ん中に立っているものを、横幅を抑えたいのであれば横に広がった枝を切りますが、必ず二股に分かれている根元から切り落としてください。

株元の木質化した部分の切り方

また、木質部は、切り落としすぎるとダメージが大きいので1回で1〜2カ所まで。それ以上切るのは次回の剪定に回してください。切らなくてよければ切らない方がよいです。

ローズマリーの肥料

ローズマリーはあまり肥料を要求しません。地植えであれば毎年1回、根元に牛ふん堆肥(たいひ)を敷いてあげる程度でもすくすく育ちます。鉢植えの場合は、3月と10月に小さじ1杯程度の化成肥料を与えるか、葉色が薄くなってきたな、と思ったら水やりの時に液肥を混ぜて散布するくらいでも大丈夫です。

ローズマリーの病害虫

ローズマリーの害虫でよくあるのはカイガラムシという、木にこびりついている白い虫です。最初は一見すると虫だと気付かないかもしれませんが、白い物体がこびりついていたらガリガリ削って落としましょう。一度削り落とされると死滅します。
また、カミキリムシが入ると枯れてしまう可能性もあります。根元の木質部に幼虫が入り込み、木の中をむしゃむしゃ食べてしまいます。枝が一部枯れ込んでいたら、枯れた部分の根元まで切って、中にいる幼虫を捕殺、もしくは穴に殺虫剤を流し込みましょう。

ローズマリーの鉢上げ

ローズマリーに限らず、鉢植え栽培では、徐々に根が鉢の中で詰まってしまって弱ることがあります。その時は根鉢を取り出し、表面の土をほぐして、新しい土を入れてひとまわり大きな鉢に植え替えましょう。

以上がローズマリーの栽培です。初心者にもおすすめですよ!

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