普段我々が食用にしているショウガは秋に収穫することができ、根ではなく地中の茎が肥大化した塊茎という部分になります。地上部に出ている茎を食用とする葉ショウガも夏に収穫することができます。
ショウガの種、植え付け場所の選び方
まずショウガ栽培で最も大切なのは、種ショウガの入手です。
種ショウガの品質は、収穫できるショウガの品質に直結しますので、よく選んで購入しましょう。泥が付いていて見た目では分かりにくいかもしれませんが、できるだけがっちりとした、表皮のみずみずしいものを選ぶようにしましょう。
また、植え付ける場所は半日陰のような場所でも問題なく育ちますので、他の作物があまり育たないところで栽培できるのがうれしい作物です。
ただし、連作にはあまり向いておらず、一回ショウガを作付けした場所は3年以上ショウガを植え付けない方が良いとされています。
ショウガの土づくり
ショウガ栽培においては、土づくりが占める割合がたいへん大きくなります。
ショウガ栽培の肝は肥料になるので、その効果を発揮させるためにも保肥力の高い土壌にしておくことが大切です。比較的酸性土壌を好みますのでpHはあまり気にする必要はありませんが、1平方メートルあたり堆肥(たいひ)3キロ、苦土石灰50グラムを植え付け2週間前までにしっかりと入れておき、よく耕しておきましょう。
作付け1週間前には、化成肥料を1平方メートルあたり一握り(50グラム程度)施して畝を形成します。1列植えであれば50センチ程度の細い畝で大丈夫です。生育期間が長いので随時草とりが必要になりますが、出てくる新芽がビニールを突き破れずに枯死することがあるため、マルチはせずに栽培されることが多いです。マルチをする場合はこまめに畑の様子をチェックして、芽が出始めた時にマルチを手で破れば問題なく生育します。
ただし、ショウガは発芽までに時間が長くかかる(1カ月くらい出てこないことも!)ことは念頭に置いておきましょう。
ショウガの植え付け(伏せ込み)
ショウガの植え付けは「伏せ込み」とも呼ばれます。根株から育てる作物の植え付けによく使われる言葉です。
種ショウガは、1株あたり50〜100グラムほどあれば十分なので、3等分くらいに分割して植え付けます。手でパキッと簡単に割ることができますので、1個だけはかりで量ってみて大体50~100グラムになるように分割しましょう。
1列植えの場合は30センチ間隔で、10センチほど覆土できる深さで丁寧に植え付けましょう。
時期は遅霜がなくなる4月中旬以降。地域によってはもっと遅いこともあるでしょうが、早すぎると霜にやられる可能性も高くなりますし、遅すぎると生育が遅れてあまり育たなかったという結果になることもあります。
ショウガの追肥
ショウガは肥料切れにさせてはいけません。1回目の追肥時期は6月上旬。畝にパラパラと化成肥料をまき、中耕して株元に土よせをします。葉をしっかり茂らせましょう。
2回目の追肥は8月上旬、この時期から塊茎の肥大が始まりますので、同様にパラパラと化成肥料を散布して中耕、土よせをおこないます。
ショウガの水やり
ショウガは水もたくさん欲しがります。特に梅雨明け以降の乾燥には注意しましょう。
栽培カレンダーに示している5〜9月の期間は、水やりの効果が大変大きいため、1週間以上雨が降らないようなら水やりをするよう心がけましょう。
葉ショウガの収穫
塊茎が小さいうちに楽しむ葉ショウガの状態で収穫する場合は、8月の暑い時期に、新しく出てきた塊茎から発生する茎(8葉程度)を抜き取って収穫します。
植え付け時に30センチ間隔ではなく10センチ程度の密植にしておき、葉ショウガを収穫しながら間引いていき、最後は根ショウガも収穫する、という人もいるようですが、筆者はしたことがありません。
根ショウガの収穫
11月の寒くなってきた頃、ショウガの葉先が黄色く枯れ始めてきます。これが収穫の合図です。スコップで掘り上げて収穫しましょう。
ショウガの保存方法
ショウガは売られている時は乾燥しているのですが、長く保存しようと思う場合はある程度の湿度が必要になります。
湿った新聞紙やキッチンペーパーに包む方法が一般的のようですが、もし入手可能であれば、もみ殻を使った保存方法がおすすめです。
発泡スチロールの容器などにもみ殻を敷き詰め、ショウガを埋没させたのちに水をかけて湿らせてから蓋(ふた)をしておきましょう。
もみ殻は、一部のコイン精米機などで無料で入手できるほか、ホームセンターなどで購入することもできます。
以上がショウガ栽培になります。収穫できる寒い時期は、自家製ショウガで芯から温まりましょう。